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ハーロ皆さん、俺ぴーちゃんでーす  作者: クイズの破格者
序章
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第一話


迷宮。


それは俗に言うダンジョンの訳語であり、きっと剣と魔法を使って冒険者が魔物を討伐するイメージを連想するだろう。けど、この世界の迷宮は違う。迷宮とはデスゲームが行われる場所であり、そのデスゲームをクリアー出来れば、迷宮踏破として見做される。つまり、階層《フロア》と言う概念はこの世界の迷宮には存在しない。数多なる者が死する迷宮は人間界に存在してるけど、人間には知られていない。隠蔽システムが迷宮を覆ってるからだ。人間がダンジョンの存在を知るには偶然と入るか迷宮主に選ばれるかのみ。


そこで読者さんはこの様に問うのでしょう。


一体どの様な基準で選ばれるのでしょう?何故選ばれるのか?


大抵の場合はそれが迷宮主が各々の基準と価値観によって選ばれる。例えば、迷宮主が純愛と平等を重んじるとしよう。勿論、その迷宮主が自ずと自分と同じ価値観を持ったものを選び、デスゲームに強制参加させて、選ばれし者の価値観をテストする様なシナリオをデスゲームに入れる。それは勿論、その人の価値観が本当にその人の価値観かどうかを確認するのが主な目的。切羽詰まった状況にいると大抵の人の価値観は崩れ落ちてしまうのだろう。


迷宮と神の僕(ダンジョンマスター)を造った神々が価値観を無くした煩悩に耽《ふけ》た人間のことを懸念し、より平和な世界を望み、自然の理に反する迷宮を造った。それは完璧なものでは無かったが、用を足してたといえるのだろう。残りを後ほど説明しよう。


もし、そのような自然の摂理をあまりにもどうでも良く思い、ただ自分の出世を図る無能な僕《しもべ》がいたら一体どうなるのだろう?


大抵のダンジョンマスターはあまりにも誠実すぎて、考えともしないのだろう。けど、一人はそう考えるようになった。だからこそ、誰でも選べば良い。それが自分と同じ価値観を持っていない人間じゃなったとしても。

「ハーロ、少女さん。ぴーちゃんと申します。」とある奇妙な鸚鵡《おうむ》にこう言われたのである。


謎の空間に急に拉致されて、一体何を思えばいいのかすら分からない。ただ呆然と困惑するしかなかった。


◇


何もない真っ白な空間。まるで死後の世界に行ったかの様な場所。


「頭いったー、え、あれ、なんか可笑しいのが目の前にいるよね。」と無名の黒髪少女がこう呟いていた。彼女は高校生ならではの典型的な学生服を着て、美形に見えたが、美容を維持しようとしないように見えてかえってだらしなく見える。凛々しい藍色の目と褐色の肌は印象的としか言うようがない。無名ちゃんと呼ぼう。


「五月蝿いな、この無礼者!お前の命に関わるかも知らない大事なお知らせを言おうとしてるのに。」と闇を体現するかの様な鸚鵡に彼女は怒鳴られたがこの謎の鳥に拐かされたとしても、全く怖くなかった。寧ろ、彼女は滑稽にすら思えた。


「ぷぷ」


「何笑ってんだお前。今度あんな様な失礼な態度を取ったら殺すぞ。」と笑い芸人のモノマネを思い浮かばせる様な金切り声で憤りを露わにした。


「ごめん、ごめん。けどな、自分を誘拐した者がこんな馬鹿らしい格好な鳥だったなんて、思いもしないね。幻想だと思えるよね。」と無名ちゃんは巫山戯(ふざけ)気味に答えた。


無名ちゃんはそんな馬鹿らしい鳥をマトモな存在として受ける訳がない俗人であり、それ以外ではないとは言えない。


「俺の存在は幻想なんかじゃなぇよ。まあ、あんたの態度を無視して、本題に入りましょう。少女よ、あなたはこのベルトリオス迷宮のデスゲームの参加者として選ばれています。そしてこの俺様がこの迷宮の迷宮主《ダンジョンマスター》です。」と深刻そうな話をこう宣言した。


無名ちゃんの目は急に光った様にじっと鸚鵡さんを睨んだ。まるで人生初の刺激であったかの様に。


◇


「デスゲームか!!それは面白いよな。ルールを説明してくんない?」とさっきの侮蔑とは裏腹にぴーチャンを面白がるような口調で無名ちゃんが言った。


「おかしいな。普通は死を怖がって冷静に判断すらできないのに、なんであんな子だけが喜んでるよ」とぴーちゃんが少女の正気を疑った。

「まさか、お前、日本人か?」


「まあ、日本人じゃないけど、混血児(クォーター)とでもいえるのかな。日本のアニメと漫画が病的なほどに好きですけど。」


「面白い。まあ、日本人の血統を持ってるし、その変な喜びも納得できるよな。」と鳥がこう答えた。丸で、流石日本人の血筋とでも言えるかのように聞こえた。


「さあ、いよいよゲームを始まりましょう。ルールはただ一つ。自分の才覚を使い、なんとか生き返れ。」


そこで褐色の観音開き扉が急に現れた。その扉の縁には色んな装飾が施され、扉自体に金色の象嵌が嵌められた様に丹念に作られた様な印象を与える。

「それがデスゲームの始まりか?準備はOK、自分?自分なら生きてこられるよ」とこの大事な鼓舞を忘れずに無名ちゃんは迷宮に挑むようになった。


無名ちゃんは生きて帰れるのか?


「よーし。行こうぜ。」

その物語の始まり的な台詞を言ったや否や、観音開きの扉が重々しく開いた。まるで新しい人生の幕開けになってるかのように。



◇


この作品の第一話を読んでくださってありがとうございます。これは人生初めての小説ですから、これから、どの様に展開するのかはを楽しみにしています。まあ、俺が自分の人生の懸念と俺の気持ちをこの小説によって誰かに伝えたい。それだけです。

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