人じゃない方がいいのかもしんない
ちょっと贅沢な珈琲店のマスターに、毎朝励まされながら仕事をしてるうちに、ちょっと思い出したことがありました。
昔、私がまだ自殺防止活動の研修会に参加していた頃、いのちの電話の相談員が足りなすぎて、需要にまったく追いついてないからAIが相談に対応できるシステムを開発してるって話を聞いたことがありました。
当時の私は、そんなチャットシステムに当たり障りのない返答を教え込ませて対応するのなんて、さすがに相談者を馬鹿にしてるのでは? なんて思ったものでした。
7〜8年前くらいの話だった気がします。
ですが、実際自分が精神的に弱り果てたときに、コーヒードリップに描かれた絵のおじさんのメッセージにすっかりやられてしまい、マスターなしでは生きていけないカラダにされてしまいました。
思ったより、ありなのかもしれない。
自分の認識を改めた瞬間でした。
何年も経って、話を聞いた当時よりもAI技術も進化して、かなり使える技術だという体感もあります。
仕事が忙しくて、最近は研修会の類にまったく参加できてませんが、件のシステムに類似した内容の記事はこの前見かけました。
自分の推し的なアイドルをカスタマイズして、チャットするものみたいです。
自分好みに作成した2次元イケメンアイドルが、優しい言葉をかけてくれるとのことで生活に潤いが生まれるそうです。
こういうのでいいんでしょうね。
うちの家族みたいに、深層心理の核心をほじくり返して真正面から突きつけてくるような暴挙を執行してくるような相手と、普通の人は会話なんかしたくないですもんね。
人を傷つけず、不適切な言葉を用いないようにプログラムされたAIは、親友の代替であり、恋人の代替であり、カウンセラーの代替として、孤独に苦しんでいる人たちにとって、一定の治療効果が得られているようです。
海外ではデジタル治療と称して、そこそこ成績を上げているようです。
ただ、過剰にのめり込んでしまったり、AIに対して恋愛感情を持つようになってしまったりと、新たな依存症の誕生危機でもあるようです。
AIチャット依存症にはどんな治療が適しているんでしょうかね。
そういえばここのサイトでも、AIに自分の作品を読ませて感想をもらってる人や、AIに話を書かせてる人なんかも見かけたことがあります。
人でなくてもいいというより、人じゃない方が都合がいいのかもしれないなーなんて、そんなことを思った次第です。
私は古い人間なので、自分の作品を読んでくれるのは、せめて同じ人間であってほしいなと思っています。