第1話 不死の少女とデスゲーム
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遊園地に集められた少女たちは、殺し合いをさせられていた。
メリーゴーランドや観覧車、ジェットコースターといった娯楽施設に囲まれながら、少女たちはそれらに見向きもせず、互いの命を奪い合う。
槍を持った茶髪の少女が鬼のような形相で突進し、長い黒髪の少女の心臓を貫く。
黒髪の少女は無表情のままそれを受け、茶髪の少女が身に着けている髪飾りを銃で撃った。
茶髪の少女が、糸の切れた人形のようにその場へ倒れる。同時に彼女専用の撮影ドローンが機能を停止してアスファルトの上に落ちた。
黒髪の少女が受けた負傷──心臓からは黒い泥のようなものが溢れだしている。負傷の深さを顧みもせず、彼女は次のターゲットを探す。
「はっ、はっ……あああああ!」
背後からの不意打ち。ストレスによる過呼吸を隠しもせず、剣を持った少女が黒髪の少女の左腕を斬り落とす。
黒髪の少女は、剣の少女の眼鏡を撃った。
眼鏡のフレームがひしゃげ、弾き飛ばされる。
剣の少女が地面に倒れ、そのドローンが落ちた。
黒髪の少女は走り出す。最後の敵を追い詰める。左腕からは黒い泥が溢れている。心臓の傷と同じように。
武器である銃弾を無駄にはできない。残りの銃弾が一発であることを“僕”は知っていた。
最後の敵であるギャル風の少女が、動いていないコーヒーカップコーナーへ駆け込む。
黒髪の少女はそれを追いかけ──膝から下の両足を失った。
「は、ハハ! やった! あーしの罠にハマッた!」
コーヒーカップの間には、不可視の強靭なワイヤーが張り巡らされていた。
罠の位置を把握していたギャル風の少女にだけは構造がわかっていたのだ。
おそらくそれが、彼女に与えられた“武器”だった。
痛覚の存在しない彼女たちにとって恐ろしいトラップだ。黒髪の少女は片手だけを使ってコーヒーカップの裏に隠れる。
「こ、ここ、殺してやる! あーしはお金をいっぱいもらって、テルくんと一緒に幸せになるんだ!」
ギャル風の少女が、黒髪の少女が隠れているコーヒーカップの影を覗き込んだ。
銃声。
少女が大事そうに持っていたスマホが粉々に砕け散った。
どさりとギャル風の少女が倒れる。彼女の背後にいたドローンもその場に落ちた。
戦いは、終わった。
僕は黒髪の少女へ近づいていく。
「勝者。タカシナ・サスラ」
「……うん」
「大丈夫?」
心臓を刺され、左腕を失い、両足のなくなった彼女に僕はそう言った。
「悪いけど、引き上げて」
あっけらかんとした答えに「了解」と返す。
僕は牽引用のアームを展開し、彼女の両腋にフックを差し込んだ。




