35話(作戦会議2)
「まず今回の作戦の目的としては、敵の核攻撃を阻止するのが最優先とします。現在の軍港の砲台がほぼ壊されている状況を考えると、私はどの場所からでも核ミサイルに対応することができる狙撃可能な戦機が必要があると考えまして・・・ 西の高台に一機、東の砲台跡に一機。そして、高雄市の入り口に一機配置が必要であると結論づけました。そして・・・」
作戦立案者であるヨシダ索敵班長は長々と作戦の概要について話した。
俺は途中から聞くのがしんどくなってきて、半分意識を保って聞いていた。
誰もがこのような経験があるだろう。自分が興味もないことを淡々としゃべられる恐怖。あの時間の進み具合はとても長いものだ。
だが、今回は大切な作戦行動の概要であり、完全に聞き流すのではなく、ある程度聞くことでなんとなくの作戦概要を理解した。
そう、俺は決して真面目な奴ではないのだ。
そして遂に俺の作戦行動について語られる。
「エクスさんについてなのですが、あなたはB、G型機の皆さんと同じく、正面の海の警備に当たってもらいます」
「え?それだけすか?」
あまりの内容の薄さに拍子抜けしてしまい、ついサブロウの口癖が移ってしまった。
「ええ。私から言えるのはそれだけです。それじゃあサブロウ技術補佐官、お願いします」
「は、はいっす!!」
ん?サブロウが?なんの説明をされるのかと思っていると・・・
「それじゃあエクス、ついてきてくださいっす」
ーーー
サブロウに連れてかれてついたのは俺のR型機がいる格納庫であった。
まずこの格納庫に入って目に入ったのが、R型機の横にある大きな2門砲だ。
「なんだ、これは!?」
「ふっふっ・・・!!これが今回の作戦の要となる、R型機専用汎用作戦追加装具”ランチャーパック”っすよ!」
サブロウの説明によると、この装具は(R/P計画)と呼ばれる計画の一部に組み込まれている、戦機強化計画に基づいて開発されたものらしい。
ちなみにこの追加装具であるが、このR型機の完成前にできていたらしく先にこのノアノフに運ばれていたらしい。
「この武器名前長いっすけど、なんだか男ごころをくすぐられる名前っすよね」
「ま、まぁな・・・」
「エクスもわかってくれますか!!僕こういうのに憧れてたんすよ」
「お、おう・・・ で、こいつの説明は?」
「あ、今するっすよ。でももう少し眺めていたいっていうか・・・ ぐへへっ・・・」
「・・・真面目にやってくれ」
ま、俺が言えたことではないんだけどね。そして、サブロウは話を続ける。
「は、はいっす!こいつなんですが、見ての通り実弾方が2門あるっす。もちろんこいつだけでも攻撃性能は十分なんすけど、注目して欲しいのはその間にあるブースターユニットっす!」
「ブースターユニット?」
「ブースターユニットは、この武器を装備した戦機を低空飛行させるための大型のスラスターっすね。低空飛行だけかよ!と思うかもしれませんが、こんな大きな砲台を2門も持っていれば飛ばすなんて並大抵のことじゃないんすよ」
「なるほど。じゃあこれで素早く陸を移動しつつ攻撃ができると言うわけだな」
「まあ大体はそんな感じの使い方っすね。でも、低空飛行だけじゃ満足ですか?」
「いやぁ、満足も何も使ってみないと・・・」
「やっぱり不満足っすよね。欲求不満ってのは体にも良くないんすよ」
そうしてサブロウは俺の話を聞かぬまま話し始めた。
欲求不満って、関係ないんじゃ・・・ 突然だが、あまり俺は性欲と言うものがない。そんなことを言ったら痛いヤツだとか思われるかもしれないが、マジの話だ。そのおかげで思春期もそんな悩みもなく過ごしたのだが・・・ そんなことを考えているうちにサブロウは話し始めていた。
「そう!このランチャーユニットをパージするとより高く飛ぶことができるんすよ。まあ、そんなことしたら怒られるんすけど・・・って聞いてますか?」
少しむすっとした顔で俺の顔をのぞいてくるサブロウ。
「あ、ああ。聞いてるさ」
「ならいいんすけど。じゃあ今までの解説を踏まえて頑張ってくださいっす!」
ニカっと笑って俺を鼓舞してくれるサブロウであったが、どうやらまだ整備していないところがあるらしく、「やられるんじゃないっすよ〜」と気軽に去り台詞を言って去っていった。
そう言うのは言うとフラグになるんじゃあと思ったが、この際気にしないでおく。
俺は新しい装備を見て、これからの戦いに向けて心の準備を整える。
(R/P計画)については東京編で解説しています。




