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8.マルケドーラ帝国の消滅

「ビースト様は、また閉じこもってしまった。ロワール城で何があったんだ」

 イヴァンの問いに

「私は魔王たちとの会談に混ぜてもらえなかったので、何を話されたのかは知らないわ」

とペレニスはこたえた。

「アリオン神国に不穏な動きがある情報を手の者が入手した。ここで留まっていては今までの苦労が水の泡になってしまう。人族の国は潰していかないと・・」

「ビースト様を説得しましょう」

 ペレニスとイヴァンに急きたてられたビーストは

「このまま人族をのさばらせていては、彼(ハーロック)のこの世界の生き物の共存も難しい」

と思い

「わかった。これまでの計画を進めよう」

と立ち上がった。

「では、手始めに、スラーレン法国から潰していきましょう」

「でも、彼ら魔王が立ちふさがるのでは?」

「魔法には魔法で、こちらも力をつければいいだろう。今、人族も含め魔法力の高い者を集めています」

「よし、帝国軍総力を挙げてスラーレン法国から落としていこう」

 だが・・。

「ビースト様、上空に黒いものが・・」

 知らせを聞いたペレニスがビーストに報告した。

 その黒い物体は徐々に大きくなっていった。

「なんだ、あれは!落ちてくるぞ!」

「空から巨大な石が・・大きすぎる」

「帝国の真上に落ちてくる」

「退避、退避、逃げるんだ!」

 帝国内はパニックになっていた。

「ビースト様、巨大な石が、まるで星が落ちてくるような・・」

 イヴァンも突然の事態に驚いていた。

「これも極大魔法なのか」

「わかりません。ここは転移して一時どこかに退却を・・」

「私はビースト様と行動を共にします」

 ペレニスが言うと

「では、先に退避させてもらう」

 イヴァンは玉座の間を退出していった。

「イヴァンも案外、小心者だったようね」

 ペレニスはあきれるようにため息をついた。


 しかし何処かに転移して行ったと思ったイヴァンが戻ってきて

「駄目です、結界が張られて出ることが出来ません」

と言った。

「結界だと?・・やはりこの巨大な落下物は魔法なのか」

「ビースト様だけでも退避を・・」

「ペレニス、一緒に行ってくれるか」

「はい」

 ビーストはペレニスと転移しようとした。

 が、帝国の外に出ようとすると、何かにぶつかったような衝撃を受け、転移の効力が消えた。巨大な物体の下から出られないように結界が張られている。

「この魔法は何なんだ」

 巨大な物体が空を覆い隠し、ゆっくり地上に向かって落下してくる。

「まさかこんな形で終わりを迎えようとは・・」

「ビースト様・・」

「営業マンにはなれた俺だったが、交通事故に遭い、生き返ってみれば異世界でアンデッドのビーストだった。・・夢だったのかも知れないな」

「ビースト様・・」

「ペレニス。今までありがとう。楽しかったよ」

 巨大な物体が、宮殿や建物を潰し、土の中にもぐりこむように沈んでいった。そしてマルケドーラ帝国は荒野となった。


 ◇


「マジ、召喚しちゃったよ」

 ハーロック(雅則)が、極大魔法『小惑星召喚』を実行し、マルケドーラ帝国は跡形もなく無くなった。


「アンデッド・ビーストの生涯」はこれで終わりです。

 本編「異世界に行ったら最強になった」の続きはまだ構想中なので、魔族側からの視点でまとめた「魔族の女・リサ」を投稿しようと思います。

 また本編の誤字・脱字等が目立つのと、書き加えたい部分もあるので見直しもしようと思います。

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