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24話 夕暮れ時の豪邸


 馬車が門を抜ける。

 夕陽を受けてオレンジ色に染まった建物は、人が来たことに反応したように光を灯していった。

 玄関へ続く道の両脇に広がる芝生から、夕陽の色の水が噴き出す。

 時間帯のせいか幻想的にも見えるその光景を全員が笑顔を浮かべて見ていた。

 リリはテンション高めに言う。


「すごい綺麗だね! やっぱり豪邸だから歓迎の仕掛けがちゃんとあるのかな」


 キャラリックメルの3人はリリと同じように、綺麗ですねと庭を眺めている。

 空を走る光は綺麗だねの所までは同意するように笑っていたが、歓迎の仕掛けの所で目を合わせ始めた。

 ウィルが言う。


「リリさん、これは歓迎の仕掛けって意味もあるかもしれないけど、防犯を目的にしてるんだよ」

「え、人が入って来たって知らせるためにってこと?」


 ウィルは頷く。


「それにこの水は、スノージャイアントが戦う時にあった方が有利だから撒いてるんだと思うよ」


 リリはもしかしてという様子で言う。


「フィールドを雪に変えるやつができるの?」


 空を走る光は何か嫌な予感がしたようにリリを見る。

 ウィルはリリさんが言いたいやつかは分からないけど、と前置きしてから話す。


「スノージャイアントは冷気を放てるんだ。だから周囲が濡れてれば体の周りに氷を張って身を守ったり、地面を凍らせたりできるんだよ」


 リリはゲームではできなかった周囲の水を凍らせてフィールドを雪に変える荒技が、普通に使えることに感心した。


(まあ、ゲームと違って凍らせれば凍るし、燃やせば燃えるんだから、自分の周りだけだったら環境も自分に合わせるよね)


 リリは納得したという様子で言う。


「この家は豪邸らしく防犯にもこだわって作られてたんだね」


 リリがそういう理由もあったんだという様子で景色を眺めていると、馬車が玄関の前で止まる。

 マルタが御者の席から降りるのが見えたので、リリは無詠唱で壁を木に戻した。

 あ、という声と共にリリに視線が集まる。

 リリは全員の顔を見て、笑って立ち上がった。


「せっかくだし生で見ないとね」


 馬車から全員が出る。

 水が噴き上がる所を全員で眺めていると、マルタが話しかけてくる。


「物件情報に侵入者対策があるとは書いてありましたニャ。それが、こんなに綺麗な景色になるなんて運がよかったですニャ」


 リリは書いてあったんだねという視線を空を走る光に向ける。

 空を走る光は目を逸らしていた。

 マルタが不思議そうに聞く。


「どうかしましたニャ?」


 リリは何でもないよと答えてから、言う。


「それよりもマルタさん。中に入ってみたいんだけど、侵入者対策の仕掛けはそのままで入っていいの?」

「大丈夫ですニャ。時間が経てば水は止まりますニャ」

「ならいいんだけど」


 段差を上り少し高い位置にある扉の前に移動する。

 扉の大きさがリリの身長の倍以上あり、ドアノブがリリの目線よりも高い位置にあった。


 リリは小人になった気分で扉を眺めている。

 マルタが扉に近づき、自らの手と同じくらいの大きさの鍵を使った。

 そのままマルタは扉を開く。


 扉が開いてすぐ全員の目に入ったのは、ここで100人は寝れそうだと思う程広い部屋だった。

 リリは3階までの吹き抜け構造になっている全体を眺めて言う。


「広いし壁も豪華なのに、なんか殺風景だね」

「この家を作った最初の頃はこのホールでパーティを開いていたそうですニャ。ですが、持ち主がいなくなって、貸し家となった時に豪邸の調度品の多くは売られてしまったみたいですニャ」

「それはちょっと残念だね。まあでもそれなら他の部屋も広く使えそうだし良いのかな」


 リリは納得した様子であたりを見渡した。

 マルタは、そんなリリを見て言う。


「リリさん、ではこちらのマスターキーをお渡ししますニャ」


 リリは金色の大きなマスターキーを受け取った。


(屋敷のマスターキーってなんか大事な物って感じでいいね)


 リリはいい物を手に入れた気分のまま言う。


「最初から全部の扉が開くアイテムが手に入ったし、まずは全部屋の探索だね」


 リリが分かりやすくはしゃいでいるので、全員笑って頷く。

 マルタも笑顔で言う。


「皆さん、私はこれで冒険者ギルドに戻ろうと思いますニャ」


 リリはマルタの任務が道案内だったことを思い出した。


「マルタさん、道案内ありがとう。気をつけて戻ってね」


 マルタはリリに笑って言う。


「リリさん、こちらこそペガサスの馬車に乗せていただき、本当にありがとうございましたニャ」


 マルタは、リリのいえいえという返しに笑ってから、全員に一礼して言う。


「何かありましたら、いつでも相談してくださいニャ。それでは失礼しますニャ」


 そう言って帰っていくマルタを、リリ達は見えなくなるまで見送った。


 手を振って満足げな顔のリリに、ファーストは聞く。


「リリ様、探索の前に馬車内の荷物を移動させてもよろしいですか」

「その方がいいね。みんな、馬車の中の物全部運んじゃおう」

 

 リリの声に、分かりました、お任せください、かしこまりました、など自由に返事をして、キャラリックメルの面々は動き出す。

 空を走る光も手伝おうと馬車に入って行った。

 リリも動こうとすると、ファーストが言う。


「リリ様、運び込むのは我々がやっておきますので、旗の設置をお願いしてもよろしいですか」


 リリはあからさまなタイミングだとは感じたが、自分にしかできないことだとも思ったので言う。


「いいけど、あの何もないホールでいいの?」

「はい、人通りが多い場所の方が目立たなくてよいかと」

「分かった。じゃあとりあえず角の方に建てとくね」


 ファーストのありがとうございますと言う声に見送られながら、リリはホールへ歩いていった。


 リリはまだ誰もいないホールに入ってすぐ右に曲がり、外から見えない場所を探し始める。高い位置にある窓を見て、ふとこの家は巨人族の家の参考になるんじゃないかと思った。


(ぼーんの家とかちょうどいいサイズな気がするね。あー、でもうちには3〜4mくらいの巨人って、そこまでいなかったような気が……。もっと大きい種族の家って無いのかな)


 リリが参考にするのはスノージャイアントの家だとまだ小さいかもしれないという気持ちになったあたりで、部屋のすみに着く。外から見えない丁度いい位置だったので、リリはここに転移ポイントを設置することにした。


 あたかもカバンから出しましたといように小さい旗を取り出して、床にそのまま突き刺す。

 転移ポイントが小さく展開された。


(突き刺してるのに、抜くと穴が空いてないあたりが不思議だよね)


 リリは頷くと、入口の方に戻っていった。

 入口では、机やソファー、鎧、観葉植物、彫刻などが運び込まれている。

 空を走る光が観賞用の品々を見て、楽しげに話しているように、リリには見えた。


「何話してるの?」

「こういうのが豪邸には元々あったんだろうって話だ」

「確かに豪邸に飾ってありそうだね」


 リリが、彫刻を見ていると声がかけられる。


「リリ様、馬車の中の物は全て移動させましたワン。馬車を厩舎に移動させてもいいですワン?」

「いいけど、厩舎ってどこにあるの?」


 リリが聞くのに合わせて、くーも首を傾げた。

 ファーストが言う。


「ホールから出て右の方向から裏に回るとあるようです」

「それってあの物件の情報に書いてあったの?」


 ファーストはそうですと頷く。


「読んでおきたいから、後で印刷してくれる?」

「かしこまりました」


 リリはファーストによろしくと言って、ホールを出た。

 移動しようとしているペガサスに向かって話す。


「みんなも今日はお疲れ様。厩舎でゆっくり休んでね。何があって、何がないのか分からないから、必要な物がなかったらすぐ教えてね。用意するよ」


 リリはそう言って手を振る。

 ペガサス達も応えるように羽を振ってから、裏に向かって歩き出した。


 空を走る光は誰に手綱を握られている訳でもないのに、勝手に厩舎に向かって行くペガサスを見て、誰も見ていないからもういいと諦めたような表情をしている。


 リリはホールに戻って言う。


「もう夕方だし、探索のついでに部屋割りも決めよう」


 全員が同意の返事をした。

 リリは空を走る光に聞く。


「みんなは何部屋欲しい?」

「僕たちは2部屋もらいたいんだけど、いいかな?」


 リリは、もちろんと頷いてから続けて言う。


「じゃあ好きな部屋を選んでね。部屋が決まったらここにあるソファーベッド持っていって良いよ」

「ソファーベッド?」


 空を走る光はそれは何? という顔をしてリリを見る。

 リリは笑ってソファーに近づく。そしてソファーに隠されたボタンを押した。


 ボタンを押すと、ソファーの背もたれの部分が下がると同時に、足元の部分は上がっていき平らなベッドに変形する。


「動いてるわ」「すごいな、これは」「変形するんですか」「すごいぞ」「面白いね」


 空を走る光の感動する声を聞いて笑い、リリは足元が上がって現れた収納スペースから、掛け布団を取り出す。


「足元に掛けるものと枕が入ってるから、寝る時はこれを使ってね」


 空を走る光は感心した様子だ。

 ウィルとダグが言う。


「寝る用意もしてあったんだね」

「これなら120人入れる家で十分だな」


 リリは満足げに笑って、布団を元の場所に仕舞った。


 くーが聞く。


「リリ様、私共はリリ様が全ての部屋の鍵を開けてから探索したいと思いますワン。皆様の探索の間に警備の計画を進めてもいいですワン?」


 リリはそういえば鍵が1つしかないと気づいた。


「頼んだよ。鍵は全部開けておくね」


 お任せくださいワンと、くーは張り切っている。

 ウィルが聞く。


「リリさん、警備の計画の内容は教えてもらってもいいのかな」


 リリは悩む。


(今ネタバラシするのは面白くないよね。でも護衛設定の空を走る光には教えておいた方がいいような……)


 ファーストがリリに言う。


「リリ様、この計画は機密性が重要です。もし空を走る光に伝えるのであれば、魔法による防衛を行ってからがよろしいかと」


 リリはそれもそうだと思った。


「誰にも聞かれたくないから、対策し終わったら教えるね」


 ウィルが分かったと返事をした。


 リリはもう探索に行ってもいいかな? という視線で全員を見る。

 全員が少し考えている様子だ。

 ウィルが何かを思い出したようにリリを見た。


「リリさん、楽しみにしているところに申し訳ないんだけど、もう1つ伝えておかないといけないことを思い出したんだ」


 ウィルは少し残念そうに言う。


「もし酒場に行きたいなら、氾濫前は今日が最後の機会だよ。明日からは氾濫の期間になるから、冒険者の酒場でお酒は飲めなくなるんだ」


「冒険者の酒場の稼ぎ時じゃないの?」「お酒以外は頼めるということですワン?」


 リリとくーは一度視線を合わせてから、同時にウィルを見た。

 リリの要望を知っているウィルは、少し困ったように笑う。


「お酒以外は頼めるけどね。ビルデンテだとそういう決まりになってるから、あんまり探索に時間をかけると今日は店に行けないかもしれないよ」


 リリは酒場だけではなく、酒に溺れてくだを巻く冒険者もセットで見たかったので決めた。


「時間をかけての探索は後で勝手にやるとして、部屋はサッと全部見て寝る場所だけ用意しよう」


 くーは言う。


「リリ様、私は今日は酒場に行かないで残ってもいいですワン?」

「いいけど、いいの?」


 くーは大きく頷く。


「今日が最終日ということは、それだけ人が集まるということですワン。こんなに大勢で行っては入れないと思いませんワン?」


 リリは納得した様子で言う。


「20人は予約しないと無理な気がするね」


 くーは、おどけた調子で話す。


「その通りですワン。なので、商人の私は裏方でリリ様を支え、リリ様にご褒美をねだろうと考えていますワン」


 リリはわざとらしく笑って聞く。


「何がお望みかな?」


 くーはリリを真っ直ぐ見て言う。


「リリ様はキャラリックメルに、りんごジュースを樽で差し入れたと聞きましたワン。私も飲んでみたいですワン」


 もう1つの馬車に乗っていた全員がハッとした様子で、くーを見た。


 カーヘルとルエールがリリに言う。


「私もくーの部下としてここに来ているので、くーと共に残り、生活基盤を整えさせていただきたいと思います。そしてあわよくば、くーと同じものをリリ様からいただければと考えております」

「リリ様もやりたいことができて、僕もご褒美がもらえるとしたら、最高だと思うので残りたいです」


 ルエールのあけすけな物言いに、賛同の声が集まった。


 リリは少し笑って、何も言わずにテーブルに近づき、りんごジュースの大きな樽を取り出して置く。


 興奮した声が全員から聞こえる。


「まず、これは今日までみんなが色々やってくれたからお疲れ様っていう意味のりんごジュースだよ」


 大きな歓声が上がる。

 リリは手を上げて、歓声を止めた。


「そしてこの、URぶどうジュースも、酒場に行く人も残る人も関係なくご褒美としてみんなで分けよう」


 リリは大きな瓶を取り出して、掲げた。


 全員すごそうな名前のジュースが出てきたので、思わず拍手している。

 リリが掲げるのに飽きてテーブルに瓶を置いた辺りで、ファーストが聞く。


「リリ様、酒場に行く者にもご褒美が出ていますがよろしいのですか?」


 リリは断言する。


「ファースト、今回酒場に行く人で楽しいのは私だけだよ」


 完全否定はできなかったファーストは何も言えなかった。

 くーが聞く。


「何かあるんですワン?」

「くーは、空を走る光に他の冒険者が、こんな時期にガキ連れて飲みにくるなんて、Sランクパーティ様は余裕だな、って絡んで来たらどうする?」


 くーは目を細めて言う。


「リリ様、その子供が誰を指しているのかによって、対応が大きく変わると思いますワン」


 話の流れをよく知らないもう1つの馬車にいた面々は、感情の感じられない表情でリリを見ている。

 リリは特に何も感じなかったが、くーが目を細めたのと同時に、空を走る光が反射のように武器に手を掛けたのが見えたので、何か危ない気配が漂っているのかもしれないと思った。

 思いはしたがどうしようもないので、リリは言う。


「まあ、そういうことを言って絡んでくる人が、本当に実在するのかを確かめるのが、今回の目的だよ」


 ちょっと何言ってるのか分からないという顔で見られたのでリリは、ふふっと笑う。


 リリが言った言葉を理解した者達は、徐々に口に手を当ていき、信じられないという様子でファーストを見た。

 ファーストは渋々といったように頷く。


 キャラリックメルの者達はキャーだの、ギャーだの喚きながら頭を抱え始めた。

 リリはファーストに聞く。


「これどういう状況?」

「リリ様に対して暴言を吐いた者を想像してしまった時に出る心の声です」


 何それ、とちょっと笑ってリリは様子を眺める。

 キャラリックメルの者達はうーだの、あーだのうめいて苦しんでいるような見た目になった。


「これは?」

「リリ様に暴言を吐いた者に制裁を与えず、我慢できるかを試している時に出る心の声です」


 リリは段階があるんだねと眺める。

 キャラリックメルの者達は、スンと1人ずつ反応がなくなっていった。


「……これは?」

「……我慢の限界が来た時の様子です」


 リリは察したように頷いた。

 くーが体を震わせて言う。


「リリ様、私には荷が重い大役のようですワン。それに酒場に行く者にもご褒美は間違いなく必要だと分かりましたワン」

「分かってくれてよかったよ。それで結局誰が残る予定かな?」


 ファーストと空を走る光以外の全員が手を上げた。

 リリはまずアルバートとサラを見て聞く。


「ふたりも残ることにしたんだね?」


 アルバートとサラは目を合わせて、アルバートが言う。


「はい、先ほどの話では、普通の冒険者は私達がいると絡みにくいとのことなので、今回は裏方に回ろうと思います」


 リリは納得しかなかった。頷いて言う。


「今回はそうしてくれると助かるよ。ありがとう」


 リリが絡まれることに積極的すぎると、手を上げた全員がどういう感情でいればいいのか分からないように目を合わせている。

 リリは斜め前にいるファーストに言う。


「ということでファーストも残ろう」


 ファーストは高速で首を動かして、表情を変えるのを忘れたような顔のままリリに言う。


「何故ですか!?」


 リリは、ファーストがマネキンが動いたような動きをしたと思った。


「ファースト、落ち着いて! 首がやばいよ!」


 ファーストは自分の体勢に気がついたのか、首を戻して体の向きをリリの方に向ける。

 空を走る光は目を合わせている。

 ファーストは言う。


「申し訳ありません。お見苦しい所をお見せしました。ですが、リリ様、お1人で行かれるのは、その……」


 ファーストはリリと共に行動するに相応しい理由を導き出すことができず、黙る。

 リリはファーストに来てもらった方が色々助かるのは分かっていたが、連れて行かないといけない理由がない限り誰も連れて行きたくなかった。


「ファースト、さっきの全員の動きの解説ができるってことは、ファーストも同じことを考えたってことだよね?」


 ファーストは鋭い一撃を食らった人のように胸を抑えた。

 リリは無理しないで欲しいと伝える。


「私が見たいだけだし、我慢の限界を超えてビルデンテを吹き飛ばすくらいなら、別行動した方がきっといいよ」


 そこまでは言っていないというツッコミは、どこからも入らなかった。

 ファーストは抑揚のない機械音声で言う。


「リリ様ガ ソウ 仰ルナラバ」


 ファーストが無理やり肯定の言葉を捻り出して言ったように見えた者達は、固唾を飲んでリリとファーストの様子を伺っている。


 リリは笑って言う。


「平和に決まって良かったよ」


 リリは、ちょっとだけファーストにジュースを多くあげようと思い、ジュースの方に振り返ってコップをアイテムボックスから取り出す。


 空を走る光から、色々言うことを諦めたようなため息が聞こえた。


 リリは上機嫌にジュースを注いでいく。そして、2人分取ってから、あとは1人1個でよろしくと言って、その場を離れた。


 2個持っているリリに、自然と注目が集まる。


 沈む直前の夕陽が差し込む中、リリはファーストにコップを差し出して笑顔で言う。


「ほら、ファーストにだけ、特別に持って来てあげたよ」


 ファーストは、コップを受け取って気を取り直した様子で言う。


「ありがとうございます、リリ様。問題はないと思われますが、何かありましたら、すぐ、駆けつけられるよう準備はしておきます」


 リリは、すぐを強調して言うファーストに笑って言った。


「ありがとう、ファースト。まあ、行ってみて大丈夫そうだったら普通に呼びそうな気はするし、その時はお願いね」


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