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39話 ゴーレムとの手合わせ


 一瞬でトランプの館のラウンジにたどり着く。

 空を走る光のメンバーは今回は驚かなかったようだ。

 リリが言う。


「おかえりみんな、無事に何となってよかったね」

「はい、リリ様、無事に協力を取り付けられてよかったです」

「それで思ったんだけど、透明になれる魔法がそんなに知られてないなら、透明なまま捕まえれば戦う必要すらないんじゃない?」


 それを聞いてその場にいる全員が確かにと納得した。

 そしてウィルが言う。


「じゃあ僕たちが囮になるから、皆であいつのこと捕まえてよ。あいつも僕たちに命令が効かないって分かったら、相当焦るだろうから簡単に捕まえられるんじゃないかな」

「じゃあ囮をお願いしようかな。魔法を撃って来るかもしれないし気をつけてね」

「うん、もちろんだよ。ナリダに魔法を撃ってもらって避ける練習をしようかな。リリさんの奴に当たったら死にそうだからね」

「そうだね絶対に死ぬね。やめた方がいいよ。でもナリダも避ける練習をした方がいいだろうし、ファースト達と模擬戦もやるならスペードに魔法を撃ってもらったらどうかな」

「練習に付き合ってくれるならぜひお願いしたいね」

「スペード、できそうかな?」


 スペードは自身の能力と現在の装備を思い出し、攻撃魔法スキルには空を走る光に1発は当たっても問題ない威力しかないことを確認してから返答する。


「はい、リリ様。問題ありません。お任せを」

「よろしくね」


 そのあとリリは昼食の時間だとベルを鳴らす。

 大量の食事が運ばれてくる。


 全員が食事をする。

 今食事をしているのは空を走る光の5人とリリ、ファースト、プニプニ、デモク、アルバート、サラ、スペードだ。

 デモクは槍使いなので、違う武器種と対人戦をしてみたいとリリが呼んだ。

 デモクの見た目に対する空を走る光の共通の第一印象としては、精悍な顔立ちの背が高いコウモリの獣人あたりになるだろう。

 羽と角と尻尾に関しては他の国で見たことがあるので、気にならなかったらしい。

 リリがその第一印象を聴けば訂正が入っただろうが、誰も言わなかったのでそのままである。

 リリは午前中の隙間時間に対人戦の練習をデモクに手伝ってもらったので、午後は対人戦の練習に使えるゴーレムでも作ろうかと考えている。


 リリが午後はデモクと空を飛べるゴーレムを作る話をして、それを聞いた空を走る光の面々がそのゴーレムと戦ってみたいと返しながら食事が進んでいく。

 リリはちょっとしたいたずらとして、今食べている食事の中に他のものと見た目そっくりで、リリ作のものを1つだけ仕込んだ。

 自分で作ったものがスキル補正で、ありえないくらい美味しくなることに気がついたので驚かせようと思っている。

 しかし、リリは自分で試食した時のあの味が忘れられなかった。そして誰も気がつかないようで、いまだに手をつけられていないその皿にリリはたまに視線をやっている。

 無駄にクオリティだけは完璧で周りとそっくりだったため、全員がリリが食べたいのではないかと気を使って手をつけないでいるその皿は最後の方まで残ってしまった。

 リリは残ってるんだから仕方がないよねと、ちょっと喜びながら自分で食べることにする。

 その後リリは空いている皿をワゴンに載せて、持っていこうとした。

 ファーストに止められる。


「リリ様がやることではありません」

「そうかな」


 急いで、いつも食事を持ってきてくれる人がやって来る。

 なのでリリはその人にワゴンを渡して、全員がこっちを見ていないことを確認してから戦闘モードと考えた。

 一瞬で文字を書く。


 誰にも気がつかれていないのでワゴンを持つその人にみせた。

 誰も気がつかないようだったので私が食べました、と書かれている。

 その人は笑わなかった、我慢できる人のようだ。


 その紙を持ってワゴンを押して帰っていく。

 リリは思った。

 帰ったら笑ってるんだろうなと。

 事実、調理場でその紙をシェフ達に見せて全員が流石リリ様と笑っている。


 全員が食べ終えたのを見て、こっそり〈無詠唱〉〈範囲〉〈浄化〉を入れてから訓練用の広場に向かった。



 広場に着く。

 リリとデモクが少し離れた場所でゴーレムを作る。

 それ以外のメンバーは手合わせをする。

 空を走る光は再戦なので絶対当ててやると、気持ちが高ぶっているように見える。


 ファースト、アルバート、サラ、プニプニは余裕そうだが、スペードはどうしようか悩んでいる。

 ファーストがスペードに言う。


「スペードあなたは適当に雷の魔法を乱射してください。どうせ私達には当たりませんし、当たったとしても大した威力ではないので効果はありません。彼らが魔法を避ける経験を積めるように、最初は分かりやすく撃ってあげてください」

「畏まりました。ファースト様の言われた通りにさせていただきます」


 手合わせが始まった。

 空を走る光はスペードが撃った雷の魔法を避けるのは、なんとかなっているようだ。

 だが、その隙に倒されている。


 デモクがそれを見てリリに言う。


「無理じゃないですかあれ」

「そうかな。難易度が上がった方がきっとみんな楽しいんじゃない?」

「リリ様に言われると楽しんでそうにも見えますね。難易度が高い方が燃える人もいます」

「そうだね。じゃあゴーレムを作るよ」

「はい、楽しみです」


 リリは手を前に突き出して、言う。


「〈54型〉〈ゴーレム作成〉」


 周りにある砂、土、石が集まってゴーレムが出来ていく。

 大きさや形は人に似ている。

 リリはゴーレムに向かって言う。


『飛んでみて』


 ゴーレムは問題なく浮いて、少しだけそのあたりを動いている。

 デモクはそれを見て言う。


「リリ様が飛行のスキルを使わなくても飛べるんですね」

「そうだよ。最初から飛べるように設計してあるからね。後は戦わせると、動きがだんだん最適化されていくよ。他のゴーレムにも適用できるから、いろいろと遊べるね」


 リリはゲームの時は最適化と言っても大したことは起きなかったけど、現実になったら何か変化が起きそうだなと楽しみにしていた。

 デモクはリリが対人戦の練習にゴーレムを使う予定だと聞いていたので、このくらいの金属を使うのではと思って聞く。


「リリ様がアダマンタイトとかヒヒイロカネとかで作ったゴーレムに、最適化された動きが適用されたら酷いことになりませんか?」

「大丈夫だよ。それは私や皆が戦う用では怖いから作らないよ」


 デモクが強いゴーレムの使い道が分からなかったので聞く。


「それなら安心ですね。それって何に使う予定なんですか?」

「うーん、魔物を抑える用かな」

「それは重要な役割ですね。まあ俺でもできそうですけど」

「そうだね。じゃあ作るね」


 リリが言った言葉にデモクが一瞬で反応する。


「やめましょう、今作る意味はないですよね」

「うん、でもデモクはゴーレムに対抗意識があるようだから、戦いたいのかと思って」

「そう言う意味ではありません」


 リリは笑いながら言う。


「分かったよ。じゃあ、あれと戦ってみてコアだけ壊さないように注意してね」

「畏まりました」


 リリはゴーレムに地面に降りるように指示するとゴーレムが地面に降りる。

 デモクはリリのいる場所から離れた。

 リリはゴーレムに指示した。


『デモクと全力で戦ってね』


 リリがゴーレムに言った途端にゴーレムは結構な速度でデモクに向かって行く。

 デモクはサンドゴーレムとは思えないスピードが出ていることに驚いている。

 ゴーレムがデモクに殴りかかった。

 それを避けてデモクはゴーレムを吹っ飛ばす。

 飛んだゴーレムは木にぶつかってコアだけを残し粉々になった。


「リリ様あれは彼らの相手には強すぎます。というか何ですかあれ。本当にサンドゴーレムですか?」

「デモクもゴーレム作るところ見てたでしょ。間違いなくサンドゴーレムだよ。強さに関しては私の手加減用だからね。他の能力を全部犠牲にしてスピードだけ70レベルくらいにしてあるよ」


 デモクは確かにサンドゴーレムで70レベルくらいの速さだったと思った。


「そうですね。俺も見てました。間違いなくサンドゴーレムです。速さも納得です。でも、彼ら用も見てみたいと思います」

「もちろんいいよ。コアは再利用しよう」


 リリはコアを拾って近くの地面に置いてゴーレムを作る。


「〈7型〉〈ゴーレム作成〉」


 コアの周りに周りの砂、土、石が集まって人と同じくらいの大きさのゴーレムができた。

 リリはゴーレムに指示する。


『デモクと全力で戦ってね』


 ゴーレムはさっきよりはゆっくりとしたスピードで、デモクに向かって行く。

 これなら彼らが無事に戦えそうだなとデモクは思う。

 その時、ゴーレムは浮いた。

 そして速い速度でデモクに向かって行く。

 デモクは驚いてゴーレムを吹っ飛ばす。

 ゴーレムは木にぶつかってコアだけを残し粉々になった。


「なんですか、なんなんですかあれは。浮くのは知ってましたけど、指示もなしでいきなり浮くからびっくりしましたよ」


 リリはデモクが驚いているのを、笑って見ながら伝える。


「言ったでしょ。動きが最適化されていくんだよ。最初の感じだと駄目だったから飛んでみたんじゃない?」

「リリ様が笑っていただいているので俺は嬉しいですけど、成長が早くないですか?」

「えーそうかな、まだ飛んだだけだよ」


 デモクは驚いて何ができるのかを聞いた。


「飛ぶ以外にも何かできるんですか?」

「大丈夫、魔法は使えないよ」


 魔法以外の何かができる時点で、だいぶ大丈夫ではない気がして言う。


「それは大丈夫なんですか?」

「じゃあやってみよう」


 リリはそう言ってコアを目の前に置いて、またゴーレムを作る。


「〈7型〉〈ゴーレム作成〉」


 ゴーレムができた。

 リリが『デモクと全力で戦って』と指示する。

 デモクは構えた。

 ゴーレムは浮いてデモクに向かって行く。

 デモクが吹っ飛ばそうと手を伸ばしたタイミングで、止まって1回転してかかと落としを決めた。

 デモクは驚きながら避ける。

 そして吹っ飛ばした。

 コアだけを残し粉々になるゴーレム。

 リリに言う。


「早すぎますよ成長が、もっと遅くできないんですか」

「それは無理だよ。デモクに合わせて成長してるからね。デモクの方が最終的には絶対に速いんだからどうとでもなるでしょ」


 リリの言葉に納得ができなかったのでデモクは言った。


「それはそうですが、絶対に手加減をしたら当たらなくなる未来しか見えませんよ」

「手加減の練習で当たらなくなるのは困る気がするね。でも、空を走る光くらいの相手にはぴったりだよ。それに私達は70台でやるんだから関係ないよ」


 デモクは70レベル台で成長したゴーレムがどんな動きをするのか、予測ができなかった。動きが生き物っぽくないので、次の瞬間何をしだすのか分からない感じがするのだ。


「俺も今のゴーレムのままがいいです。70台で最適化されたらよく分からない動きをしそうじゃないですか」


 もちろん、同じ光景を見ていたリリもちょっとそんな気はしていた。


「そう言われると確かにそうだね。私もそうしようかな。これ以上成長すると空を走る光との戦いにも影響しそうだし一度やめておこうか」


 リリもデモクもこれ以上の成長をすると空を走る光が対応できなくなると思ったので、やめにした。


「そうしましょう、もうすでにやばそうですけどね」

「まだいけるんじゃないかな、5体にしとくね」

「バランスを考えると仕方がないです」

「〈5〉〈倍〉〈7型〉〈ゴーレム作成〉」


 ゴーレムが5体になった。

 デモクが空を走る光に伝えに行く。

 リリは全てのゴーレムに今までの戦闘経験を〈適用〉した

 空を走る光はゴーレムを見て楽しそうにしている。

 デモクは大丈夫かと心配そうにしている。

 デモクの様子をみてファースト、アルバート、サラ、スペード、プニプニは何が起こるのかと不安そうにしている。

 リリが聞く。


「結構強いから覚悟して戦ってね。準備はいい?」

「いいよー」


 リリはゴーレムにだけ聞こえるような声の大きさで指示をする。


「じゃあ始めるね、『ゴーレムたち空を走る光と全力で戦ってね』」


 ゴーレムが動き出す。

 全てのゴーレムが浮いてから手を上にあげて合わせる。

 そして槍のようにとがった状態で、空を走る光に向かって素早く飛んでいく。

 リリとデモク以外はかなり驚いている。

 事前に飛ぶことを知らなければ当たっていた勢いだ。

 ナリダが炎の魔法で横一列のゴーレムを、横一線で全てを撃ち落とした。

 無事にコアだけを残し粉々になったのでリリが聞く。


「次はもっと強くなるよ。大丈夫?」

「まだ大丈夫だよ」


 それを聞いたので、デモクがコアを拾ってリリの前に置く。


「〈5〉〈倍〉〈7型〉〈ゴーレム作成〉」


 5体のゴーレムが現れる。

 それを見て空を走る光はゴーレムって、こうやってできるんだなと楽しそうに見ている。

 リリとデモク以外の拠点の者達は成長するゴーレムか、と恐々としている。

 リリは言う。


「じゃあ始めるね、『ゴーレムたち、空を走る光と全力で戦ってね』」


 ゴーレムが動き出す。

 今度は一列ではなくバラバラに動く。

 生き物があんな動きをしたら酔うのではないか、と思えるような不規則さだ。

 空を走る光は魔法や弓、石を使って狙って撃ち落とした。

 なんとか撃ち落とすことに成功してホッとしている。

 無事にコアだけを残し粉々になったのでデモクが回収した。

 リリが聞く。


「まだいけそうかな?」

「あと1回だけやろう」


 空を走る光は成長速度に驚いたようだ。

 次が限界な気がしている。

 拠点の者達も次が限界な気がしていた。

 デモクがリリの前にコアを置く。


「〈5〉〈倍〉〈7型〉〈ゴーレム作成〉」


 5体のゴーレムが現れる。


「じゃあ始めるね、『ゴーレムたち、空を走る光と全力で戦ってね』」


 ゴーレムが動き出す。

 飛ぶものと走るものに分かれている。

 しかも、飛んだり走ったりを繰り返していた。

 狙われたときに避けるような動きも追加されている。

 距離があるうちにと魔法と弓と石で粉々にする。

 1体だけ残ったのでダグが止めてからウィルが切って壊した。

 リリがリーダーのウィルに聞く。


「どうする?」

「もうやめよう。5体はもう無理な気がするよ」

「そうだね、飛ぶ相手に攻撃を当てる練習になったみたいだから良かったよ」

「本当にね。あの動きに当てるのは難しかった」


 空を走る光は生き物じゃない飛ぶ相手に当てるのが、こんなに難しいとは思わなかったと驚き頷いている。

 リリとデモク以外の拠点の者達も成長速度に驚いていた。

 リリとデモクはこんなもんだろうなと納得している。

 リリは言う。


「ちなみになんだけど、別に自動運転じゃなければ手加減はできるよ。〈7型〉〈ゴーレム作製〉」


 ゴーレムが1体だけできる。

 リリがゴーレムに指示する。


『デモクと少し間隔をあけてデモクの前で止まってね』


 ゴーレムはデモクの前に動く。

 デモクはリリに聞く。


「何をするおつもりですか」

「ちょっとパンチしてもらうから避けてね」

「それくらいなら問題ありません」

『デモクにパンチ』


 ゴーレムはデモクにパンチを繰り出した。

 デモクは軽くそれを避ける。

 リリは言う。


「こんな感じで操作すれば手加減は可能だよ。そして戦略も立てて戦えるから遊べるよ。こういう時はこうしてって事前に言っておけば、全部やってくれるからね」 


 それを聞いてその場にいる全員がゴーレムってすごいなと思った。

 そしてリリは言う。


「これからデモクと一緒にゴーレムに戦略を教えるから、出来上がったら1対1で手合わせしてね」


 それなら何とかなると誰もが思ったようだ。

 リリにお任せあれ、お任せください、分かったよ、いいぜ、やろう、面白そうです、倒して見せますわと言った言葉がかけられた。

 リリはじゃあ楽しみにしててねと言ってデモクと一緒にその場を離れる。


 無事に手合わせが開始されたところで、デモクが聞く。


「何を教えましょうかね」

「何言ってるのデモク、ここで教えたらバレるから簡単に負けちゃうよ」

「ですがそれだと戦えませんよ」

「デモク、私は今まで大量にゴーレムを作ってきたんだよ。ゴーレム作りのために攻略サイトも見たし、実際に戦うところが見たくて色々と見て回ったりもしたね。それで完成したのがこのコアだよ」


 リリは金色に輝くコアを見せた。

 それを見て今までの青色のコアとは全く違うことが分かるデモク。

 リリは1体だけ作ったゴーレムにそれを取り付けた。

 そしてデモクに言う。


「デモクが思いつく戦略は教えてもいいよ。一番その場にあった選択をゴーレムがするから、一番強い状態で戦えるはずだよ」

「畏まりました。思いつく限りを教えたいと思います」


 リリはゲーム上でこのゴーレムと戦ったことがある。

 もちろん教えたのが自分だから何ができるか全て知っているので、負けるはずがなかった。

 でも皆は違うから楽しみだなとリリは思う。


 たぶん成長するゴーレムでも勝てないだろう、このゴーレムも成長するからだ。


 驚かないで戦えるって最高だなとリリは思っている。

 手加減の練習に最適な相手だ。

 そしてつい壊しても全く罪悪感がないというところも、ゴーレムの最高なところである。

 コアさえ残っていれば同じものが、何度でも作り直せるというところもいい。


 デモクが色々と教えているのを聞いているので、リリは自分の成長になると嬉しく思う。

 デモク思いつく限りを教え終わったようで、リリに聞いてくる。


「リリ様教え終わりました。どうなさいますか」

「デモク、ゴーレムにいろいろ教えてくれてありがとう。手加減して戦えば無事にデモクに1発当たると思うよ」


 デモクはリリに感謝を伝えられたのでいえ、こちらこそ任せてくださりありがとうございますと言ってから言う。


「1発当たるとかマジですかそれ、かなり怖いんですけど」

「やってみれば分かるよ。私の中ではかなりの最高傑作だよ」

「分かりました。空を走る光のスピードでやってみます」

「よろしくね」


 リリはゴーレムに指示をだす。


『デモクと戦ってね。どっちかが1発当てたら終わりだよ』


 ゴーレムが動き出す。

 デモクは槍を構えている。

 ゴーレムは走って近づく。

 それに向かってデモクが槍を突き出した。

 それにタイミングを合わせてゴーレムが槍の切れない部分に、手を当てて上に飛ぶ。

 そのまま頭突きを繰り出した。

 空を走る光のスピードなので避けられなかったデモクは、ゴーレムの攻撃が当たってしまった。

 呆然とするデモク。

 ゴーレムは1発当たったので、立ったまま動きを止めている。


「リリ様、やばいですよこれ。手加減してたら絶対に倒せません」

「そんなことはないよ。簡単だよ、見ててね」


『私と戦おう、どっちかの攻撃が1発当たったら終わりだよ』


 ゴーレムは動き出す。

 リリにはかなりゆっくりに見える。

 ゴーレムはパンチを繰り出した。

 それを避けて右上からチョップをする。

 ゴーレムは左に避けようとした。

 なのでリリは左足でゴーレムの足を引っかけて、右上からのチョップを同時に当ててゆっくりと倒す。

 無事に壊れることもなくゴーレムは倒れる。

 リリは笑って言う。


「ね、簡単でしょ」

「そうですね、武器は持たない方がいいような気がしました」

「今のところはね」

「やめましょう。そういうことを言うのは」

「とりあえず、皆に1回ずつ戦ってもらおうかな」

「そうですね、それくらいで夕食の時間になりそうです」


 デモクが伝えに行くのを、リリとゴーレムがゆっくりと追っていく。

 リリはゴーレムが簡単に壊れると困るので一応〈無詠唱〉〈VIT強化〉をゴーレムにかけた。

 見た目は変わらないのでばれないだろうと思っている。

 デモクが無事に手合わせを終わらせられたようだ。

 リリに向かってやってくる。


「リリ様全員が手合わせを希望しています。ゴーレムは壊れませんか」

「大丈夫だよ、デモク。私が作った皆がゴーレムを壊すようなことはきっとないよ。空を走る光の皆ならこれを壊すことはできないし攻撃も当たらないよ」


 それを聞いた拠点の者達は空を走る光と同じ速度で、手加減をすることを決意した。

 そのうえで当てられるだろうと思っている。

 デモクはそれを聞いて、リリがゴーレムに完勝させる気なんだなということが分かった。

 リリに楽しそうに伝える。


「リリ様製のゴーレムはすごいですからね。俺も結果が楽しみです」

「そうだね、じゃあみんな誰からやる?」


「じゃあ僕からやろうかな」


 ウィルがゴーレムと向き合う。

 リリは伝える。


「どっちかが1発当てたら終了だよ」


 その場にいる全員が分かったと伝えた。

 リリがゴーレムに言う。


『ウィルと全力で戦って。どっちかが1発当てたら終わりだよ』


 ゴーレムが動き出す。

 ウィルはゴーレムに向かって、剣を突き出した。

 ゴーレムはそれを右に避けて蹴りを入れた。

 全ての動きが先程までとは全く違う、熟練された動きと速度だったため不意を突かれて避けられない。

 見事に1発当たったので、ゴーレムは動きを止めた。

 すぐに勝負がついたのでリリとデモク以外が驚いている。

 次はファーストがやるようだ。


「リリ様お願いします」


 といってゴーレムと向き合う。

 リリはゴーレムに指示を出す。


『ファーストと全力で戦って。どっちかが1発当てたら終わりだよ』


 ゴーレムが動き出す。

 ファーストはゴーレムに向かって拳を突き出す。

 ゴーレムはファーストの拳の上に手を当てて飛ぶ、そしてくるりと回転してよけた。

 回転のあと通常人が攻撃してこない位置から、頭突きを繰り出す。

 ファーストも見事に当たってしまう。

 ファーストは流石リリ様製と嬉しそうだ。

 拠点のメンバーはそれを見て思った。

 リリ様製が弱いはずがない。

 戦う前に絶対に勝てないということが理解できてしまった。


 次はナリダが戦うようだ。

 雷なら当たるでしょと高をくくっている。

 

 リリはゴーレムに指示を出す。


『ナリダと全力で戦って。どっちかが1発当てたら終わりだよ』


 ゴーレムが動き出す。

 ゴーレムはナリダに向かって走り出す。

 ナリダは雷の魔法を使った。

 きちんとゴーレムにしか向かわない角度だ。

 ゴーレムは発動の瞬間の方向を予測して避けた。

 ナリダは驚いている。

 そのままナリダは、飛んで近づいたゴーレムに押し倒されてしまった。

 次は誰かなとリリが言うと残りの拠点の者達が不戦勝でと言ってくる。


 空を走る光はやる気十分のようだ。

 グローが次の相手になると意気込んでいる。

 リリはゴーレムに指示を出す。


『グローと全力で戦って。どっちかが1発当てたら終わりだよ』


 ゴーレムが動き出す。

 グローが矢を射ってくる。

 ゴーレムには突き刺さるのではという恐怖心が全くない、だから矢を捕まえて投げ返した。

 慌てて避けるグロー。

 その時にはゴーレムは飛んで目の前に来ている。

 そしてゴーレムはパンチを繰り出した。

 グローはそれに当たってしまう。

 ゴーレムの勝利だ。


 次はダグがやる気らしい。

 リリはゴーレムに指示を出す。


『ダグと全力で戦って。どっちかが1発当てたら終わりだよ』


 ゴーレムが動き出す。

 ダグは盾で防いだ後に、攻撃を繰り出すつもりらしい。

 盾を構えているところにゴーレムは近づく。

 ダグはパンチが来てもいい様に少しだけ盾を上にあげた。

 その時ゴーレムは一瞬浮いて注意を上に逸らし、その後滑り込みの方法で足に向かってキックを繰り出した。

 ダグにも見事に攻撃が当たる。

 それを見てルティナは諦めたようだ。


「私も不戦勝でお願いします。当たると痛そうなのでやめておきたいです」


 無事に全員に勝ったのでリリは満足そうだ。

 そしてナリダが悔しそうにしているので、もう一度と言われそうだと思った。

 リリはこのゴーレムは飛行を随所に入れることで、速さをかさ増しして避けられなくする、初見殺し仕様だと思っている。

 だから絶対に手合わせをやめたくなる魔法の言葉を言った。


「今手合わせをやめると夕食が食べられるよ。どうする?」


 全員のやる気が食欲に振られたようだ。

 リリはゴーレムを砂に戻してからコアを仕舞う。

 トランプの館に戻って、リリは〈無詠唱〉〈範囲〉〈浄化〉で綺麗にしてあげた。

 ベルを鳴らす。

 大量の食事が運ばれてきた。

 美味しそうに全員が食事を食べている。

 リリは一応伝えた。


「問題ないとは思うけど、この後犯人を捕まえに行くことを忘れない量を食べるんだよ」


 ウィル、ナリダが言う。


「そうだね、今回だけは満腹になるまでは食べられないね」

「あいつのせいで食事も満足に食べられないなんて最悪よ」


 ルティナ、グロー、ダグはとても残念そうだ。


「そうですね、今回は少しだけ抑えめにしていこうと思います」

「本当にな。こんなにうまいのに食べられないなんて残念だ」

「こればっかりは仕方がないと諦めるしかないよな」



 リリが聞く。


「みんなって家を持ってるの?」

「そうだよ」

「じゃあたまに呼んでもらってもいいかな。一緒にご飯を食べよう。そうすればアルバートもサラも、うちのご飯が食べられるしさ」


 リリはちょっとだけ、あの宿屋のご飯だけ食べていると、実家の味が恋しくなるみたいなこともあるのかな、と思っていたので丁度いいと思った。

 アルバートとサラも嬉しそうだ。

 それを聞いてウィルは言う。


「家に泊まったらいいんじゃない? 部屋も余ってるし大丈夫だよ」

「そんなに食べたいの。じゃあ宿に払った分だけは宿に泊まって、そのあとはそうさせてもらおうかな」


 アルバート、サラ、空を走る光が賛成のようだ。

 どのくらい払ったのかを聞いてくる。

 日数を教えてあげた。

 結構あるなと残念そうだ。


 リリは、氾濫が起きそうだからすぐに違う国に移動することになって、しばらく食べられないんじゃないか、と思ったが言わないであげた。

 配慮は大事だとリリは思っている。


 それにアルバートとサラには毎回リリ作のデザートを届けているので、そこまで拠点のご飯が恋しいとは思っていないように見えた。

 アルバートとサラはリリの方をみて、頷く。

 合っているようだ。

 なので笑顔を作って、頷いてあげた。

 そのまま、全員が食べてデザートも食べてちょうどいいくらいになったときに聞く。


「空を走る光のみんなは装備はそれで良さそうかな?」


 それを聞いたウィルはリリに聞く。


「ジャージも着たいんだけど、どこにあるのかな」

「え、なんで」

「だってここの皆が協力して作ってくれたって聞いたよ。だったら全部着て、犯人を捕まえに行きたいと思うのが普通でしょ」

「お風呂場に洗ってあるのが置いてあると思うよ」


 それを聞いた空を走る光は、お風呂場に向かって行った。

 ファーストが言う。


「リリ様訂正をさせていただきます。ギリギリの戦いになると言いましたが、ジャージを着た時点で犯人に勝機はありません。無理です」

「そうだね、まさかそんなことをするとは思わなかったよ。普通UR(アルティメットレア)装備の上に(レア)装備は着ないね」


 想像の箱庭の装備のレア度は高い方からLR(レジェンドレア)、UR、SS(スーパースペシャル)(レア)SR(スーパーレア)、R、HN(ハイノーマル)(ノーマル)に分類分けされている。

 レア度が高い方が、基本的には能力も高くなっている。

 リリの言葉を聞いてプニプニとアルバートが言う。


「そうですな、URの上にはR装備をつけるという発想は普通ではございません」

「彼らURだってこと知らないみたいですね。後で伝えた方がよいかと思います。普通に防具屋に出されたら困りますよ」


 アルバートは困惑している。

 リリが言う。


「それなら一度彼らの家にお邪魔して言ったらいいね。この装備は普通の素材では出来てないので、点検はこちらでしますって」

「そうですね、お兄様と私で伝えさせていただきます。あまり強いことを知られない方がよろしいと思いますよ。無茶を特にナリダさんはしそうですからね」


 サラの発言を聞いてデモクは午前に、リリに教えてもらった話を思い出したようだ。


「10発もリリ様の雷をみて、やっと辞められるような奴には言わない方がいいですね。というか今回の件が終わったら、彼らの知ってる性能だけ残して弱くした方がいいですよ」


 デモクの言葉に、リリは装備に何がついていたかを思い出しながら言う。


「練習着にあげようと思って作ってたから、実はあれ環境適応くらいしかついてないよ。だから問題なくレア装備に付けられると思う。カーヘルの前で作ったから同じもの今作ってもらえると思うよ〈通話〉」


 リリはカーヘルに通話で話しかけた。


『どうされましたかリリ様』

「あのね、カーヘル。この間ジャージ作ったでしょ。あれをレア装備にして見た目とか着心地を全く同じにして、環境適応のスキルだけ付与して作って欲しいんだよね。空を走る光があれを着て、無茶をしないようにしたいからね」


 カーヘルは同じようなものが作れそうか、考えながら言った。


『畏まりました。見た目、着心地、環境適応のスキルだけなら何とかなると思います。すぐに仕上げてまいります』

「ありがとう、よろしくね」

『こちらこそ私に頼んでいただけて光栄です。空を走る光には、バレないようなものを作らさせていただきます。急がせていただきますので、失礼します』


 リリは安心して言う。


「出来そうだって」


 それを聞いたファーストが作戦を伝えた。


「それでしたら今日、彼らが犯人を捕まえたら、もう一度ここでお風呂場に案内するのはどうでしょうか。違和感なく変えられると思いますよ」


 リリは楽しそうに言う。


「最高だねファースト。完璧な作戦パート3だね。ついでに夜食も出るって言ったら確実だね。みんな今のうちに作戦会議しよう。攻撃魔法スキルが当たったらほぼ無効化されてバレちゃうから、絶対に普通の状態異常系以外の魔法は当てたらダメだからね。レア装備の方の効果がそれだからそれなら違和感ないでしょ」


 プニプニが装備を作る難易度を想像しながら言う。


「ほとんどの状態異常に耐性がつくように出来ているのは流石ですな。カーヘルの腕はさらに上がっているのではないですかな」


 プニプニの言葉を聞いてリリが言う。


「だから今回の件も安心して任せられるんだよね。さすがカーヘルって褒めておいたから問題ないよ」


 リリの言葉を聞いてデモクがリリに話しかける。


「いいですね、リリ様に褒めていただけるなんて。リリ様、今夜の襲撃に俺もついて行っちゃダメですか?」

「絶対に衛兵の人達と冒険者の人達と犯人にも、見つからない自信があるならいいよ」

「それくらいなら大丈夫ですね。俺もついて行きます。ずっと透明化のスキルをかけ続ければ余裕ですよ」

「音と気配は?」

「い、いけます。問題ありません」


 リリは無理そうな気配を感じたので、無理をしないように透明ローブを準備した。


「ならいいよ。でも心配だからこれを授けてしんぜよう」


 と言ってリリはデモクに仰々しく、透明ローブをあげた。

 デモクも恭しくありがたき幸せと言って、受け取った。

 その後リリが作戦会議の進行を始めた。

 

「じゃあ作戦会議だね。攻撃魔法スキルを空を走る光に当てない方法についてだよ。意見のある人はどんどん言っていってね。確実さが必要だよ」


 ファーストが条件を言った。


「目の前で障壁などのスキルを使用すれば、我々の力がバレることになります。それは避けた方がいいでしょう」


 それを受けてスペードが言った。


「犯人が魔法を打とうとした瞬間に、腕を上に持ち上げてみてはいかがでしょう。標準がずれるのではありませんか。状態異常の時だけはやめておけば何とかなると思います」


 その意見を聞いて全員がスペードの方を向く。

 リリが言う。


「すごいよスペード、会議が終わっちゃったよ」


 スペードは褒められて嬉しそうだ。

 リリがスペードに伝える。


「そんなスペードには重要な任務を任せよう。カーヘルからジャージを受け取って、空を走る光がお風呂に入っている間に入れ替えるんだ。出来るよね?」

「はい、お任せください。確実にこなしてみせます」

「なら安心だね。そろそろ戻ってきそうだし、みんな笑わないようにだけ注意してよ」


 リリの言葉に全員がジャージが見えなかったとしても、中に着てるんだと思うと確かに笑いそうだと思った。

 ファーストがいう。


「そうですね、おっしゃられるまで気がつきませんでした。リリ様に注意されなければ確実に笑っていたと思います」


 ファーストの言葉に全員が頷いている。

 リリは言ってよかったと安心した。

 空を走る光が戻って来る。

 ジャージはそんなに目立ってはいなかった。

 全員でなごやかに出迎える。


 リリが言う。


「みんな早かったね、どうだろう今日は犯人を捕まえたら、ここでお風呂に入るっていうのは。みんながお風呂に入って、綺麗になったらお祝いに夜食も出すよ」


 それを聞いて空を走る光は嬉しそうに笑った。

 ウィルとルティナが言う。


「無事に犯人を捕まえてからお風呂に入るね。夜食を楽しみにしてるよ」

「はい、私も楽しみです。お風呂は気持ちがよかったので、また入りたいと思ってたんです。なのでそれも楽しみにしています」


 ナリダ、グロー、ダグが言う。


「私もよ。ここのお風呂に入ると肌がきれいになったような気がして最高なのよ。家にもお風呂をつけたいくらいね」

「そうだな。犯人逮捕の祝いで家に風呂を設置するのはありかもな」

「いいなそれ、汚いサービスの風呂より自宅で入れる方がよさそうだ」


 リリが言った完璧な作戦パート3に、空を走る光の全員が完全に巻き込まれたようだ。

 そしてリリがスペードに言う。


「じゃあ、スペードだけ残して皆で犯人のいる建物に出発だよ。スペード、シェフ達に、腕によりをかけた夜食を用意するように言っておいてね。なんならカーヘルに言ってもいいよ」

「畏まりました。カーヘル様にも伝えておきます」


 ウィルがスペードに伝えた。


「スペードさん、僕たちからも感謝を伝えておいてよ。この装備その人が作ったんでしょ。これを着てれば犯人にも無事に勝てそうな気がするんだ」

「分かった。カーヘル様にそれも伝えておく」

「じゃあ、スペードよろしくね」

「畏まりました」


 まずはリリが〈無詠唱〉〈範囲〉〈転移〉でスペードとリリ以外を送る。

 そして無事にここにリリが戻って来ることができるように、小さな旗をその場に刺した。

 とても小さく展開される転移ポイント。

 スペードに絶対にこれが壊れないようにトランプの館の人に伝えてね、と言ってからリリも転移した。

 スペードは急いでベルを鳴らした。

 そこに急いで大勢の人たちがやって来る。

 スペードは大きな声で言い続けた。


「ここにある旗を決して壊さないように、リリ様が言っておられました。絶対に壊さないようにしてください」


 スペードは同じことを繰り返す。


 集まってきた人たちは旗を確認してから戻っていく。

 全員が確認したのを確認してから、スペードは叫ぶのをやめて、1人にこの旗を託した。

 その人もそのことの重要さを分かっているので、絶対に壊れないように見守ると約束する。

 そのあとスペードはカーヘルのもとに向かって行った。

 リリ様に言われたことを果たさなければと、旗を使って転移し、懸命に走っている。

 そして無事にカーヘルに会えたので、リリに言われたことを伝えた。

 カーヘルは面白そうに笑って、すでにできている装備をスペードに渡す。

 そしてカーヘルが言う。


「リリ様にも満足していただけるような料理を、私が作ってみせよう。きっと空を走る光はびっくりするだろうさ。リリ様と比べれば少しだけ劣るけど、ほとんど変わりないのだから。きっと全員が満足する」


 カーヘルはそう言って、スペードと一緒にトランプの館に向かって行った。

 リリ様が料理を作っておられたということだから、素材はきっとリリ様作の物が大量に残っているだろうと期待しながらゆっくりと歩いて行った。


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