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午後からミリィさんに案内して貰い、ロボットメーカーを尋ねる。
「ようこそ、ミリィ様。お待ちしておりました」
「こんにちは。リョウ様、此方はロボットメーカーのオーナー、サミュエルさんです」
「はじめまして。サミュエルと申します」
「はじめまして、リョウです」
仕立ての良い、スーツ姿のサミュエルさん。
俺の見立では、30代前半かな?
ちょいワル風なオッサンって感じか?
「本日は、戦闘ロボットを見に参りました」
「いつも、有難う御座います。此方へどうぞ」
随分とビップ待遇だけど、ミリィさんは此処の常連なのかな?
「リョウ様、此方の会社は御主人様が色々と、支援している会社です。信用出来る会社ですので、御安心を」
「当社は河野様に色々と支援して頂き、新たなロボットの開発や発掘をしております」
発掘?
遺跡発掘で、ロボットを発掘してるのか?
「遺跡発掘で、ロボットが出るんですか?」
「はい、古代遺跡では様々な物が発掘されます。用途不明の物から、巨大ロボットまで、本当に様々な物が発掘されます。発掘は国が主体となって動いて居ますが、其処に我々の様なロボットメーカーが参入できるのは、河野様とミリィ様に支援して頂いているからなんです」
河野さんって、結構スゲぇ人なんだな。
「此方は、市販品の戦闘ロボットです」
そう言って、連れて来られたのは工場の一角。
ディスプレイに、様々なロボットが映し出させれている。
ターミネー○ーっぽい奴から、ロボットアニメに出て来そうな奴、それから動物型まで、此処に有るのは一番デカくても高さ2メートル程度らしい。
他にも様々なロボットが有って、全長が何十メートルという巨大ロボも存在するそうだ。
「リョウ様は、次元収納があるロボットを探しております。後は、荷台を付けて頂きたいのですが」
「なる程、では此方は如何ですか?」
サミュエルさんが、ディスプレイを操作して、画面を見せてくれる。
其処に映っているのは、幌車を引く牛のロボットだ。
「此方の牛ロボットですが、最高時速200キロ、動力は魔力エンジンを採用しており、次元収納は有りませんが、武装は自由に選んで頂けて、戦闘もある程度こなせます。幌車は次元収納付きの幌車です」
ふむ?
次元収納付きの幌車か。
「次元収納付きの幌車は、どれ位の量が入りますか?」
「そうですね。一般的な次元収納を10m³と考えて、大体300倍程です」
此れは、凄い量が入るな。
「お幾らですか?」
「有難う御座います。牛のロボットが40万円、幌車は130万円です。後は、武装費用ですね」
「では、此方を買います。後、武装は・・・」
取り敢えず、牛のロボットと幌車を購入しました。
武装は、近接戦闘用に頭の角と、両肩に魔力バルカン2門収納、両腰に超小型魔導多連装ミサイルランチャー2基収納、背中の上に魔導レールガン1丁収納、ミリィさんのお陰で大サービスして貰ったが、お金が随分減って仕舞った。
でも、後悔はしていない。
何故ならば、俺はロボットが欲しかったんだ。
いや、ホイ○イカプセルもどきも欲しいけど、やっぱりロボットが欲しいじゃん?
合体変形は、男のロマンだよね。
それに稼ぎが良ければ、すぐに買えるよ。
次の日、今度は俺一人で外に行く。
ミリィさんは用事があるそうで、河野さんの所に居る。
牛ロボットにはナビも有るから、迷う事も無く帰って来れる。
それに、次元収納付きの幌車も買ったし、一晩程度の野宿なら問題無い。
今度は、山に行こう。
山の方は、遺跡発掘の現場があるらしいが、其処は近寄らない様に遠回りして行こう。
俺は、遺跡発掘とか向いて無いと思うんだ。
壊す方が、得意だからね。
1時間ちょっとで山に到着、取り敢えず狩りを開始しますか。
キラーハウンドが居る。
コイツラは、知能が高く仲間と連携して狩りをするモンスターだ。
数匹居るのは、分かっていたが侮っていた。
まさか、10匹以上の群れが居るなんて思いもしなかった。
牛のロボットも、頑張って戦ってくれたんだよ?
所が、キラーハウンドが遠吠えしたら、出るわ出るわ。
40匹近くの群れになって、戦闘を続けていたが急に足元が無くなった。
地面が陥没して、俺と牛のロボットと幌車、後キラーハウンド1匹が穴に落ちた。




