第71話 秘密兵器
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「おうミナ、久しぶりだな。」
「お久しぶりです。」
「それで、どういう訳で俺を呼び出したんだ?」
「今回は、武器の整備と、あるものの作成を手伝ってもらえたらと。」
そう、黒剣も黒刀も結構使っているので、整備がいるとおもったんだよね。
あるものの説明をするために、私達はギルドに向かった。
ちなみに今日は、勇者達の指導はお休みだ。
あるもの………それは、秘密兵器だ。
今回の敵は邪神、こちらのやれることをやりきっておかなければ勝てる相手では無いだろう。
今回、秘密兵器は全員の分を製作するつもりだ。
しかし、私1人だと出来ることが少ないので、ドワーフ店長に協力してもらうことで、完璧な秘密兵器が作れるのではないか、そう思ったのだ。
私達はギルドにある個室を借りて、秘密兵器の事を話した。
「あるものとは、秘密兵器なんです。
邪神やその勢力と戦う上で、最悪の状態をひっくり返せるくらいのとんでもない兵器がいるんです。
出来れば人数分が。」
「どんなものを作るかにもよるな。」
「できれば、1人だけを強化する物がいいんですが…。」
「ってなると、他の味方は見捨てるってことか?」
「そうなるかもしれません。
私は、私の仲間が誰も欠けることなく邪神を倒せればいいと考えているので。」
「全員を助けられるものなら、作ってやる。」
もう仲間を誰1人として失いたくない私と、すべての味方を助けたい店長、2人の考えを合わせた場合、答えは1つだった。
「なら、全員を救ってなおかつ、私の仲間を強化する物はどうですか?」
「それなら、いいぜ。」
よかった、交渉は成功した。
私は最終兵器の案を上げていく。
「まずは、味方全体を回復させてから、私の仲間を強化するものはどうですか?」
「それなら出来るが、どうしても大きくなるぞ?」
「それは駄目ですね。
持ち運びが出来なければ意味が無いです。」
いざというときに使うものが持ち運びに不便とか笑えない。
「なら、全員を強化するのはどうだ?
回復させるから大きくなるだけだからな。」
「なら、それがいいですね。
私の仲間達に高倍率の強化を付与して、他の味方には低倍率の強化を付与すれば、状況をひっくり返せるかもしれません。」
「じゃあ、そういう感じ作るぜ。」
そういって店長は龍の国に帰ろうとする。
「待ってください。
私のスキルで移動しましょう。
そうすれば、一瞬で龍の国の店に到着します。」
私は店長を呼び止めて、手を繋いだ。
使うスキルは《相転移》だ。
マーガム達が店長の店に到着した時、店の中に《相転移》で私と店長と交換できるように聖剣を置かせてもらっていたのだ。
私は《相転移》を使用した。
すると景色が一瞬で変わり、店長の店に到着した。
「おぉ!これはすげぇな!」
店長は驚きを隠せずに声を上げた。
「じゃあ、早速試作からなんやらしてみるぜ。
安心しな、絶対に邪神がくるまでに完成させるからよ!」
「よろしくお願いします。」
私は《相転移》で皆の元に戻った。
そこからは、ダンジョンに潜ってレベルを上げたり、勇者達を指導していた。
そして、邪神が攻めてくる2日前になったので、私達は店長の元に《相転移》で向かった。
「こんにちは、例の物は完成しましたか?」
「おうよ!今回のは力作だぜ!」
そう言って出されたのは、元の世界にあった手榴弾のような見た目の物だった。
話を聞いていると、名前はバフボムで使い方もほとんど手榴弾と同じだった。
「とりあえず何個か予備を作ったから、試しに使ってみるか?」
「そうですね、使ってみます。」
私達はモンスターのいる場所でバフボムを使ってみることにした。
私達は店長を連れて、龍の国近くの森にやって来た。
「バフボムの効果は、味方の回復と強化だ。
かなり広範囲に効果があるぞ。」
薫に影分身を出してもらい、効果と効果範囲の確認をすることにした。
薫の影分身が一定間隔毎に配置につくと、モンスターが薫に襲いかかった。
薫の影分身は無抵抗でダメージを受けていく。
影分身はダメージを受けても致命傷にならなければ消えないのだ。
こういう検証が出来るのはありがたいんだけど、かなりヤバい絵面になってるのはどうにかならないのか…。
私はバフボムを使用した。
安全ピンを抜いて………、これ、投げるの?持ったままでいいの?………あ。
私が持ったまま、バフボムは爆発した。
「げほっげほっ、どう使うか聞くの忘れてた…。」
「そういや、教えて無かったな。
大丈夫か?
使い方は手前に投げて爆発させればいいぞ。」
そういう使い方ですか…。
効果の確認は出来たかな?
私以外の皆が強化されているね。
なんかオーラっぽいものが出てるのは強化されてるってことだよね。
範囲は…、結構広いな。
オーガブレードの2倍くらいの範囲みたいだ。
ダメージを受けていた薫達も全回復していた。
効果の確認が終わった私達は龍の国に戻った。
「あのーこれに音声って付けられますか?」
「大丈夫だが、どうかしたのか?」
「いや、皆に応援メッセージを届けられたらいいなと。」
「なら、ますますやらないとな!」
私は1人1人に向けてメッセージを入れていった。
これを使わなくていいなら、それに越したことは無い。
私は手榴弾を皆に渡してから、これを使うのは最後の手段だからね、と念押ししておいた。




