⑤女系天皇の議論と今後のご皇室
10 女系天皇による皇統継承の問題
質問者:最後にご皇室の今後についてお願いします。
筆者:今回の小室夫妻の一件は特に皇位継承に関して大きく影響を及ぼしました。秋篠宮殿下の家系そのものに疑義が生じ、その家庭環境が“天皇陛下に相応しくない“といった論調がかなり強まったからです。
質問者:小室眞子さんの所属されていた秋篠宮家は悠仁さ――親王殿下もいらっしゃいましたよね?
筆者:悠仁親王殿下におきましては筑波大付属高校入学を巡って物議がありますからね。将来の天皇陛下だというのに何かと難癖を付けられているようで非常に不快です。
僕個人の稚拙な考えですが、本当ならご皇室の方が多く通われていた学習院付属に行って欲しかったのです。しかし、秋篠宮ご夫妻は色々学習院の教育体制に賛同できなかったという理由で通わせたくなかったようですね。
さて、これらの流れは一つの線で繋がっていると思っています。愛子内親王殿下に天皇陛下の地位を引き継がせます。そこで秋篠宮家に皇統を継承させず、愛子内親王殿下の子供若しくは結婚相手を女系天皇として継承させることによってご皇室の存在を終わらせるのです。
質問者:あの……先ほども少しお話にありましたけどそもそも女性天皇と女系天皇ってどう違うんでしょうか?
筆者:その二つはかなり似たような言葉ですので混同されがちですが、全く異なります。女性天皇そのものについては問題ないですし、ジェンダー平等が訴えられている世の中ですからね。
そもそも、愛子内親王殿下が天皇陛下としてご即位される可能性についてですが皇室典範を改正する必要はありますが十分あると個人的には思います。
ところが“女系天皇”となりますと「天皇家以外の人が天皇になる」可能性があるということを意味します。これは皇室の存亡に関わります。他の人間・他の国が日本の象徴であるご皇室を乗っ取ることが可能であるということに繋がりますからね。
つまりですね。女性天皇そのものには問題が無くても、すぐにお相手の婿様の扱いをどうするのか? という問題が発生します。女性天皇陛下が誕生すれば自ずと“女系天皇”というのは切っても切り離せない問題が生じます。
女系天皇の問題1 女系の王朝というのは長く続かない
質問者:具体的にどういうことが問題があるんですか?
筆者:世界的に見て女系の王になった際には事実上の“王朝交代”が行われていました。表面上におきましては前の王朝を引き継いでいるという形なのですが、これは中国の前の帝国から引き継ぐ“禅譲”に近いモノで実質的な繋がりは表面上のものなのです。
質問者:ですが、過去には“女性天皇”の方というのは存在したと思うのですがそれについてはどうなんですか?
筆者:日本の歴史上、延べ10代8御方が女性天皇としての事例があります。
しかし、過去の女性天皇陛下は全て1代限りでした(ご退位後、重祚の事例が2つ)。歴代の女性天皇陛下が即位した経緯については、候補者の方が全て幼少であったりしたことなどから容易に皇位継承者を決定することができない状況にあったことなどが挙げられており現在の状況とは異なるように思えます。
そもそも過去の女性天皇陛下8人のお方々は未婚若しくは寡婦のままで生涯を終えられ、お子様がいらっしゃいませんでした。そのために、女系天皇の継承というのはありませんでしたのでこの件については問題になりませんでした。
しかし、今の世の中の世界観としてご結婚を制限することは現実的ではありません。ですので、婿様の取り扱いについては確実に議論されるべき局面になります。
質問者:なるほど、歴代の女性天皇の先例では解決できない問題も多いのですね……。
女系天皇の問題点2 親王殿下が御生まれにならない場合
筆者:また婿様のご皇室に入られるかどうかについて議論になります。例えば女性天皇陛下が誕生してその前後にご結婚なされたとします。本来であれば“降嫁”という形を取っていますので婿様の扱いについては議論されてきませんでした。
親王殿下がご結婚される場合には女性の方には皇位継承権が無いために問題はありませんでした。
しかし、この問題は女性天皇陛下とお相手との間に親王殿下がお生まれにならない時に更に問題が生じます。ここにお相手の婿様が即位されるという可能性があることが“天皇家の血筋以外の者が天皇陛下になる”という可能性を生じさせるのです。
現在のところ愛子内親王殿下が天皇陛下に即位されることに関して85%が支持しているという統計情報もあります。ですが女性天皇陛下御即位のすぐ裏にこういう問題が積み上がっていることまで理解されているかどうかは怪しいです。
理解した上で愛子内親王殿下が天皇陛下になって欲しいと考えている国民がどの程度いるのかについては甚だ疑問だと言わざるを得ません。
質問者:私も“ジェンダー平等の世の中なんだから別に良いじゃない”ぐらいな感じでした……。
筆者:少なくとも記録が残っている6世紀から後では男系に基づく皇位継承がなされています。やはり“日本の文明の代表”とも言える天皇陛下の皇位継承につきましては男性の皇位継承権を持つ親王殿下がおられる限りにおいては今のままが良いのではないかと個人的には考えています。
ただし、“もしもの事態”が将来起こる可能性もあると思うので親王殿下不在で女性の内親王殿下のみになった場合について長期的に考えてじっくり議論するべきだと思いますね。
質問者:今の天皇陛下はご即位されたばかりですけど、あまり考えたくはありませんが事故などの可能性もありますからね……。
筆者:そうですね。議論は必要ではあると思います。健康で活動できるご皇室の方々の数は年々減っていっていますからね。リスクに対する対策はあらゆる分野で必要ですね。
しかし原則的には男系の継承が望ましいです。やはり“天皇陛下の父“という方が他の家系から出るというリスクというのはとても大きいです。発言力がゼロだとは思えません。
これらのことを勘案せずに“愛子内親王殿下が天皇陛下に相応しい“という理由のみで女系天皇を容認するということは、ご皇室の継続は”事実上国民によって絶たれた“と言って良いでしょうね。
質問者:なるほど……日本国民の手でご皇室が終わってしまうのは本当に悲しいですからね。
筆者:そうなんです。どういう考えがあっても良いとは思います。しかし、日本という国家観にとって危険な要素が女性天皇・女系天皇にはあるのだということを皆さんに広めていきたいですね。
この問題が複雑なのは愛子内親王殿下が天皇陛下に相応しくないから女系天皇を拒んでいるということでは決してありません。
確かに愛子内親王殿下は天皇陛下に相応しい人格と風格をお備えになっていると僕も思います。しかし、これまでの歴史と伝統、そして国体を守るために男系の継承が原則的に必要なのです。
質問者:これまでの歴史でも決して相応しいとは思えないけど男系ということで継承されたという方はいらっしゃるでしょうからね。
筆者:ちなみに話は少し逸れるんですが、僕の作品である『ディストピア生活初級入門』https://ncode.syosetu.com/n0495hm/でもご皇室は存続しているんですね。“恒平”という仮に作った元号も妄想ではあるんですが、一応は年号にありそうな漢字でありながら、他の国の元号が無いかどうか調査したんです。
まぁ、ご皇室が酷い目に遭ったりしたら問題なので本編には出てこないとは思いますけどね。
質問者:あ、確かにいちいち日付の2055年の隣に書いてありますね。そう言うことだったんですか……。
筆者:ええ、密かにご皇室を大切に思う僕の少しばかりの心遣いです。例えどんな世界になってもご皇室だけは続いて欲しいという想いが密かに込められています。
質問者:あ、そうだったんですね。
筆者:という訳で今回はここまでにします。今後もこういった日本や世界で発生している問題点を分析:解説していきたいと考えていますのでどうぞよろしくお願いします。ここまでお読みいただき本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました