人類の守護者
最新鋭の設備が整ったNight Fang Huntersの本部では、隊員達が慌しく情報解析に追われて居た。全世界を隈無くカバーする情報網から、様々な怪異の情報が流れ込んで来る。
全ての情報は重要度に因りランクが分けられる。中でも、オルランド・シティからの情報は最高ランクに位置付けされた。世界大戦の最中、その高度な科学力の故に自らを過信して滅んだ都市。廃都と化したオルランド・シティ上空に捉えられた不審な飛行物体。
全世界に存在する軍事用を含めたあらゆる飛行機を凌駕する飛行速度。計測限界値を超える凄まじいエナジー。NFHは総力を挙げて目標の活動を捕捉すべく作戦を展開している。
軍高官の階級章を襟に付けた、体格が良く口髭を生やした壮年の男が作戦司令室に入室して来て、指揮官らしき若者に話しかけた。
「ジャクソン少尉。まだ、オルランドの化け物の所在は掴めんのか?」
「はい。ルドルフ司令。惑星全域のレーダー及びセンサーを総動員して居りますが、未だ消息不明の儘です。」
「一刻も早く捕捉せねばならない。情報網をフル活用して、活動の痕跡を捜し出すのだ。」
「では、オルランド・シティの未確認個体の捕捉にNFHの全機能をシフトします。」
「忌々しいヴァンプの首領との攻防で被った汚名を返上するのだ。我々は必ず闇に蠢く者共に勝利する。二度と、ジェーンの様な犠牲者を出さぬ為にも。」
大佐は、胸に掛けられたペンダントを開いた。同時に、ホログラフィックが空間に映し出され、生前の娘が優しげに微笑む姿が現れた。
「大佐。心中、お察し致します。」
部下が哀悼の意を表明してペンダントの遺影に黙祷した。
「有難う。・・・私は、忘れる事が出来んのだ。あの時、死の間際に見せた娘の哀しい微笑みを。だから、私の行動には職務を超えた私怨の情が絡んでいる。・・こんな私でも司令官と認めて付き従ってくれる諸君には心から感謝している。」
「何を仰います、司令。闇に蠢く魔を討つのは我々の使命です。全ての人々の幸福の為に。貴方に従うのは当然の事です。」




