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君達
パーティーが終わり、全ての食器類を洗い終え、一息吐いていた二人に、総料理長は声を掛けた。
「君達のお陰で、我々は後先を考えずに料理に集中する事が出来た。今回のパーティーが成功したのは、君達の力があったからだ。……本当に、ありがとう」
「いえいえ。大した事じゃないっすよ。俺達はトーゼンの事をしたまでっす。な? 喜一」
一握りでスポンジの水気を切り、手提げのトートバッグに放り込む弓徒。
「ああ」
短く返事をしながら、弓徒と同じく、しっかりと水分を落とし、ショルダーバッグにスポンジを仕舞う喜一。
謙遜ではなく、自分達は本当に普通に仕事をしただけ。と、そう思っているのが、彼らの背中を見ればよくわかる。
二人は、このホテルの全ての食器を洗ったのにも関わらず、それを大した仕事ではないと思っているのだ。
総料理長は改めて、二人の技量に感嘆の息を漏らした。
「これが……本当の皿洗い師の実力か……凄いな、君達は……」
「それ程でもないっすよ」
弓徒は白い歯を見せて、満足げに笑った。




