2日目 過去。9
あぁ、クソ!こんなことならさっさと脱出していればよかった。
「お前やっぱりバカだな、変なことが立て続けに置きだしたのは今日からだろ?だが思い出してみろ、朝から天気が悪く海が荒れていたんだぜ?今だけは奇跡的に小雨で比較的マシになっているがな。もし雨風がずっと強いままだったら、あの2人だってボートを使おうなんて頭にならなかっただろうよ。」
でもちょっと待てよ、もし中田くんが犯人なら今ここで僕を襲うはずだよね?真っ暗な夜の闇に2人きり、こんな絶好のチャンスはない。
「だから俺じゃねーっての、まだ疑ってやがったのか。」
美優さんも殺されていたし、じゃあ残るは渡辺昌大・渡辺のぞみ・河下明美の誰か…。渡辺夫婦のどちらかが犯人ならこの島は安全ということになるけど…。
そう考えていると突如沖の方で激しい光とともに爆音が鳴り響いた。
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船底のプロペラの速度を調節することでスピードを変えられるってわけか、ようするに車と一緒だな。よっしゃ、このまま飛ばすぜ!
「ちょっと!暗くて視界が悪い上にまだまだ波が荒れてるからあんまり飛ばさないで。せっかく脱出できたのにこんなところで転覆でもしたら文字通り水の泡じゃない。」
へいへい。ところでのぞみ、なんか変な臭いしねぇか?このボート。一旦停めるか。
「怖いこと言わないで、それに定期的に整備してるって言ってたから故障はしないはずよ?」
いや間違いない…なんだこの臭い…ここか?エンジンの可動部分。顔を近づけて覗いてみると何やら赤い火が燃えて…ん?
エンジン部分で、火?
おいのぞみ!
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バァァーーーン!
渡辺昌大が話し終わる前に、ボートのエンジンがすさまじい爆発を起こした。彼はこのとき爆発をモロに受けて即死。渡辺のぞみは爆風で吹き飛ばされて激しく海へ叩きつけられ、全身に強いショックを受けたことで死亡してしまった。
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あ…あぁ…ボートが…。
「むしろ乗らなくてよかったな、オレ達…。コテージに戻ろうぜ助野、まだ雨が降っている。風邪ひいちまうよ。」
僕と中田くんは無言で坂を登ると、美優さんの遺体に近づいた。彼女は木の下に横たわっていたし雨が弱くなった頃に亡くなったのだろう。水浸しというほどではなかった。それでも彼女のナイスバディと綺麗な顔は血と泥でぐしゃぐしゃだ。
木は雨よけにはなってくれていたようだが風までは防げない、吹きすさぶ風で彼女の髪や服はボロボロだった。
彼女の利き手である右手の指先に泥が付いていた。瀕死の状態で何かメッセージを地面に書いたのだろうか、だが地面はすでにぬかるんでしまっていてそのような痕跡は見当たらなかった。
一応僕たちは浜辺で使ったレジャーシートを美優さんに被せ、コテージに入った。
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※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。




