0 さあ、遊ぼうよ
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神界の一角に主神が生み出した二柱の神がいた。
二柱の神は、地上に”ギフト”を与える役目が割り振られ、対象に最適な”ギフト”を与えるための思考を出来るように知識と思考回路が与えられていた。
”ギフト”を与えることしかできない二柱は、当然の如くひたすらに地上に”ギフト”を与え続ける。
だが、数百年、数千年と思考を続け”ギフト”を与え続けると、そこに退屈を感じ始めた。
そこで片割れである一柱は、一つの遊びを始める。
最適な”ギフト”以外の”ギフト”を与えるのだ。
最初は小さく最適を外す。
例えば、『剣豪』が最適な人物に『剣士』の”ギフト”を与える。この二つの”ギフト”の違いを簡単に言えば、”ギフト”の格がワンランク違うというただそれだけの事。
与えられた役割から外れたことをした一柱は、主神から怒られるのではないかという不安感を募らせながらも、どことない高揚感を味わっていた。
同じように”ギフト”を与える役目を担っていた残りの一柱は、初めは冷めた目で片割れのことを見ていた。どうせ主神に怒られ、下手したら主神に消されるだろうと。
だが、現実は違った。主神はいつまで経っても訪れず、最適ではない”ギフト”を与えているということにすら気が付いていない様子。
そうと分かれば、事情は変わってくる。
残りの一柱も退屈を味わっていたのだ。そして、危険を冒しスリルを味わって楽しんでいる片割れを見れば自分もやりたくなってくる。
残りの一柱は、片割れよりもより適正から外した”ギフト”を与えた。
例えば、『剣士』の”ギフト”を与えるところに『魔法師』のギフトを与える。
残りの一柱もこれまでに感じたことのないほどの高揚感を味わった。そして、”ギフト”のことが主神にばれることはなかった。
そうなると、二柱の行いもエスカレートして……ということにはならなかった。なぜなら、与えられる”ギフト”はあくまで対象の中に眠っている才能に適したものしか与えられない。『剣士』と『魔法師』のどちらも持ってくれていれば、神がどちらかを選んで与えるということも出来るのだが、あくまで『剣士』系統の”ギフト”しか持っていなければ、適性内で”ギフト”のランクを動かすぐらいの遊びしかできないのだ。
またしても二柱に退屈な日々が訪れる。
だが、片割れから面白い話が出た。
どうして二柱はそれぞれ別の種族に”ギフト”を与えているのかと。
二柱はそれぞれ人族と魔族、別の種族に”ギフト”を与えていた。そして、与える”ギフト”は種族によって別々のものになっている。
だが、もしもだ、人族の中に魔族の”ギフト”の適性を持っている者がいたら、魔族の中に人族の”ギフト”の適性を持っている者がいたら。
もしこの仮説が成り立ったならば、二柱が与えられる”ギフト”の選択肢は一気に跳ね上がるかもしれない。
そして、面白いことに人族にも魔族にも別の種族用の”ギフト”適正を持っている者がいた。
以降、二柱は共に”ギフト”を与えるようになる。二柱でああでもないこうでもないと言いながら面白組み合わせを作っていった。
そんな面白いことも数千年と続けていけば、当然の如く飽きも来る。
そして、またしも片割れが面白いことを思いつく。
「ねえ、ねえ、面白いこと思いついたんだけど」
「んー、今度はなにかしら?」
「あのね、僕たちで地上に降りない?」
それは主神にしてよいと許可されていることではない、と提案された片割れは考えたところで、悪魔の笑みを顔に浮かべた。
よくよく考えれば、二柱はすでに主神に許可されないことをやり続けている。それならば、今更気にすることでもない。
「それは面白そうね」
「でしょでしょ!でもね!もっと面白そうなこと考えたんだよ!」
「もっとも面白いこと?」
片割れは小さく首を傾げて問いかけた。
もう片方は、無邪気に答える。
「うん、あのね!二人でゲームをしよう!」
「ゲーム?」
「そう!どっちが先に世界を支配できるか!」
片割れに邪悪な笑みが浮かぶ。
「ふふっ、それはいいわね」
「でしょ!それでルールはね……」
片割れが提案したルールを簡単にまとめると、
①片方は人族の国を一つ、もう片方は魔国を支配したところから始める
②お互いは様々な手を尽くし、手駒を増やしていく
③相手の手駒たちと戦っていいのは直接攻撃を仕掛けられてから
④神同士が戦うことは禁止
⑤最初に支配した国を落とされた方の負け
「いいわ、それでいきましょう」
「オッケー、決まりね!」
二柱は立ち上がる。
もし主神にバレでもしたならば、止められること間違いなし。故にやることが決まれば即決断、即実行だ。
「そあ、遊びに行こう!」
この日、神界から二柱の神、善神スプンタと悪神アンラが消えたのだった。
最後まで読んでいただき有難うございます。
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続けてもう一話投稿するのでそちらも読んでいってくれたら嬉しいです。




