第十三幕 一夏の思い出、合宿
八月。夏休み真っ只中。
舞風学園演劇部の五人は、海沿いの町へ向かう路線バスに揺られていた。
窓の外には、次第に建物の間隔が広がり、潮の香りを含んだ風が流れ込んでくる。遠くには、きらきらと光る青い海が見え始めていた。
「……ねえ、見て。海、見えてきた……!」
ひのりが身を乗り出すようにして窓を指さし、声を弾ませる。
「ほんとだ……想像以上に、ちゃんと海の町だね」
みこが目を瞬かせながら、外の景色を追った。
「ここから少し坂を上ったところよ」
唯香が落ち着いた声で言う。
「祖父母が、ずいぶん前に買った別荘だから」
「ずいぶん前って……」
七海が窓の外に目を向けたまま、ぽつりと呟く。
「なんだか、バブルの頃の別荘って感じがするわね。高台に建ってて、海が見渡せるタイプの」
「え、なにそれ」
ひのりがくるっと振り返る。
「もうその時点で、お金持ちの匂いしかしないんだけど」
「……確かに」
紗里が苦笑しながら頷く。
「合宿っていうより、リゾートの響きが強いな」
バスはゆっくりと坂道に差しかかり、カーブを曲がった先で停留所に止まった。
「ここよ」
唯香が立ち上がる。
五人がバスを降りると、目の前には白い門と、その奥にそびえる洋風の建物があった。高い位置にあるテラスの向こうには、青い海が一望できる。
「……え」
一瞬、言葉を失ったひのりが、次の瞬間、思わず叫ぶ。
「お城じゃん!!」
「ほんと……」
みこが小さく息を呑む。
「映画のセットみたい……」
「これ、ほんとに高校の部活合宿で使っていいやつ?」
紗里が半ば呆然としたまま言った。
「……あれ? ってことはさ」
ひのりがニヤッと笑って言う。
「これ、“部活アニメの合宿回”でよくあるやつじゃん!
お金持ちの子が別荘を提供してくれる、あの定番イベント!」
「出た、メタ発言」
七海が肩をすくめる。
「だって条件そろいすぎでしょ! 夏、海、別荘、合宿! 完璧じゃん!」
「まあ……ありがちだけど、正直ちょっと憧れる展開ではあるわね」
紗里が苦笑する。
「ふふ。そんなに特別なことじゃないわ」
唯香が少し照れたように微笑んだ。
「……まあ、少し贅沢ではあるけれど」
五人はしばらく、言葉もなく別荘を見上げていた。
「これ……ほんとに“合宿”って言っていいのかな」
紗里が楽しそうに言う。
「特別合宿ってことで!」
ひのりが両手を広げて宣言する。
真夏の空の下、少女たちの声が、海沿いの別荘に響き渡った。
玄関のドアが開いた瞬間、ひんやりとした空気と、落ち着いた木の香りが五人を包み込んだ。
視界いっぱいに広がるのは、どこか時代を感じさせる、贅沢な内装。
「わぁ……すごい……映画のセットみたい!」
ひのりが思わず声を上げる。
「……なんか、ちょっと緊張するかも」
みこが小さく呟き、周囲を見回した。
「スケール感が違うよね。天井も高いし」
紗里が感心したように言う。
そんな中、七海は調度品に一瞬だけ視線を走らせ、ぽつりと呟いた。
「昭和の終わり頃のデザインね。……この感じ、懐かしいだけじゃなくて、胸にくるわ」
「え、そこまで分かるの?」
ひのりが目を丸くすると、七海は少し照れたように微笑んだ。
「古い場所には、時間が染み込んでるの。だから、物語が立ち上がってくる」
「さすが七海ちゃん、小説家脳!」
そのやり取りを聞いていた唯香が、静かに言葉を添える。
「この別荘はね、子役で忙しかった頃、祖父母と過ごした大切な場所なの」
「……そうなんだ」
みこがしみじみと頷く。
「ここで演劇やったら、絶対ドラマチックだよね!」
ひのりが目を輝かせると、
「ふふ。少し贅沢だけど……せっかくだし、目一杯使いましょう」
唯香が微笑んだ。
静かな別荘の中に、五人の笑い声がゆっくりと広がっていった。
荷解きを終えた五人は、ダイニングの大きなテーブルを囲んで昼食の相談を始めていた。
「食材は用意してあるわ。好きに使っていいわよ」
唯香の言葉に、ひのりが真っ先にクーラーボックスを覗き込む。
「魚介めっちゃある! エビにイカに、あさりも!」
「夜はバーベキューにしたいし、お昼は軽めがいいかもね」
紗里が冷蔵庫を確認しながら言うと、
「じゃあ……シーフードカレーなんてどうかしら」
唯香が提案した。
「海の町だもの。ぴったりだと思うわ」
「賛成! 夏だしカレー最強!」
ひのりが即答し、他の四人も自然と頷く。
エプロン姿になった紗里を中心に、調理が始まった。
「というわけで本日は〜! 舞風学園演劇部・夏の別荘キッチンからお届けしま〜す!」
ひのりがしゃもじをマイク代わりに掲げる。
「……始まったわね」
七海が苦笑する。
刻む音、炒める音、スパイスの香り。
その中で、ひのりは相変わらず皮むきに苦戦し、みこは微笑みながら見守り、唯香は静かな手つきで魚介を下処理していた。
「手つきがプロみたい」
みこが感心すると、
「昔、撮影で調理シーンがあったの」
唯香は少し照れたように答える。
やがて、大鍋から立ち上る香りがキッチンいっぱいに広がった。
「完成〜!」
テラスで並んで食べるシーフードカレーは、潮風と相まって格別だった。
「……おいしい」
「魚介の出汁、ちゃんと出てるね」
そんな中、唯香がふと呟く。
「料理って、演劇に少し似てる気がするの。
準備があって、段取りがあって……最後に、みんなで味わう“本番”がある」
「それ、めっちゃわかる」
ひのりが大きく頷いた。
夏の昼下がり、笑い声と潮風が、穏やかにテーブルを包んでいた。
昼食を終え、荷物を片付けた5人は、水着に着替えて別荘の裏手にある細い坂道を下っていた。
道の両側には背の高い草が風に揺れ、木漏れ日がところどころに差し込む。セミの鳴き声とともに、遠くから波音がだんだんと近づいてくる。
「わぁ……ほんとに海に続いてる道なんだ!」
ひのりが先頭を駆けるようにして下り、くるりと振り返って歓声を上げる。
「ねぇ、早く早く〜! こういう坂、ワクワクしかしないよ!」
その後を追いかける紗里も、笑いながら小走りになる。
みこはタオルで額を拭きつつ、やや遅れて息を整える。
「ちょっと〜、はしゃぎすぎだよ……!」
「ふふ、青春のテンプレって感じね」
七海が控えめに笑い、唯香は最後尾から麦わら帽子を風から守るようにそっと押さえながら歩いていた。
やがて、坂道を抜けた先に広がる視界。
真っ白な砂浜と、どこまでも青く続く水平線。強すぎない陽射しと、心地よく吹き抜ける潮風。
「……ここ、ほんとにプライベートビーチなの?」
みこが目を見開きながら感嘆の声を漏らす。
「ええ。祖父母がこの別荘を建てたとき、隣接するこの浜も一緒に買い取ったの。今は管理の人くらいしか来ないから、ほとんど貸切状態よ」
唯香はそう言って、どこか懐かしそうに砂浜を見つめる。
「小さい頃、祖父母とよく来てたわ。おじい様は釣りが好きで、海に向かってじっと竿を垂らしてた。私はおばあ様と一緒に、砂で山を作ったり、貝殻を並べたりしてたの」
「……素敵な思い出だね」
七海が横で頷く。
「母は厳しかったけど、祖父母はいつも私の“ありのまま”を見てくれたの。演じていない私をね……。この海では、ただの子どもとして笑っていられた」
その言葉には、過去を振り返る切なさと、今こうして語れる安堵が混ざっていた。
「そっか……。じゃあ今日はさ、唯香ちゃんにもまた“笑える日”にしよう」
ひのりがふっと笑い、両手を広げて叫ぶ。
「さっ、泳ぐよーっ!! 遊ぶよーっ!!」
ひのりと紗里が砂浜を駆けて波に飛び込み、派手に水しぶきを上げた。
「うわぁっ、冷たいっ! でも気持ちいい〜〜!!」
紗里がはしゃぎ、ひのりと水をかけ合う。
「ひのりちゃん、水しぶき顔に直撃〜っ!!」
みこが叫びながら逃げ回り、結局びしょ濡れになって笑い崩れる。
海の上では、浮き輪を使ってぷかぷかと漂ったり、全力でバタ足したり、遠くに投げたビーチボールを取りに走ったり。
砂浜では、紗里とみこが本気で砂のお城を作りはじめ、ひのりが途中で崩してしまって騒ぎになる――そんなドタバタもまた楽しい。
少し離れた場所で、唯香と七海は波打ち際に立ち、夕方に向けて徐々に柔らかくなっていく陽光を浴びていた。
遠くからは、ひのりたちの笑い声。
だけどここには、時間が止まったような静寂が流れていた。
「こうして見ると、舞風の部活ってほんと……“青春”そのものね」
七海が海風に髪をなびかせながら静かに言う。
「……本当ね」
唯香は目を細め、海を見つめる。
「昔の私は、“完璧な笑顔”を作るために演じてた。よい子のマナーとか、こんにちはの挨拶とか――何十回も撮り直して。でも今は……」
彼女はそっと微笑んだ。
「こうして、誰にも見られない場所で、ただ“楽しい”って笑える。それがすごく、嬉しいの」
七海は黙って耳を傾けていたが、やがてふと思い出したように言葉を紡ぐ。
「中間テストの前、ひのりの家で勉強会をしたことがあってね。私と紗里とみこ、そしてひのりの4人で」
「ええ。聞いたことあるわ」
「そのとき、ひのりが話してたの。小さい頃、公園でね――撮影から逃げてきた、泣いてた女の子と“魔法使いごっこ”をしたことがあるって」
七海は、波打ち際を見つめながら続けた。
「その話を聞いた時、根拠はなかったけど……“もしかして唯香ちゃんじゃないか”って、なんとなく思ったの」
唯香の目が、ほんの少し見開かれる。
「……勘が鋭いのね」
すると七海は、ふっと笑って肩をすくめる。
「私、人間観察や洞察力が優れてるみたいなの。小説を書いたり読んだりしてるとね、いろんな人の人生を、少しずつ追体験する感覚になるの。不思議なものよね」
「……わかるわ」
唯香がゆっくりと頷く。
「私も、子役としていろんな役を演じてきた。だからまだ十代なのに、何人分もの人生を体感してるような気がするの。一度きりの人生なのに――それが、すごく不思議で、少しだけ誇らしい」
潮風がふたりの髪を揺らし、波音が優しく寄せては返す。
波の音が静かに重なる中、唯香もふと遠くを見るように言った。
「……入学式のとき、初めてあの子に声をかけられて“演劇部に入らない?”って言われた時……どこかで会ったことがある気がしたの。記憶に引っかかるような……不思議な感覚だった」
それを聞いた七海は、優しく微笑む。
「……運命って、あるんだね」
二人は静かに立ち尽くし、寄せては返す波の音に耳を澄ませた。
「……いい夏ね」
「ええ。きっと、忘れられない夏になるわ」
寄せては返す波の音に包まれながら、夕暮れに向かう中、少女たちはまだ十代という枠の中で、ひと足先に、成熟した大人への階段を一歩踏み出すような、静かで深い対話を交わしていた。
夕暮れが迫り、海辺の陽射しがオレンジ色に染まりはじめた頃。
別荘の広いテラスには、舞風学園演劇部の5人が集まり、円を描くように立っていた。
「じゃ、軽くウォームアップから始めよっか」
ひのりが腕を回しながら言うと、みこが少し緊張気味に背筋を伸ばした。
「合宿って感じしてきた……!」
みこがぽつりと呟くと、
「カレー食べて、海で遊んだあとに演劇の練習って、ちょっと贅沢だよね」
紗里が笑う。
唯香が手を叩き、声を整える。
「発声練習からね。順番に、声を出していきましょう。背筋を伸ばして、腹式呼吸を意識して――」
「『あえいうえおあお!』」
ひのりの声が最初に響き渡り、それに続くように皆が輪唱する。
テラスには、日常を忘れたような澄んだ空気と、真剣な眼差しが並んでいた。
七海が、プリントされた短い脚本を持ち上げる。
「昨日書きかけだったミニ台本、持ってきたから、朗読してみる?」
「やったー! 七海ちゃんの新作、読みたかったの!」
ひのりが手を挙げて喜ぶ。
「じゃあ、私は語り手役やるね」
みこがゆっくりと読み始め、物語の空気が、静かにテラスを包み込む。
不思議なことに、その短い台本は、この別荘の空気によく馴染んでいた。
少し古風で、どこか気取った台詞回し。
夕暮れの光と、静まり返った洋館のテラスが重なると、それはまるで――
バブルの頃のドラマのワンシーンのようだった。
「……あれ」
紗里が小さく息を呑む。
みこの声は、昼間よりも落ち着いて響き、唯香の所作も自然と“役”に寄っている。
ひのりはふざけず、珍しく、じっとその空気を壊さないように立っていた。
「この台本……場所に合ってるね」
七海が、少し驚いたように呟く。
「うん」
唯香が小さく頷く。
「ここだから、できた芝居かもしれないわ」
誰かが上手くなったというより、五人と、この別荘と、夕暮れの時間が、たまたま噛み合った。
そんな感覚だった。
朗読が進むにつれ、空はさらに赤く染まり、潮の香りと涼しい風が、まるで舞台装置のように彼女たちを取り囲んでいく。
陽が落ちるころ、別荘の庭には炭火のグリルが用意されていた。
赤く熾った炭と、立ちのぼる煙に、自然と皆のテンションが上がる。
「うわ、本気のBBQだ」
「いい匂い……」
網の上で肉とエビが音を立て、夜風に香ばしさが広がっていく。
ひのりは待ちきれずステーキにかぶりつき、すぐにコーラをあおった。
「ぷはー! 最高!」
「……完全におっさん」
七海のツッコミに、皆が笑う。
賑やかな声と火の揺らめきが、夜の庭を満たしていた。
夜風と炎に包まれた庭で、5人の笑い声と食欲と友情がゆっくり重なっていた。
別荘の屋上に出た5人は、思わず夜空を見上げていた。
街灯はほとんどなく、澄んだ空にはうっすらと天の川が浮かんでいる。遠くで波音が一定のリズムを刻み、潮風が静かに吹き抜けた。
「……星、綺麗だよね」
ひのりがぽつりと呟く。
「こうして見上げてるとさ、地球に生きてるんだなぁって感じする」
「宇宙規模で来たな」
七海がくすっと笑い、屋上に寝転がった。
「もう入学して四ヶ月かぁ。ほんと、あっという間だったね」
「公演も二回やったしね」
七海が頷く。
「準備もリハーサルも、よく頑張ったと思う」
「でも……」
ひのりは星を見つめたまま言った。
「一回目の公演が終わったあと、ちょっと燃え尽きちゃってさ」
「……わかる」
みこが小さく声を落とす。
「終わったあと、すごく寂しかった」
「だからまたやりたくなるんだよね」
唯香が穏やかに微笑む。
「楽しかったから、次が欲しくなる。それって素敵なことだと思う」
「……だよね」
少し間を置いて、紗里が笑った。
「そういえばさ、最初の頃のこと覚えてる? ひのりちゃんが“伝説を作ろう”って言い出したの」
「え!? そんなこと言ってた!?」
「言ってた言ってた。目、めっちゃキラキラさせて」
「うわああ……思い出してきた……!」
ひのりが顔を覆う。
「でも、ああいう勢い、私は好きだったよ」
みこが静かに言う。
「それがなかったら、たぶん私、入ってなかった」
「わかる」
七海も頷いた。
「引っ張る力、あるよ。たまに空回るけど」
「ひどい!」
「でも……それがひのりなんだと思う」
唯香がそう言って、夜空を見上げる。
「あなたが“やりたい”って言ってくれたから、私も居場所を見つけられた」
ひのりは少しだけ目を潤ませ、星を仰いだ。
やがて、唯香が静かに続ける。
「子役の頃は、“ちゃんと演じる”ことがすべてだった。でも今は……ただ笑って、悩んで、ここにいられる。それが、すごく大切なの」
誰も言葉を挟がず、夜空だけが答える。
「何年後かにさ」
七海がぽつりと言った。
「合宿の夜、星が綺麗だったなって思い出すんだろうね」
「そうなったら、最高だね」
その夜、星空を胸に刻んだ5人は、別荘に戻り、それぞれの思いを抱えたまま眠りについた。
しかし、翌朝。
ふと目を覚ましたひのりは、布団の中に唯香の姿がないことに気づく。胸騒ぎに導かれるように坂を降りて海岸へ向かうと、朝焼けの中、ひとり海を見つめる唯香の背中があった――。
「……ここにいたんだ、唯香ちゃん」
唯香は振り返り、少しはにかんだ笑みを浮かべる。
「……ごめんね、起こすつもりはなかったんだけど」
「ううん。なんか、起きたくなっただけ。……なんとなく、そんな気がして」
ふたりは並んで、寄せては返す波をしばらく眺めていた。
「ねえ、唯香ちゃん……この合宿、どうだった?」
ひのりがそう尋ねると、唯香は空を見上げたまま、小さくうなずいた。
「……楽しかった。たぶん、今までの夏の中で、いちばん」
「……これ、完全に合宿回のラストシーンだよね。朝焼けって、ずるい」
「ふふっ、ひのりちゃん、そういうとこ好き」
そのとき――
「やっぱり、ここにいたんだ」
背後から聞こえた声に、ふたりは振り返る。
そこには、軽く寝ぐせをつけた七海、紗里、そしてみこの姿があった。みんな、眠そうな顔のまま笑っていた。
「なんか、目が覚めちゃってさ。そしたら、みこちゃんが『ひのりがいない』って言って」
「そしたら唯香ちゃんもいないってなって、結局全員起きてきたってわけ」
「まったく、寝るタイミングまで気が合うなんてね、私たち」
四人は唯香のもとに集まり、何も言わずに自然と輪になる。
ひのりが言った。
「……じゃあ、せっかくだし、みんなで手を繋ご?」
誰からともなく、差し出された手が重なり合う。
海風が通り抜けていく。夜明けの海は、少しずつ金色に染まっていた。
「最高の合宿だったね」
七海がそう言った。
「……うん、ほんとに。演劇部、やっぱ好きだな」
「帰りたくないかも~」
「また来ようよ、こういう合宿」
そして――
「ねえ、みんな……」
ひのりは笑った。
「“この夏、絶対に忘れない”ってセリフ、今が言いどきだと思わない?」
誰もが笑い、頷いた。
そして五人は、手を繋いだまま、朝の海をしばらく眺め続けた。
たった一度きりの、かけがえのない青春の一ページに――
少女たちは静かに、確かな記憶の灯をともしていた。
続く。
全26話構成、TVアニメ2クール分の1年編の前半がようやく終わりました。ここまで読んでいただいた皆さん本当にありがとうございます。
いかがでしたか?
もし良ければお気に入りやレビューもしていただければ幸いです。
十四幕からはいよいよ後半戦、秋に入りますが、まだまだ舞風学園演劇部の物語は続きますので更新頑張っていきますので今後ともよろしくお願いします。




