第69話 再会
朝、目が覚めてマーガムとディアスの寝顔を撫でていると、カノアが私を抱きしめてくる。
「わしと、戦うんだのぅ…。」
寝てる時でも戦いたいのね………。
カノアを起こそうと体を叩いたんだけど、全然起きてくれない。
それどころかボディーブローが飛んできた!
「いや、起きてよ!」
ボディーブローが飛んできたあたりで、カノア以外は皆起きていたので、カノアを床に投げ飛ばす。
床にラフィスさんが転がっていって、カノアの下敷きになった。
「あぁ…、いいです!」
わざと下敷きになりにいったのでスルーします。
「ご主人様、最高です!」
………場が混沌としてきたぞ。
とりあえず皆起きたので、朝食を食べて準備してからギルドに向かった。
ギルドに着くと、勇者達が既に到着していた。
「今日は何をするんですか?」
「今日は、マーガム達にあなた達の指導をしてもらいます。」
そう、寝る前に気が付いたのだ、職業が全く違うから教えられることが少ないことに。
勇者達の職業は、剣士、拳闘士、騎手、魔法使い、弓使いなど、多岐に渡るのだが、私達と似ているものが多かったので、なんとなく私と薫だけでやってしまったが、皆で教えた方が効率も良さそうだ。
剣を使うのは私しかいないけど、剣士系で教えられることは無い。
むしろ《剣聖》のスキルに直接聞いて欲しい。
私だけだと、かなりアバウトな教え方になってしまう。
柔らかいとこ見つけて剣に不可を書けないように斬れ!
みたいな。
なので私は教えるのには戦力外だ。
あと、カノアは勇者に戦いを挑む可能性があるので、私と一緒に行動してもらう。
そうして、防御系1人だけの委員長にはマーガムが、弓使いや魔法使いの後衛系はラフィスさんが、残った前衛系は薫が担当することになった。
そして、ディアスは私達と一緒に行動することになった。
私達、教えられない組は、ダンジョンに潜ることになった。
マーガム達が、「たとえ勇者が束になって襲いかかってきても対処できるので、ダンジョンの方をお願いします。」と言ってくれたためだ。
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私達はカノア達の到達階層の25階層からスタートした。
私は、《時空間収納》から聖剣を5本取り出して、《剣域》が捉えたモンスターを次々に討伐していく。
さらに、カノアをお姫様抱っこで、ディアスを背中におんぶして次々に階層を更新していく。
30階層のボス部屋もあっさりクリアしてドロップアイテムを回収しつつ、さらに階層を更新していく。
やっぱり、ホゾンのダンジョンは敵の数と強さがかなり上なので経験値がかなり入ってくる。
まぁ私が瞬殺してしまうから、あまり強いとも思えないけどね。
そんな事を考えながら進んでいると、モンスターが出なくなり、私達の足元に魔法陣が展開され、私達は転移で別の場所へと連れていかれた。
転移が終わるとそこは、管理者がいるダンジョンの最下層だった。
「久しぶり!
いやぁ、君は本当にでたらめだよね!」
「お久しぶりです。
今回はお話があって来ました。」
「邪神のことだよね!
それなら、私達は全力で協力するよ!」
管理者達の協力があるのはかなり心強い。
「今回は私達のレベル上げに協力して欲しいんです。」
「あぁ、経験値大量のモンスターを大量に出せってことだね?
やれなくはないけど、強さもえげつないことになるよ?」
「私だけで挑むので大丈夫です。」
さすがにこんな無茶は皆にはさせられない。
「わかったよ、危険だと思ったらこの部屋まで戻すからね?
君くらいしか、邪神に勝てそうなのいないんだからね!」
私は、守りたい皆がいるこの世界を守る為なら邪神と戦おう、そう思っている。
だからこそ、今できることはすべてやっておきたいのだ。
そうして管理者協力の元、転移された私のとんでもないレベリングが始まった。
一応、合図したら戻してもらえるようにもしてあるので、帰りたい時に帰れる。
出てくるモンスターがすべて、SSランクのモンスターばかりで、絶え間なく襲いかかってくる。
モンスターはすべて神獣クラスで、すべてのモンスターが概念を使って攻撃してくる。
それらをすべて、《縮地》、《神速抜刀》、《剣舞》を使って倒していく。
なるほどね、概念を使ってもスキルの使い方によっては、負けることもあるのか。
私は絶え間なく襲いかかるモンスターを倒しながら、そんな事を考えていた。
しばらくするとモンスターが出てこなくなり、私はすべてのモンスターを倒しきった。
その時だった。
突如、私の前に男が現れる。
「!?」
私は咄嗟に構えるが、男の顔を見て構えをとく。
「………お父さん、なんでいるの?」
「そりゃ神域に娘がいたら会いにくるだろ?」
ここ、神域なんだね…。
「お父さん………、私がいる世界に邪神が現れたの。
お父さんが倒すことはできないの?」
「それは、出来ない。
他の世界に手を出すことは禁じられている。
海那、お前なら世界を救えるはずだ。」
「そんな事言われても…、自信ないよ。」
「ちっ、時間か、海那、お前はお前が信じた道を進め。
俺はいつでもお前を応援してる。
あと、付き合う奴は絶対に紹介するんだぞ?」
そう言うとお父さんは消えてしまった。
まだ話したいことはあったけど、最後の一言でどうでもよくなってしまった。
私は管理者に合図してカノアとディアスが待つ最下層に転移してもらったのだった。




