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異世界転生  作者: MSZ-006
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「食い過ぎじゃないか?大丈夫なのか?」


「ピピィ!」


ミリィさんと、河野さん以外のコスプレしていた人達は、着替え直してから再度、大食堂に集合し食事を始めた。


珊瑚は、かれこれ20人分の食事を平らげている。


食べ過ぎて、具合が悪くならないか心配になる。


「・・・その子は成長期、だから問題無い」


リリーさんから、説明が入る。


「ピィ!ピピィピィ!」


「・・・美容と健康の為に、この程度にしておくと言ってる」


「そうね、ピィちゃんは、ちゃんと自己管理が出来る偉い子ね!」


カオリが珊瑚の隣で、口元を拭いてやりながら言った。


「ピィ、ピィピピィ、ピィピピィ!」


「・・・成長期だからと言って、食べ過ぎるのは良くない。必要な栄養バランスを考えた上で、食事を取る事が大切。と、言っている」


うん、凄く考えてらっしゃる。


余計な心配だったかな。


「ピィ、ピピィピィ!」


「・・・心配してくれて、有難うパパ。と、言っている」


リリーさんが、通訳してくれる。


「うん、まぁそれはな?保護者だから、当然と言うか・・・」


「リョウ〜、照れてる〜」


「照れてますね」


「パパ、照れてる」


マリーさん、ゴモリーさん、ネアさんに茶化される。


「リョウ、顔がニヤけてる」


カオリが、俺の顔を見て微笑む。


人は何故、悪夢を見るのか?と言う疑問に、目が覚めた時に夢で良かったと、安心する為だと言った言葉を聞いたことがある。


心理学や医学的な根拠では違う説明が出ると思うが、この言葉は凄く深いなと感心した。


では、幸せな夢は何故見るのか?


前世の俺は幸せな夢を見ても、辛い現実しか無かった。


でも、今は違う。


幸せな夢を見るのは、今よりもっと幸せになる為だと思う。


現状が幸せで、更に幸せを求めるのは欲張りな事だと思うが、欲張る為に無理の無い努力をするのは、悪い事じゃ無いと思う。


珊瑚や周りに居てくれる人達のお陰で、そんな風に考えられる様になった。


「有難う」と呟いて、珊瑚の頭を優しく撫でる俺に「ピィ!」と、珊瑚が返事をした。


リリーさんは、そんな俺達を黙って見ている。


「そう言えば珊瑚ちゃんは、どうして迷子になったんですか?」


と、ゴモリーさんが聞いてきた。


「それが、飛行中の母親に掴まって昼寝していたら、落下したそうなんです。幸い落下途中で目覚めた珊瑚は墜落せず、着地した地点から暫く飛んで、空腹で動けなくなった所を、クレイモアと俺達に会ったそうです」


此れは、テイマーの兵士が珊瑚から聞いた情報だ。


「お父さんは、どうしたの?」


ネアさんが、次いで質問する。


「父親は、居ないそうです」


珊瑚が兵士に語った内容は、母親しか居らず父親は居ない事、そして母親と旅の途中だった事だ。


「そっか、ゴメンね?余計な事を聞いちゃったね」と、ネアさんが謝ると「ピピィ!ピピピィ!」と、返事する。


「・・・ママは言っていた。番にするなら、いい雄を捕まえろと」


「ピィピィ、ピピィピピピィ、ピィ!」


「・・・浮気症の碌でなしは、絶対に選んでは駄目。日頃から、そう言われてる」


・・・色々、苦労してるんだね。


あれ?


雄を捕まえろ?


「さ、珊瑚?お前、女の子だったのか?」


「ピギー!」


「リョウ、酷いわ!ピィちゃんが、可哀想!」


「リョウ〜、ダメだよ〜」


「リョウさん、まさか珊瑚ちゃんを、男の子だと思っていたんですか?」


「リョウ、ギルドでドラゴンの知識を入れて貰って無いの?」


「・・・リョウ、酷い」


珊瑚、カオリ、マリーさん、ゴモリーさん、ネアさん、リリーさんの順に怒られた。


「珊瑚、ご、こめんな?ちょっと色々有って、頭が混乱してるんだよ」


因みに、レッドドラゴンの雄と雌の見分け方、尻尾が最後まで同じ色なら雌、雄の場合は尻尾の最終端に色の濃淡が鮮やかに出る。


珊瑚の尻尾は、同一の綺麗な赤色だった。


今更、思い出しても時すでに遅し。


「リョウ、ちょっと其処に正座」と、目が全く笑ってない、カオリの笑顔が恐い。


大禍時の悪夢、再び!



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