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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第43話 篠宮隆行が有している神力


「それじゃあ篠宮さん、今から神力のコントロールを身に着けるための特訓方法についてお伝えしますね」

「よろしくお願いしますアナさん」


 その日の業務を終えて帰宅した俺たちはフィルが一人暮らししているマンションを訪れていた。

 今回は玲緒奈が大学の講義とバイトで抜けられないため不参加となったが、紗彩、深雪、フィルの三人でアナさんの授業を受けることになった。


 ちなみに双子の姉妹はメイドカフェに行ってみたいとのことで玲緒奈が迎えに来て一緒に出掛けたらしい。


 そういうわけで、俺、紗彩、深雪、フィルの四人がアナさんの授業を受けることになり、まずは神力とはどういうものなのか、という説明を受けることになった。


「それじゃあ、まずは神力ってそもそもどういうものなのか。そこから説明するわねぇ」


 そもそも神力というのは目に見えないし、普通の人には操れないからかなり感覚的なものである。


「まずね、神の力と書いて神力っていうけど、これは現代で言うところの気とかのエネルギーと似てるわね」

「はい先生、質問です」

「なぁに紗彩ちゃん」

「私が感じている限りでは、神力というのは普通のエネルギー、気?でしょうか。それとは異質な感じがしているのですが」


「正解、神力と人間の気のエネルギーは同じであって違うものなの」

「どういうことでしょうか?」


 とんちのような答えに深雪も少し困惑気味だ。

 俺もしっかり分かっているわけではないが、実は紗彩のいうことは少しだけ分かる。


 神力は普通の人間が持っている気のエネルギーとは異質なものだ。

「ああ、紗彩の言っていることは何となく分かる。多分、人間の持っているエネルギーと神力って、純度が違うんじゃなかな」

「篠宮さん、正解です。神力とは神、つまり、人間の上位存在が持っているエネルギーであり、人間は神の劣化版のエネルギーしか持ち合わせていません。だから神力の方が人間より遥かに優れているんですよ。無自覚に放っている人も操っている人も、遥か昔に持っていた神力の残滓、残りかす程度にしかない、という事になりますね」




「えっと、少しまっていただけますか?」

「なぁに深雪ちゃん」

「今の話ですと、人間と神様は同一の存在ってことになりませんか?」

「正解よ。人間とは“堕ちた神”の末裔。かつて神だった存在が悪業を積み、力を失って人になった。だからこそ、時折神力を引き継ぐ者が現れるの」


 神力というものが人間の持っているエネルギーの”純度高い版”であるならば、俺とセックスした女性が若返ったり身体の構造が最適化されたり、能力が著しく向上したり、といった現象にも説明が付くと思われる。


 多分だが、神力を体内に取り込むことでその人の要素が優れた神に近づくからではないだろうか。

 自分では優れているという自覚はないが、現象を見るならば俺と結ばれた女性達は明らかに今までの彼女達より次元の高い存在になっている。


 人を惹きつけたり、仕事の能力が向上したり、あるいは俺と交わる身体に最適化されたり、その人が望んでいる姿が実現化して優れた要素が引き出されて行くのだろう。


「でもそこから説明しちゃうとそれだけで時間が無くなっちゃうから、悪いこといっぱいして神様の資格を失ったのが人間って認識しておけばOKよ」


 なんだか歴史とか宗教の授業みたいだけど、要するに人間も大昔は神様みたいな力をもっていて、それを消費しながら悪い事をしてたからだという。


 ここでいう悪い事とは『生き物を殺して食べる』『人のものを盗む』『嘘をついて人を騙す』などのことらしい。

「なんだか宗教染みた話ですねぇ」

「まあ完全に外れてはいないわね。そこを追求すると話が逸れ過ぎちゃうからやめましょう。どうせ今は関係ないからね。それで、人間の凄い版が神様ってことなんだけど、その神様が使う力が神力ってわけね。篠宮さんは前世から積んできた善行の量が人より遥かに大きいし純度も高い。それが体内に封印されて生まれてきたわけね」

「もしかして、神力って善行によって培われるんですか?」

「そうよ。仏教とかだと功徳(くどく)という言葉で表されてるわね。誰かに対して利益を与えた喜びが神力として蓄積されるの。まあ今の仏教はそういったニュアンスで言い表してはいないみたいだけどね」


「封印ってことは今までは表に出てなかったってことですか?」

「その通り。だから今までの篠宮さんは出世欲もない単なる凡人サラリーマンだった。でも、その素質は随所で見られたんじゃないかしら。そうでなければ幸太郎君があれだけ認める、なんてことはないですからねぇ」

「それ、凄く分かります。隆行さんって凄く出来る人なのに、どうして出世しないんだろうって思ってました」

「隆行は謙虚なだけ。その真の価値は審美眼を持つものにしか分からない。有象無象に隆行の魅力に気が付く力がないだけ。真の芸術は格式の高い者にしかその価値が理解できないのと同じ」


 褒められてるのかディスられてるのかよく分からんな。

 俺は骨とう品か何かと思われているのだろうか?


「そんなわけで、その神の力に目覚めた神様である篠宮さんは、今まで抑え込んできた能力が一気に開花したってことですね。でも、今の篠宮さんは蛇口の開きっぱなしになった水道管みたいなものだから、そのコントロールを出来るようにしましょう」

「開きっぱなしにすると何か弊害が起こるんですか?」

「今はまだ口が狭いからそんなに漏れてないけど、これからドンドン神力の新しい能力に目覚めるたびに出力が強くなるでしょうから、放っておくと街行く女性達全員が篠宮さんに惚れて『素敵ィ抱いてぇ♡』って迫ってくるようになりますね。私も夫と一緒にいる期間が長くなかったら寝取られに行ってしまうかもしれません。正直近寄りたくないですねぇ」


「……」


 サラリと恐ろしいことを言われ、俺は身を震わせた。そんな不貞量産マシーンみたいな存在になったら、世の中の男性をすべて敵に回す羽目になる。ゲオールグ氏と戦うとか絶対にごめんだ。



「月夜も危なかったって言ってましたよ。恐らく他の子たちが篠宮さんの価値に気が付かなかったのは、内的神力が不純なものを入れることを拒んでいたからかもしれません」


「というと?」

「ようするに、運命の女性以外が近寄ってこないように強い縁がある人以外は気が付けないように本能がそう振舞うように仕向けていたのです。あるいは運命、といってもいいかもしれません。紗彩の親である月夜やフィルの親である私もある意味で篠宮さんと強い縁がある存在です。恐らく条件が違えば私たちもフィルたちと同じだったかもしれないということですよ」


「ふーむ、そうなると神力のコントロールって必須事項ですね」

「そうですねぇ。なので、私が直接神力のコントロールを手取り足取り教えてしまうと、私が篠宮さんに落とされてしまう危険性があるのでそれは避けねばなりません。私は今世ではゲオールグの妻ですから、それは一生揺るぎません。私は神力のコントロールが出来ますから簡単に落ちたりはしませんけど、それすらも突き崩すほどの神力が篠宮さんにはあります。だから今のうちにコントロールを身に着けてもらわないと困るのです」


「なるほど、分かりました。ではどのように訓練すればいいのか教えていただけますか?」

「ええ、直接の訓練はフィルにやってもらいます。私はやり方を伝えるだけですね」

「わかりました」


「はっきり申し上げて、あなたはその気になれば世界中の女性達を自分のものに出来るくらいの神力があります。神力とは言い換えるなら願いを叶える力そのものです。あなたがそれを望み、その方向に神力を使うことをすれば、誰もあなたを拒むことは出来ません」


「じゃあ隆行が母にこの場で迫ったら拒めない?」

「そうねぇ、今は負けないでしょうけど、もう少し篠宮さんが放つ神力の出力が強くなったら無理でしょうねぇ。その場合は舌を噛んで死にますけどね」

「こらこらフィルちゃんや。怖い事言わないで。俺寝取りは大嫌いだからな」

「うふふ、分かってますよ。だからこそ篠宮さんに娘達を託せると思ったのですから。ほんとに条件が違ったら神力抜きで惚れていたかもしれませんねぇ」


「残念。母となら綺麗な親子丼が出来るから隆行喜ぶ」

「しませんしません。どこで覚えてくるんだそんな言葉」

「ネット社会は至高」


 話が逸れまくっているのでこの話題は強引に打ち切った。フィルは俺を何に仕立てたいんだ?

 あと暗に自分は美人だって言っちゃってるようなものだぞ今の発言は。まあ本当にびっくりするくらい綺麗な親子なのは間違いないが。フィルが自分の容姿に自信があるのは昔からだからな。母親ゆずりなのかもしれない。




「それじゃあまずはフィルちゃん、私が指示する通りに神力を練ってもらえる。やり方は分かるかしら?」

「問題ない」


「それじゃあいってみよう!」


 こうして――俺たちの“奇妙な神力特訓”は幕を開けたのだった。


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