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異世界転生  作者: MSZ-006
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「リョウ、大丈夫?」


「すまない、大丈夫だ」


「リョウが異世界から来た事、私は知ってる」


「そっか。俺の情報は、吸収済みだったな」


カオリは誕生した時に、俺の情報を吸収したと言っていた。


だから、俺の前世の記憶や転生者である事も、全て把握済みだ。


「別に、隠す必要は無いのかも知れないけど、あの人はちょっと怖いよね?」


少なくとも俺は、お友達にはなれそうにない。


「そう?私は、特に何も思わなかったけど?」


そうか、カオリは豪胆だな。


・・・さて、気を取り直して次だ。


カオリと一緒に、他の店を見て回る。


映画館があるな、今度一緒に来てみるか?


「リョウ、あれ見て!」


「こ、コレは?!」


店先に置かれた物を見て、カオリが指差す。


ガチャガチャじゃん?!


前世では、凄く好きで色々集めていたが、この世界にも在るなんて感動した。


ただ異世界のガチャガチャは、色々とハイテクノロジーだった。


空中に投影される液晶の様な画面を、指で操作して自分の好きな商品を選ぶ。


支払いは、この世界では一般的な自動精算だ。


俺はカオリと、ガチャガチャを眺め「何か、欲しいのあるか?」と聞いた。


すると「此れが、欲しい!」と指差す。


モンスターガチャ!1回、200円。


内容は、ディフォルメされたモンスターのフィギュアで、ちょっと可愛い。


確かに此れは、俺も欲しいな。


「よし、回してみるか?カオリは、どのモンスターが欲しい?」


「私は、【闇の化身、ホーンラビット】が欲しい!リョウは?」


ホーンラビットとは白い体色の、体長1メートル程の一角兎で、ペットや食用として人気のモンスターだ。


フィギュアは黒いローブの様なマントを身に纏って、後ろ足で立ち上がって手に杖を持っている。


なる程、闇の化身か。


「俺は、【混沌の殲滅師、マジックキャット】だな」


マジックキャット、豹位の体長で魔法を使用する、この世界では割りと珍しく無い生物だが、俺が欲しいのは、二本脚で立ち上がり、眼帯を着けて眼帯の上に手を置き、反対の手を前に突き出している、中二病患者的なフィギュアだ。


「リョウの欲しがってるのも、可愛いね」


「取り敢えず、一回ずつ回してみるか」


液晶画面を操作して、モンスターガチャを選択。


1番手をカオリに譲り、俺は2番手だ。


音楽が流れて、コロンと下の方から商品が出て来る。


「ホーンラビットじゃ無いけど、此れも可愛い」


見てみると、【白き魔導師、サンダースネーク】だった。


実物のサンダースネークは蛇の電気ウナギバージョンで、体色は様々あるが白は非常に珍しい。


体長は大体10メートル位のモンスターだが、商品は5センチ程のサイズで尖った黒い魔女帽を被っており、とぐろを巻いて尻尾に小さい雷のオブジェが着いた、白い蛇のフィギュアだった。


確かに、可愛い出来だ。


次は俺だな。


何が出るかなと、ちょっとワクワクしながら、液晶画面を操作する。


出て来たのは、【破壊大帝、エント】だった。


エントは木のモンスターだが、討伐対象では無く保護対象のモンスターだ。


人間を見ても攻撃してこず、逆に人間に会うと果物をくれたりする、優しい木のモンスターである。


しかし、この【破壊大帝、エント】は凶悪だ、つぶらな瞳でゴッ○フィンガーを、ブチかましているフィギュアなのだ。


矢鱈と躍動感溢れるフィギュアで、身体が後に反っていて、如何にも対象を貫いたと言わんばかりのポーズを取っている。


此れを考えた奴は、間違い無く中二病だな、俺には解る。


その後、俺とカオリは調子に乗って、このガチャガチャをフルコンプ(100種)し、被りも入れて合計150個程のフィギュアを持ち帰った。



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