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訓練21日目(魔法武器試作品)

ジャミルに訓練を見てもらうことになってからかなりの日数が過ぎた。


彼の訓練はどれも地味な反復練習ばかりで肉体的にも精神的にもかなりキツイ。


ジャミルは獣人の中でも特に小柄で力も弱いので、戦い方を色々と工夫しないと生き残っていけないそうだ。

見た目のキャラクターとは違って戦いに関してだけは誰よりも真剣で真面目だった。


練習の成果もあって投げナイフの命中率は80%まで上がり、弓矢の命中率は90%になった。


ジャミルは戦闘中に武器を持ち替えながら投げナイフを放つことができるがその技術だけはまだ一度も成功していない。

剣を持ちながらナイフを掴もうとするとどうしても剣を落としてしまう。


彼はとても器用で両方に持っている短刀の片方を一瞬にして鞘に戻し武器を持ち替え投げナイフを放ったり、両手で短刀を2本持ちしてナイフを放ったりできる。

しかも武器を持ち替えているその間にも一方の短刀で魔物を攻撃し続けている化け物だ。


その物凄いテクニックを私にもやらせたいみたいでもう何日も同じ練習をさせられている。



「うん。かなり投げナイフも使える様になったみたいだね」

エリックはジャミルとの特訓の成果に満足そうに頷いている。


「いや、こいつはまだまだ実戦じゃ使えねーよ!」

ジャミルは厳しいことを言う。


最初は嫌々だったのに今では立派に私の師匠を務めている。


「まあ、まだ練習だからそれくらいできれば十分だよ」

エリックがジャミルを宥める。


「それじゃ結構前に話していたゼロ君専用の魔道具の使い方を説明するよ」


ついに自分専用の魔法武器を使えるという期待でわくわくする。


「魔道具は使い捨てにするとコストがかかるからあまり乱発はできない。

なので使うタイミングと威力と効果のバランスが重要になってくる。

威力や効果が高ければ高いほど質の良い魔石と素材を使っているから大事に使って欲しい」


なるほど。

Fランクの魔物相手ににEランクの魔石を使ったら確かに割りに合わない。


「まだまだ改良の余地はあるけれども試しにいくつか作ってきたから実際に使ってみて効果を体験して欲しいんだ」

そう言ってエリックは数本の投げナイフを用意する。


「それじゃ今から実際の魔物で試してみようか」

そう言ってエリックは指を鳴らし、

Fランクで魔力を使った攻撃じゃないと絶対に倒せない魔物スライムを出した。


スライムはふよふよと身体を揺らしている。


「いつも不思議に思っていたんですが、エリックの出してる魔物って召喚術ですか?」

エリックのモンスターは倒しても死体や素材は残らず魔石に変わってしまう。


「これは僕が独自に開発した技術で召喚術とはちょっと違うけれど、方法は秘密だよ」

エリックは指を一本立てて口に当ててナイショのポーズをする。


まあ、普通に考えて悪用されたら大変だからな。


「それじゃまずは通常の投げナイフでやってみようか」

エリックはスタートの合図をする。


いつもジャミルと練習している投げナイフをスライムに放つ。

ナイフはスライムを貫通し地面に刺さる。


一瞬スライムは2つに分かれたが時間と共にすぐに元に戻る。


「魔力ゼロって本当だったんだな……」

ジャミルが驚いた様に呟く。


「俺くらいの冒険者になると魔力を使わない様に意識していてもどこか無意識に魔力を使っちまうんだ。

だからこんな風に魔力を一切使っていなくても……」

そう言ってジャミルが投げナイフをスライムに放つ。


ナイフがスライムを貫通し地面に刺さる。

スライムのいた場所には小さな魔石が残されている。


「なっ!?

魔力ゼロって逆にスゲーよ!」

ジャミルはそう言って笑う。


彼も戦闘で魔力がない事はデメリットでしかないことを知っているからだ。


「いつか魔力の使えない環境で戦うことになったらゼロ君は間違いなく世界一の実力者になれるだろうね」

そう言ってエリックが慰めてくれるがそんな場所は存在しない。


「それじゃ次はこっちの魔法陣の投げナイフを使ってみて」

エリックがナイフを渡す。


再びエリックにスライムを出してもらうと、私は魔法陣の投げナイフを放った。


先ほどジャミルが投げたのと同じ様にナイフがスライムを貫通し地面に刺さるとスライムは魔石を残して消え去った。


「次はこっちのFランクの魔石のナイフ」


新しいスライムに投げる。

魔法陣のナイフと同程度の威力だ。


「次はEランクの魔石のナイフ」


新しいスライムに投げる。

ナイフがスライムに刺さった瞬間爆発を起こしてスライムと一緒にナイフまでも木っ端微塵になった。


「うん。ちゃんと使えてるみたいで安心した」

エリックは実験結果に満足している様だ。


「投げナイフに魔法陣と魔石の両方を組み込む事は難しいのですか?」

私は疑問を思わず口にする。


どうして魔法陣とFランクの魔石が別々だったのだろう?

あれ以上威力が増すとナイフまで壊れちゃうからかな?


「え?

……うん。

そういう技術もない事はない!

それと他に何か気付いた事はあるかな?」

エリックは私が提案した方法に気付いていなかっただけだった。


仕組みはわからないがハイブリットで魔法陣と魔石のいいとこ取りをすれば魔石の消費を抑えられて更に性能UPも期待できるだろう。


他にもあったら便利そうなアイディアをいくつか出しておいた。

閃光弾や手榴弾などの効果を投げナイフに加えてみても面白いかもしれない。

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