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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第三章 battle study・紅
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衝風

「彼は私の友人だ」

 

 淡々と、唐馬は告げる。


「え?この人って唐馬さんの友達なの?年齢離れすぎてない?」

 

 飄々と、虎子が応える。


「共に皿を洗えば、皆友だ」


「いいセリフだね。今度あたしも使おっかな」


「彼に手を出せば、それが始まりの合図となる」


「始まり? 何の?」


「闘争の」


 弓徒は風を感じた。

 空気の流れが起こすものではなく、気の衝突が生んだ、闘いの中で生きる者にしか感じ取る事が出来ない風……。

 濃厚な暴力の気配……。

 もしも今、ここに何も知らない一般人が通りかかれば、本能的に危機を感じ取り、叫び、駆け出しただろう。

 恐ろしいモノが、在る。

 

 弓徒は思わず息を呑んだ。

 ありえない話だが、ふとした拍子に深海に脚を踏み入れたとしたら、こんな気分になるのかもしれない。

 冷水を浴びせられたどころの話ではない。

 つまりは、死の予感。

 いや、死すら悟らせない、一瞬で全てを覆う闇。

 黒。

 そういうものを感じ取った、彼の前で——


「面白そうじゃん、それ」


 虎子は、笑い続けていた。

 禍々しい笑みだった。


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