2日目 犠牲者たち。2
(やっぱりどうも怪しい。意を決して中田くんに直接聞いたけど、彼は話をはぐらかすだけ。僕が昨日海に行かなかったのはただ外出するのがダルいからだけではないんだ。露骨に探すようなマネはやめておいて正解だったかもしれないな、このコテージの至る所に…。
それができるのはオーナーである中田くんと考えるのが自然だ。準備が完了次第『観光協会からの案内で~』などと銘打って僕達を呼び出せばいい。
それでもまだ吉川くんがただ寝ているだけという説は否定できない。彼がひょっこりお昼ご飯でも食べにこのリビングに現れれば、僕の考えはただの行き過ぎた妄想で済まされるのだから。
ドラマに目をやると、主人公の奥さんが自宅に超小型の隠しカメラを設置し"同窓会へ行くから今日は帰ってこない"と主人公へ告げるシーンだ。
奥さんが出かけたあとウキウキで不倫相手を家に呼ぼうとする主人公…とてもイイところでエンディングが流れ次回予告に切り替わる。
「明美ッ!早く次再生して!」
「はいはい分かってます。」
「この後って確か…。」
「ちょっと渡辺くんネタバレ禁止!ウチもこの辺覚えてないんだから。」
相変わらず一同はドラマに夢中になっている。このまま平和に過ごせればいいが…。
-----
(助野は俺のことを疑っているようだな、無理もない。俺の所持するコテージに俺が全員を招待する…シロウト探偵でも明らかに俺を怪しいと思うだろう。だが俺は"協力者"なだけだ、直接手を下すようなマネはしない。だいたい俺が犯人なら招待状を出す時点で全員の住所を知っているんだ、こんな大掛かりなことをわざわざしなくて良いんだよ。助野もまだまだだな。)
みんな麦茶でも飲まないか?さっき淹れたやつがそろそろ飲める頃だろう。
「中田くん一番キッチンに近いところに座ってるもんね、じゃあよろしく~。あたし達そのかわり晩ご飯の支度やるから。」
「一人じゃ大変そうだから、僕も手伝うよ。」
助野がすかさず協力を申し出てくる。別に良いけどな、俺は何もする予定はないし。
俺は、な…。
明らかに俺の方へジロジロと視線をよこす助野。疑いの目を向けるべきは俺じゃないぜ、まぁそうやって疑いの矛先を俺に向けておいて自分が動きやすくする狙いも恐らくアイツの算段どおりなんだ。
恐ろしいやつだよ…だが最後に笑うのはこの俺さ。
いつも閲覧・評価ありがとうございます。感想・誤字の指摘などありましたらよろしくお願いいたします。
※この話はすべてフィクションであり、実在の人物・地名・事件・建物その他とは一切関係ありません。




