表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/41

第33話 「ウンキングがご乱心だぁああ!!」

 

 驚いたようにドラゴンゾンビは目を見開く。


 俺は収納インベントリからある物を取り出す。それはお酒だ。これも、現実世界では年齢制限でたしなめないから、仮想世界で楽しもうと道具屋で買っておいたものだ。


「ク、クモキくん、さすがにふざけている場合じゃ……」


「いや、俺はふざけてなどいない、大真面目だ」


 俺はコルクを開けて、入っていたアルコールを一気に胃に流し込む。


「【酒乱化】発動!!」


 大酒呑み選手権で勝ち取ったスキル【酒乱化】。このスキルはアルコールを摂取することで、攻撃速度が上昇するスキルだ。単純な攻撃速度だけでなく、低レベルのスキルであれば、クールタイムを短縮して、ほぼ無制限にスキル攻撃を行うことが可能だ。ただし、一定時間後に効果が切れて、混乱状態になってしまう。ハイリスク&ハイリターンの運も絡むスキルだ。


 だが、俺の運の良さはカンスト中、間違いなく使いこなせる自信があった。


「さあ、俺が降らす五月雨さみだれを全て躱せるか?」


 俺は三本の矢をつがえて、弓を引いた。


「【三本矢トリプルアロー】!!」


 三本の矢が放たれたことを確認して、ドラゴンゾンビも回避する。だが、それぞれの矢は、異なる軌道を描いて、奴の肉に突き刺さる。命中することが予め決まっているかのように。


 《クリティカルダメージ。1,000ダメージを与えた》

 《クリティカルダメージ。1,000ダメージを与えた》

 《クリティカルダメージ。1,000ダメージを与えた》


 もちろん、アイテム付与(エンチャント)のスキルで【解毒薬】の効果は付与済みだ。これによって、合計3,000ダメージを叩き出す。だが、まだ終わらない。本来アクティブスキルにはクールダウンの時間が設けられているため、スキルを乱発できない。しかし、【酒乱化】のスキルを使うことにより、攻撃速度が上昇して、無制限にアクティブスキルが発動できる。


「【三本矢トリプルアロー】!!」


 《クリティカルダメージ。1,000ダメージを与えた》

 《クリティカルダメージ。1,000ダメージを与えた》

 《クリティカルダメージ。1,000ダメージを与えた》


 さて、さらにスピードをあげるか。


 ここからは根比べだ。俺が奴を倒し切るのが先か、【酒乱化】の効果が切れて、混乱するのが先か。


 ドラゴンゾンビからしたら悪夢だろう。必中の矢が大量降りかかる。一つの巨大な生き物のように、空を追い尽くすほどの数多の矢が、一本も外れることなく、確実に奴の肉へ突き刺さった。


 奴は悲鳴をあげる。慈悲を乞うように。


「グォォォォオオオオオオオオオ」


 だが、情けはない。お前の敗因はただ一つ。俺を敵に回したことだ。ギャンブルの相手を間違えたな。


「間に合えぇぇぇええええ!!」


 俺の【酒乱化】の効果が消えると同時にドラゴンゾンビは地に伏せる。


 土埃が舞い、辺りを静寂が包んだ。そして、奴はこの世界に存在していなかったかのように消えていく。


 《Congratulations!! 生ける死竜(ドラゴンゾンビ)を討伐した!!》


「や、やりやがったぁあああああ」

「まさか、本当に倒しちまうなんて!!」


 静寂を切り裂くように、冒険者たちが歓声を上げる。


「「ウンキング、ウンキング!!」」


 鳴り止まない、運王ウンキングのコール。


 ふっ、当然だろう。俺にかかれば朝飯前だ。振り返って歓声に応えるか。


 俺は振り返って初めて、違和感に気づいた。


「ま、まだ、ドラゴンゾンビが生きてやがる」


 いたるところに小柄なドラゴンゾンビがいるのだ。あれー? こいつはさっきたろしただろー。(みなさんのPCやスマホは正常です)しかも、ロレツがまわらなくなってきちゃぞー。


 まずは、ドラゴンゾンビをちゃおさないと。


「くらえッ!!」


 俺は【解毒薬】が付与された矢を、小柄なドラゴンゾンビに向かって射る。


「いてぇぇぇぇぇ、オレさまのプリティなお尻があああああ!!」

「大変だ、ケツが割れてやがる」


「お尻が割れているのは元からだよっ!! クモキくん、落ち着いてっ」


「ウンキングがご乱心だぁああ!!」


「パパが敵に寝返った!?」


 う、うるせえ。大声が頭にキンキンと響きやがる。こいつらを全員黙らせる必要があるな。俺は黙々と矢を射る。


「わ、わっちに向かって矢が飛んでくるのです。あ、痛っ!! 頭を岩にぶつけたのです」


「ユイちゃん、大丈夫? ユイちゃーん、死なないでっ!?」


 ちなみに俺のおかげでみんなの毒状態が回復したらしい。いやー、よかった、よかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキング

X(旧Twitter)フォローで更新時をお知らせします!!



羽田共アカウント

気に入っていただけたようでしたら下記もおススメです!!



NEW!![長編][VR]やっぱり俺は運がなぁぁぁぁい↓

運値がうんちの俺がスキルを使うと、運値カンストになって勝手に敵が倒れていくのだが





[長編][ハイファン]死に戻りを駆使して17327回追放する勇者を救え!!↓

17327回追放されても、僕は諦めない





[長編][ハイファン]魔物が想像と全く違うんだが……。残酷な異世界で生き残れ!!↓

叛乱勇者 ~異世界の魔物が想像と全く違う件について〜






[短編][恋愛]死んでしまったヒロインにどうしても逢いたい「あなた」の物語↓

俺が大好きな絶対に逢えない人に『いま、逢いに行きます』





[短編][SF]勇者から追放された俺は就職面接で復讐する!!↓

VRゲームで勇者パーティから追放された俺は現実世界で復讐する



― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ