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異世界転生  作者: MSZ-006
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冒険者ギルドで、討伐報酬の受け取りとモンスターの解体をし、街中の公園にやって来た。


「はい!あ〜ん」


カオリが、ドラゴンの口にビッグチキンの肉を入れてやると、一飲みで平らげてしまう。


この公園は、遊具やドッグランならぬモンスターラン的な物があり、自由にモンスターと人間達が散歩したり、戯れたり出来る。


食ったり食われたりしないのかと思うが、そんな事は一切無い。


テイマーや飼い主の躾もあるが、街に居るモンスターは皆、テイマーギルドで発行される認識票を着用させられる。


認識票を着用したモンスターは、その効力により人や動植物、他のモンスターに危害を加えなくなる。


此れは、テイマーギルドが開発した『ミンナナカヨシ』という認識票の効果だ。


但しモンスターの嫌がる事や、危害を加える等の行為は御法度だし、必要最低限の自己防衛に関しては、認められているので反撃される。


モンスター誘拐や、モンスターを虐待する人間がいるからだ。


俺は先程、兵士から受け取った認識票をミラージュスパイダーの糸に通して、ドラゴンの首に掛けてやった。


ミラージュスパイダーの糸は、万能だな。


伸縮性があり柔らかく、それでいてワイヤーの様に強力、しかも普通の刃物じゃ切れなかったから、胴田貫で切ったよ。


今後は、ミラージュスパイダーの糸を加工して貰って、もっと良い紐を作ってやろう。


カオリとドラゴンを見ながら、そんな事を考えていた。


「カオリ、そろそろ帰るか?」


「そうね、ピィちゃん。パパとママと帰りましょう」


「ピィちゃん?」


「そうよ?名前が無いのは、駄目でしょう?」


「ピィちゃんって、ちょっと安直過ぎな・・・」


「あら?他に、いい名前があるのかしら?パパ?」


「カオリ、俺はまだ未婚だ」


「酷い!私の事は遊びだったのね!ピィちゃん、ママと2人で生きて行こうね?大丈夫よ、ママがしっかり育ててあげるから」


「カオリ、そのママって呼び方、気に入ってるのか?」


「当然よ!だって、ピィちゃんが私とリョウを、パパとママって言ってるのよ?それなのに、リョウは私達を捨てるのね?そんなにメガネが良いの?私がメガネを掛ければ、リョウは満足するの?それともピィちゃんが、メガネを掛ければ良いの?」


「いや捨てるとか、そんな事は考えていないし、メガネは関係無いから」


「ピィ?ピピィ!ピィ!」


「ほら、ピィちゃんもメガネを掛ければ、認知するのかって言ってるわ!ゴメンね。ピィちゃん、パパとママは、喧嘩してる訳じゃないのよ?」


「ピピィ?ピィ!ピィ〜」


俺はドラゴンを肩車状態にして、カオリの寸劇に付き合いつつ、宿舎兼食堂の入口までやって来た。


「フシュー、お帰り、プシュー」


「リリーさん、お疲れ様です」


「こんばんは、リリーさん!」


「ピィ!」


丁度、リリーさんと帰りが同じになったらしく、入口で顔を合わせた。


「フシュー、リョウ、その子は?、プシュー」


「はい、実は・・・」


建物に入りながら、経緯を説明する。


「フシュー、パパとママ、可愛い子ね、プシュー」


「ピピィ!ピィ、ピピィ、ピィピィ!」


「フシュー、そうなの?、プシュー」


「リリーさん?話が判るんですか?」


「フシュー、迷子で本当のお母さんは、何処に居るか分からない。と言っている、プシュー」


「ピィ、ピピィピィ!」


「フシュー、名前が、決まって無い。と、言ってる、プシュー」


「え?ピィちゃんじゃ、駄目なの?」


カオリが、悲しそうな顔をする。


「ピィ!ピピピィ!」


「フシュー、あだ名なら良いけど、それが名前なのは嫌、プシュー」


「リリーさん、ドラゴンの言葉が分かるんですね」


と、関心していると「ピィ!ピピィピィピィ!」と、何やらリリーさんに伝えている。


「フシュー、なる程、プシュー」


「あの、何と言ってるんですか?」


「フシュー、リョウ、大食堂に行って。皆を集めてくる、プシュー」


「はい?」


訳が分からぬまま、俺はカオリと大食堂に行く事になった。



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