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相乗
「そう言えばよ、この前行った家の女の子が、凄い可愛くてな〜」
「そうか」
何気ない会話。
どこでもありそうな、何でも無い話題。
二人の男が喋っているだけだが、それによって、厨房には暖かい空気が生まれている。
同じ厨房にいるのが、苦ではない。
ちゃんとした人間と一緒にいる。
それを、改めて感じさせてくれているのだ。
「あの子、絶対俺に気があるね」
「そうか」
それに、ただ暖かい場を形作っているだけでなく、その腕前も確かだ。
料理人達が、彼らの後ろを通る度に僅かに足を止め、涙ぐんでいる事から、実力の程がわかる。
総料理長も、先程何気なく背後を通り、一筋の涙を流した。
自分達の使った皿をここまで綺麗に洗い清めるとは……。
新品同様……いや、それ以上の美しさだ。
彼らの皿洗いは、皿を生まれ変わらせているのだ。
それに気付いたからこそ、料理人達は皆、その皿を活かすべく腕を奮わずにはいられなかった。
料理と皿の相乗効果。
今宵のパーティーは、大いに盛り上がった。




