第1話【魔女との出会い、そして始まり。】
人生初の小説なので読みづらいところなどがあればすみません!
─────オレは、またあの魔女に会わないといけねぇ──────────────
賑やかとした人混み、ピカピカとした街並み、今日もいつもと変わらぬ平和な日常が続いている。そんな中、ある一つの小さな個人店である鍵屋から何やら青年の騒がしい声が聞こえてきた。
「あー!!!ばあちゃんまたこの箱壊したのか?!これで今月何回目だよ!!」
「まぁまぁいいじゃないかぁ。何回壊してしまってもソウ君のところに持ってくれさえすれば、なんでもまた開けてくれるだろ?」
鍵屋の店主であるソウと話している老婆は、ニコニコとした表情のまま、自ら持ってきた古びた木箱を持ってソウにお願いをしていた。
「大事なものを無くさないように箱に閉まっておくようにしてるんだけどねぇ。その箱をよく落としちゃったり、開け方を忘れちゃって無理に開けようとして鍵口を壊しちゃってねぇ。」
「その会話もばあちゃんが来る度に何回も聞いてるから!!ほら、その箱直してやるからさっさと帰んなよ。」
─────ギィ
常連である老婆と店主が会話している中、もう1人のお客がやってきた。
「また常連になってるおばあちゃんと話してるのか。朝から元気でいいことだな〜」
店の中に入ってきた青年が2人を見るなりそう言い、笑顔で2人の元に近づいてきた。
「おぉ花火!おはよ、そしていらっしゃい。今日は何しに来たんだ?」
店にやってきた客は、花火という名のソウの昔からの友人だった。
「いや〜ちょっとソウに今日中に話したいことがあってねぇ。でも、まずはそこにいるおばあちゃんの箱を直すのが優先だろ?朝からソウの”魔法”を見るのも気分がいいしなぁ」
そう言って花火は老婆とソウの元に近づいていき箱を見つめたあと、ソウの方を向いてにっこり笑った。
「は〜…オレの魔法は普通で見ても特に面白いものでも無いけどな。ホントお前昔からオレの魔法気に入ってるよな」
「いいやぁ!ソウ君の魔法を見るのはワタシも好きだよぉ。そのためにここに来てるってもんだい。」
花火と老婆の2人から魔法を褒められ期待の眼差しを向けられたソウは、少し照れた表情でため息を吐いた。
「まったく……まぁ長話も面倒だしな、さっさと終わらせるぞ」
そう言い終わるとソウは首に吊り下げていた金色の鍵を手に取り、鍵を老婆が持ってきた壊れた木箱に向けた。
すると、鍵と壊れた木箱の間に鍵穴模様の魔法陣が現れた。魔法陣を前に、ソウは現れた鍵穴に自らが持っている金色の鍵を挿し込み、鍵を反時計回りに回す。
すると壊れていた木箱は、鍵を反時計回りにしたと同時に開いた。
「何度観てもすごいわぁ!流石鍵屋のソウ君、頼りになるわぁホントありがとうねぇ」
木箱が開かれるところを見届けていた老婆が、とても嬉しそうにソウに感謝した。
「全く…次こそは壊すなよ?」
ペコペコと頭を下げ礼をしなから直った箱を抱えて帰っていく老婆に手を軽く振りながら、ソウは一言半笑いで注意した。
老婆が帰りソウが手を振り終わったあと、静かに見ていた花火が口を開く。
「相変わらずソウの魔法は綺麗で便利だね!ボクも昔ソウの魔法のおかげで家の鍵を無くした時に助けてもらったよ。」
「お前は昔からドジなところあるからな!
でもオレの魔法は『開かなくなった鍵を自由に開けることができる魔法』だから、そこまで実用性はないんだけどな。戦闘に向いてる訳でもないし、”この鍵があるからこそ”の能力だ!ここの店でやっと魔法が発揮できるような普通の魔法だよ」
そんな他愛のない会話をしている中、先程まで使っていた鍵を元の場所に戻しているソウを見ていた花火が、ソウの店にやってきた本題に触れる。
「よし、世間話も終わったところでそろそろ本題なんだけどね。ボクはもう数日したら仕事に戻るためにまたこの街を離れることになるんだ。しばらくは休暇をもらってこの生まれ育った街に帰ってたけどね、”ソル王国”に戻るとしばらくここには帰れそうに無さそうだからね、ソウにはちゃんと挨拶しておこうと思って来たんだ。」
花火は頭に手について気だるげに語った。
「仕事や周りの人達は全員いい人ばかりで楽しいんだけどねぇ。みんな個性が強くて流石に疲れちゃうんだよ〜」
「まぁ仕方ないさ。花火は”ソル王国”の中でも大切な重要人物の1人なんだからな!しかもソル王国ってこの世界で一番の国だろ?そんな所で働けてるだけでオレなんかより全然立派だろ。」
______『ソル王国』
この国は一言で言うと”太陽”のような国。
この世界の中で一番人口が多く、魔法や様々な点で他の国よりも発展しているため、世界の中心部のような国。
その中に、ソル王国を支える選ばれし強力な魔法を使える14人がいるのだが、その中の1人が花火ということだ。____________
「ソウも旅したりソル王国に来てみらどうだ?ソウが来るならいつでも歓迎するぜ!」
「あ〜?オレは特に旅をする理由や目的がないからなぁ。しかも旅に出たところでただ鍵を開けるだけの魔法がなんの役に経つんだよ。」
花火の旅の誘いを軽く流しながら断る。
しかしソウは内心、一番の友人である花火を羨ましいとも感じでいた。同じ街で育った友が、一番の憧れとされるソル王国の選ばれし者として働いているのだから。
嫉妬や妬みの感情は一切ない。しかし、「自分もいつかこの街を出て未だ見た事や経験したことがない思い出が欲しい。」と感じているのも事実だったが、心の奥底に閉まっていた。
「そっか。まぁまたボクもこの街に帰ってくるし、それまでソウは待っててくれ!ボクが一番安心できる場所は、ソウと同じ育ったこの街だからね!」
「はいはい、オレはずっとこの鍵屋で待ってるよ。」
約束を交わし終わり花火が店から出ていくのを見ると、ソウも買い出しに出かける準備を始めた。
「よしっ!普段は魔法道具がある通りや市場から行くけど、今日はいつもと行くルートを変えて森の方に行ってみるか!珍しい木の実なんかあれば花火に土産として渡してやろう」
ソウは人通りが多い道ではなく、人通りが少ない森の方へと出かけた。
「最近は森の方までは来たこと無かったなぁ
小さい頃は花火と木に登ったりして遊んでたのが懐かしいな〜」
森の入口付近は子供が遊んでいたり散歩をする人がいる中、森の奥の方は大人でも誰も近づこうとしなかった。森の奥に入りすぎてしまうと、最悪の場合二度と家に変えれなく可能性があり、どんな危険な生き物がいるのか分からないからだ。
この世界の森の奥深くや人が普段いない場所には、魔物がいる可能性がある。魔物自体年々数が減ってはいるものの、未だに謎が多い存在であり、人間にとっての脅威の存在であった。
「久しぶりに森に来たのもあって随分と奥の方まで進んで来ちまったな。ここはまだ入り口からもそう遠くないからいいものの、これ以上奥に行くのはやめとくか」
そう言ってソウが森の入り口に引き返そうとしたその時、ソウの首に吊り下げていた鍵に付いている”魔法石”が突然光りだした。
─────『魔法石』
これは魔法を使うこの世界で最も大切とされている石。機械や武器に魔法石をつけ、そこに使用者の魔力を注ぐと自由に動かすことができる。いわば、使用者本人と物を繋ぐ”命”のようなものだった。
「…?!なんっっだ!これ!?どうなってんだ!!オレの鍵が!!!」
突然眩い光を放ちだし何が起こっているのかが理解できていない。
すると、光っている鍵が今度は宙に浮きはじめ、ソウの首から吊り下げていたはずの鍵は首から鍵自ら外れ離れていき、段々とスピードを上げながら森の奥深くへと飛んで行った。
その一連を驚きただ呆然と見ることしか出来なかったソウだが、ソウにとってあの鍵こそが魔法が使える道具であり、鍵が無くなればソウは魔法が使えなくなってしまうのだ。
「クッッッソ!誰かのいたずらか何かか?!
絶対取り返す!オレの大切な鍵を離せーーー!!!!」
ソウは叫びながら謎の光に包まれ飛んでいく鍵を森の奥深くまで走って追いかけて行った。
──────この出来事がソウのこれからの運命の別れ道だったのかもしれない
段々と遠くなっていく鍵を何とか光を目印として必死に走って追いかけるソウは、自身が今どれくらい走っているのか、どれほど森の奥深くへと入っていってしまっているのかすら理解できていない程だった。
ソウの体力の限界が底を尽きそうになっていると、先程までずっと飛んでいた鍵が突然止まり止まり、それと同時に光も消えた。
ソウはやっと鍵を取り戻せると安堵したのと同時に、自身が森のすごく奥深くに入ってしまったことに気がつく。
「………街に帰れるか正直分からねぇし不安だが…けど、オレはあの鍵がないとダメなんだ…!!」
そう言ってソウは自身の鍵が止まった方へと歩き出していく。
すると、鍵が少し開けた場所で宙に浮いたまま止まっていることに気づいた。
「オレはずっと道もない森の木々の中を走ってきたが、、こんな綺麗に開けた空間は今までなかったぞ?」
疑問に思いつつ周囲を見渡し、自身の宙に浮いている鍵の目の前まで来たソウ。
「本当に…オレの鍵に何が起こったんだ………」
ソウが自身の鍵に手を伸ばした瞬間───
今までソウが生きてきた中で感じたこともないような”なにか”を感じた。
それは恐怖か、殺意か、圧か、はたまた殺気なのかすら分からないが、一つだけソウにもハッキリわかることがあった。
─────「後ろに誰かいる」
冷や汗が止まらなくなり、呼吸ができているのかすら自身でわからなくなっている中、微動だにできなくなったソウ。
すると後ろから、「おや?なんでこんなところに人間がいるんだ?」と声が聞こえてきた。
その声を聞いた瞬間、ソウはより心臓が止まりそうになった。
(誰かいる……そいつが男か女かすら今はどうでもいい…でも……確かに今後ろにいるやつは……オレのことを…”人間”って……言った…よな)
ソウは後ろにいる謎の人物が、同じ人間ではないと察してしまった。
そして、とうとう恐怖に震え上がったソウは膝から崩れ落ち、気絶してしまった─────
────────……………ゥ…………ソゥ……………ソウ………起きろ!ソウ!!
「ッ!!!」
気がつくとオレは、街の病院のベッドで寝ていた。そして、ベッドの横では必死にオレに声をかけてくれていた花火がいた。
「ソウっ!!!やっと……やっと起きてくれた!!」
どうやら花火から聞いた話によると、オレは森の入り口近くで気を失って倒れていたらしい。
それに気がついたら街の人が病院までオレを運んで行き、1日中眠りから覚めなかったらしい。
「ほんっとうに心配したんだからな!!医者に聞いても原因不明だし!ボクが話してた時は全然元気そうだったから…本当に街の人から知らせを聞いた時は驚いたんだからな!」
「悪かったって!オレも正直理由はわかっていないんだよ……日頃の疲労が出ちまったのかな」
──────数日後
「ボクはもうこの街を出るけど……本当にもう体は大丈夫なの?」
「大丈夫だって!あれから体調も万全だしな!」
花火が街からソル王国へと戻る日、ソウと花火は最後の別れの会話をしていた。
「じゃあまた元気でな!花火もオレみたいにぶっ倒れるまだ働くんじゃねぇぞ!!」
「ボクはそうはならないよ!ソウも無理はダメだからね!」
最後まで笑ってお互いの心配をしつつ手を降って別れた2人。
「………………」
花火が離れていく姿を見守る中、ソウは数日前の森の中でのことを思い出す。
(オレは確かに森で何があったの曖昧なところがある……しかし、鍵が突然光ったこと、宙に浮いたこと、森の奥深くで気を失ったのは確かだ。そして………)
「確かに聞いたんだ…!気絶して……薄れゆく意識の中で!!」
(……どうやらボクの実験に巻き込んでしまったらしい。…代わりに君には特別な力を授けてあげよう)
(あの声の正体が誰までは分からねぇが……あれは絶対に”魔女”だっ!!!)
─────『魔女』
何千年も前から言い伝えられている存在であり。本当に実在しているのかすら、逸話は全て作り話なのか本当なのかすら全てが謎の存在である。
しかし、全人類が魔女の存在を知っていて、み皆が共通の認識がある………
「魔女はこの世の何よりも恐ろしい存在である」と……。
ソウは、森の中での出来事は花火にも誰にも話さなかった。なぜなら、花火や医者には気づかれず、ソウ本人にしか分からない変化が自身に起こっていたからだ。
「オレの鍵の魔法石……今までと”何か”が変わってる…何年も使ってるオレのたった一つの鍵なんだ、周りの連中は気づいてなかったけど、オレだけは違和感を確かに感じる!
まだ魔法を使って試してはいないが、必ずあの時あの魔女に何かされたんだ!」
─────オレは、またあの魔女に会わないといけねぇ──────────────
森の奥深くになぜ魔女がいたのか。
鍵に何をしたのか。
なぜ街までソウを運んだのか。
その謎を知るために、ソウはこれから魔女を探す旅に行く決意を決めた。
これから少しずつ連載していくつもりなので、興味を持ってくだされば次の話もお楽しみに!




