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第一話 転生

まだ暖かさの残る季節、今日も学校へ自転車で向かう一人の女子がいた。

彼女の名は、草野姫華(くさのひめか)。黒髪にジト目で、身長はそこそこの、県内の工業高校に通う2年生である。

少し内気で、ひ弱だが、ある時になると人が変わるとか。

学校に着き、自転車を止めて教室に向かいながら、姫華は考え事をしていた。


「今日の授業は何だったかなあ」


そーっと教室に入り、時間割を眺める。

そして、頬を緩めた。


「やった!実習がある!」


教室で時間割を見て、実習があることで、朝から一人で少しはしゃいでいた。

もちろん、その様子を誰も気にも留めない。

だが、その様子を見ながら、ひそひそと話をしている人たちがいる。


「今日こそは、目にもの見せてやる」


男子生徒三人が、姫華を睨みつけながら、何かを企んでいた。


四時間目、実習の時間となり姫華は、薄緑色の実習服に着替え、実習が行われる実習棟(じっしゅうとう)へと歩いていく。


「今日は、溶接かあ。じゃあ2階かな」


階段を上っていくと、何やら上で物音がする。

誰か、先に来て準備をしているのかなあ、と呑気に考えながら二階の廊下に足を踏み入れようとした時、目の前から何かが降ってきた。


「え⁉ちょっ……」


そのまま何かに当たり、姫華は一階まで転げ落ちる。

(体中が痛い。やばい、これ、死ぬかな)

目の前にはさっき降ってきたであろう、アセチレンガスのボンベが転がっている。

そして、頭から血が出ているのを感じた。


「おい!これはやりすぎだろう」


「ど、どうすんだよこれ!」


「し、知るか!俺はただこいつの溶接が出来ないようにガスボンベを抜いて隠そうとしただけだっつーの!」


階段の上から、男子たちの声が聞こえる。

(誰かの不注意?それとも、こんなことをされるようなことしたっけ…)

姫華は、自身の体が急に冷えていくのを感じた。

(あは、これ無理かな。せめて、せめて最後にあのアニメを最後まで見たかったなあ)

姫華は、仰向けのままプツリと意識を失った。




「奥様、お生まれになりました!可愛い女の子ですよ!」


「まあ!」


段々と意識が戻っていく。

ここはどこだろうか。

少しずつ目を開けていくと、目の前に見えたのは、見たこともない部屋と人々だった。


(え!なに!なんなのこれ!)


「あー。あーう」


なぜか、うまく喋ることが出来ない。


「まあまあ可愛らしい子だこと」


その中で、もっとも豪華な赤い服を着た、女性に優しく抱っこされた。

思わず話そうとするが、振りほどけない。というか、手が小さい。


(え?どういうこと?)


「ステラ様、こちらが母上ですよ」


ゆっくりと、頭を上にすると、銀髪でエメラルドのような目をした女性が視界に入ってきた。

そして、姫華はこの一連の出来事で確信した。


(これ、異世界に転生、してるよね)

皆様、こんにちは!あるいはこんばんは!

高校生のアイリアです。

「竜と鬼姫の末裔」に続く二作品目の一話いかがでしたでしょうか。

こちら、長編となっております。

感想等ございましたら、ぜひコメント等で教えてください。

泣いて喜びます。

これから、「辺境に飛ばされた少女は前世を夢見て領地を開拓する ~前世の技術で最高の都市を!~」をどうぞよろしくお願いいたします。

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