28. 壺積み
「じゃあ早速やっていこうか。浮遊能力が使えるのは僕だけだから、一番下は僕が浮かせておくね。」
ユウが手をかざすと、一つの壺が口を上に向けて空中で制止した。
「本来は、積み上げない人がやるんだけど、今2つの操作を同時にする練習中だからやるね。口と底を交互に積み重ねていくんだ。リーンは初めてだから、キョウ、僕、リーンの順番でやっていこうか。」
順番を決めて、キョウが落ちている壺を拾い、慎重に壺の口と口を合わせていく。少し壺がミチミチ鳴っているが、うまく乗せることが出来ていた。
「僕の番だね。」
最初に手をかざした方とは逆の手を落ちている壺にかざす。浮き上がると同時に、一番下にあった壺が、少しユラユラ揺れている。真剣な表情で壺の底と底を合わせようとする。少しずつ揺れがおさまっていき、3つの壺が重なった。
「リーンの番だよ。」
「わかったわ。」
口と口を合わせようとするが、緊張しているせいなのか、手が震えてしまう。壺の口はそれ程太くないので、案外難しい。
「ふー。できたわ。」
なんとか積み上げることが出来た。その後次々に積み上げていって。私の番になった。目線より少し高い所で、次は口と口を合わせる。口がよく見えないまま慎重に重ねようとしたが。
「あっ!」
手が震えて、壺どうしがぶつかった。重なっていた壺たちが、一番下の浮いてる壺以外が下に落ちていった。
「リーンの負けだね。」




