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何だかんだと考えるのがめんどくさくなってきたのでここはもう遠吠えをしてしまおうと思います。
急に顔を上に向け遠吠えを始めたワタシにギャロ達は驚きギョッとした表情をしていたけど、その意味を知って口元を引きつらせている。
やっぱり父を呼ぶのは不味かったですかね?
まあもう呼んじゃったので何とも出来ないですし気にしないでおきましょう。
それにそろそろ声を聞いた父が駆けつけてくると思うから話はそれからですかね。
……と思ったらこの家にある窓にガラスの代わりにつけられている木が何か強い力で粉砕させられて開け放たれた。
これは開いたと言って良いんでしょうかね?
皆が突然の大きな音に驚いてそちらを向くと見たのは、父が体に付いてしまっただろう木屑を体をふるふる振って落としている姿でした。
遠吠えをしたらすぐに駆けつけてくれるとは言ってたけど、少し登場が派手じゃないでしょうか父よ。
体に付いた木屑をきちんと取れたのか、父が驚いているワタシ達の方へ一歩一歩近づいてきた。
その姿に緊張した様子はなくこの場所の支配者が自分だとでもいうような立ち居振る舞い。
ここに自分を傷つけられるものがいないという絶対的な自信が漲っているのが分かる。
『呼んだ? オチビちゃん』
『はい』
『もうやりたい事は終わったの?』
『大体聞けたので満足です。今回は勘違いが大きな原因だったみたいなので、何か皆で食べれる美味しいものでも貰っておしまいにしたいんですがしたいんですがどうですか?』
『オチビちゃんがそれで良いならそうしよう。だけど何を貰ってくんだい?』
『それはまだワタシには何があるのかよく分からないから父が美味しいと思うものにしたいんですが後はお願いしても良いですか?』
『ああ。もちろんだよオチビちゃん。だけどオチビちゃんもしかしてもう眠いんじゃないかい?』
父が毛繕いをしてくれながら話をしているのですが心配そうに聞かれてしまいました。
眠そうにした記憶はないのに父にはバレバレだったようです。
だけどいい言葉が思いつかなかったので曖昧に笑ってごまかしておくことにします。
『後は父さんがやるからオチビちゃんはもう少しだけ寝てなさい』
そう言われると同時に今まで張っていた緊張がとれたのか自然と瞼が落ちていった。
その間にも父が何か言っていたようだけど、意識を完全に手放しそうなワタシには意味のある言葉に聞こえなかった。
ああ。そう言えば花に貰った粉を使ってないやなんて考えながらワタシはそのまま眠りに落ちていった。




