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1―7 VS魔物の群れ

魔物の群れを討伐するための場所に作戦どうり各部隊が着いた。


そして数十分後、魔物の群れがヴェイン率いる部隊と戦闘を開始した。


グギャァァァァァ!とオークの叫びが聴こえてくる。


続いてグオオォォォォォッ!!と怒号を響かせるオーガ。


それに負けぬとばかりにワアアァァァァッ!と叫ぶヴェイン率いる部隊。


そしてヴェイン率いる部隊に釘付けになっている魔物の群れを左右から範囲攻撃魔法で攻撃する、クラリッサとギルドマスター率いる部隊。


ちなみに俺はアルティナと一緒に戦闘を見ているだけで何もしていない。


というかマジで俺はこの戦闘に参加する必要がない。むしろヴェインと他数名で殲滅出来るだろうと思う。


実際にヴェインがオークを殴る度にオークが他のオークを巻き込んで数メートル程吹き飛ばされる。手刀を振るえば纏めて複数のオークが切り裂かれ大地に沈む。


「オォォォォラァァァァッ!」


ベグシャアッ!


ヴェインが放った拳がオークの顔面を捉え頭ごと粉砕した。


「・・・・・・」


アルティナはヴェインの拳の威力に驚きあんぐりとしている


逆にクラリッサは満足したように頷く。


「流石は私の旦那候補……私も負けてられないわね」


…………………えっ!!!?ヴェインが旦那候補だと……マジで!?アイツこんな短い間に何をやったんだ………。


ヴェインの手の早さに俺は驚愕する。長くて三日、短くて一日の間に旦那候補になるって本当に何をやったんだ?まあ、この事は後で問いただすとして今は魔物の群れの討伐が最優先だ。


戦場を見渡すと状況はヴェインの活躍により五分五分ではあるがまだオークだけしか戦闘していない。


オーガ変種と複数いるオーガはオークの後方に待機した状態だ。


こちらは三方向から攻めているが数が圧倒的に少ない。しかもオーガと一対一で渡り合えるのは俺を除くとヴェイン、ギルドマスターの二人だけであろう。


「クリムゾンストライク」


クラリッサがこちらに接近してきたオークを巨大な火球で焼き尽くした。


オークの数が少なくなりオーガが動き出した。


グオオォォォォッ!


叫びを上げオーガが一人の兵士に突撃した。


ドガンッ!


オーガが一人の兵士の殴り飛ばした。


ガシャッ、ガシャガシャ……ガシャ。


殴り飛ばされた兵士は数メートル先てで停止し、ピクリとも動かない。


殴り飛ばされた兵士のHPバーは灰色一色に染まっている。多分即死だろう。


それを見たヴェイン率いる部隊の兵士の動きが悪くなった。オーガの一撃で士気が下がってしまっている。


まだ辛うじて状態異常恐怖にはなっていないがこのままでは時間の問題だ。


オークの数は半分程になったがオーガの数は変種を含めると十一匹いる。


そして変種を除いたオーガ全てが動き出した。


「マズいッ!!」


クラリッサが叫ぶ。


そうオーガ全てがヴェイン率いる部隊に突撃したのだ。


ギルドマスター率いる部隊がヴェイン率いる部隊の援護に動く。


クラリッサが一匹のオーガに向かって魔法を放った。


「クリムゾンストライク」


巨大な火球がオーガに命中する。


ドガァァァァァァァァンッ!


「グルル……ゴオオォォォォ!」


オーガのHPを三割程削ったが、先程の攻撃でオーガがクラリッサに目標を変更した。


変種は相変わらず動かないが、オーガによる被害がデカい。


オークはオーガが戦闘に参戦してからしばらくして全滅した。


残りはオーガと変種の十一匹のみ。だがこちらの人数は十人だ。


それにしても戦闘前の報告ではオーガの数は数匹のはずだったが、実際には十匹である。何故だ?


「クリムゾンエッジ」


ザシュッ!


クラリッサの魔法が先程のオーガを切り裂いた。


ギルドマスターやヴェインも丁度オーガを一匹ずつ倒したようだ。


俺は何となくオーガ変種に視線を向けたら信じられない光景を目にした。それは――――。


オーガ変種がオーガを召喚したのである。召喚されたオーガの数は二匹。


これでオーガの数が増えていた理由が分かった。


この光景は初めて見た。正直に言うと今回が召喚タイプの変種が初めて確認された戦闘である。ことは後日正式に発表されることとなり大陸全土の人類に大きな衝撃を与えたのは別の話。


「レイオット、おまえは変種を片付けろ。本来なら俺がやりたいところだが……」


ヴェインがチラッと兵士達の方に視線を向けた後再び俺に視線を戻す。


「俺は、あいつ等のサポートをしなくちゃならないからな」


仕方ないか……。ハァ〜。俺はため息を吐くとオーガ変種の方を向く。


相手は変種と召喚されたオーガ二匹。なら特に問題は無い。油断しなければだが……。


「アルティナ、俺は変種と召喚されたオーガ二匹を討伐してくるから、クラリッサと一緒にいるんだぞ?」


「ちゃんと帰って来るよね?」


不安そうに俺を見上げるアルティナ。


そんなアルティナの頭をポンポンとしながら言う。


「大丈夫、すぐに終わらせて戻って来るから。心配するなって」


そう言うと俺はクラリッサの方を向く。


「アルティナのことは頼んだよ」


「ええ、分かったわ。でも一人だけで大丈夫なの?何なら兵士を二人ほど貸すけど?」


「問題ないよ俺は……さすがにヴェインみたいに味方を庇いながら戦うわけじゃないしね」


そう、ヴェインは仲間を庇いながら三匹のオーガを相手に戦っている。残りの四匹はクラリッサやギルドマスター、と兵士達が相手をしている。


「じゃあ、行ってくる」


「行ってらっしゃい」


ダッ!


アルティナに見送られ俺はオーガ変種に向かって駆け出す。


俺の接近に気づいたオーガ二匹が突っ込んでくる。


「サンダーボルト」


ドガラッシャァァァァァァァンンッ!


雷鳴と同時に二匹のオーガは雷により絶命した。


サンダーボルトは電撃魔法の中でも比較的に上位の魔法であり威力は最上位のより一歩程及ばない程度のものだ。


俺は絶命した二匹のオーガの間を抜け変種に近づく。


今更だけど何で俺はオーガ変種に近づいているんだろう?戦士職じゃなくて魔法職だから近づく必要ないのに必要以上に近づいちゃったし……。


そもそも改めてオーガ変種を見ると通常のオーガとほとんど変わらない。違いは目の色のみ。それ以外は変わらない。


本当、よく変種だと分かったのか不思議だよ。


グオオォォォッ!!


ブンッ!


「よっと……」


オーガ変種が振り回した斧を避ける。


ドゴン!


斧が当たった地面が陥没する。


ヤッベ……下手したら一撃死すらありえるよコレ。


その威力に俺は内心冷や汗が出る。


実際にステータスが高くても当たり所が悪ければ死ぬ。本当……嫌になるよまったく。


オーガ変種が何度も斧を振るうが俺はそれを避け続ける。


そろそろ仕留めるかな。


「クラッシュ・レイ」


オーガ変種を囲むように光球が複数出現し、光球が砕ける度に閃光がオーガ変種を引き裂く。


そして数秒後にはオーガ変種がズタズタに引き裂かれ絶命した。


結構アッサリと俺はオーガ変種を倒したがこれがlevelの低い戦士職や魔法職だったらどうなっていたことか……多分、激戦になっていたか全滅していたかのどちらかだろう。


まあ、ヴェインに頼まれた通りオーガ変種を倒したし、戻りますか……。

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