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③ご皇室の存在意義

6 一度失ってしまえばご皇室はまず戻ってこない


 質問者:なるほど、この小室夫妻の一件からご皇室へ予算・血税を投入するのはどうなのか? という問題にも発展していくのですね。


 筆者:そうなります。僕が一番懸念しているのはそこなんですよね。

 日本国憲法1条には『天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。』とあります。

この中で天皇陛下が象徴として国民の中で“総意”とは言えなくなってしまった場合。果たして天皇陛下のお立場やご皇室の存続が危ぶまれてしまうのではないかと大きく懸念しているのです。

この1条の中での“総意”というのは“国民全員”という意味するわけではありませんが、国民の大多数の人が賛成している状態だと認識しております。その数が具体的に何人と断言することは出来ないのですが、最低でも憲法改正に必要な“国民投票の過半数”がデッドラインとも言えるでしょうかね。


質問者:当たり前だと思っていたご皇室も憲法改正によって廃止されてしまう可能性があるんですね。


筆者:そうなんです。日本国憲法改正によって天皇制そのものの廃止というのは理論上可能になっていますからね。

普通の制度でしたら一旦廃止したりしても何年か経った後に戻せます。それも大変なことですけどね。

しかし、ご皇室を廃止した場合戻すことは不可能に近いです。一度皇籍から離れた家をご皇室の宮家に戻すことだって不可能に近いほど難しいですからね。


質問者:あのぅ……そもそものお話なんですけど“ご皇室が無くなった場合取り戻せない”という話だったんですが、そもそもご皇室って必要なんですか? やっぱり、時代に合わせて無くなるものとかあると思うんですが……。


筆者:いえ! 絶対にご皇室は必要です!!!!!(バシンッ! 机を盛大に叩く音)


質問者:か、顔が近いです……み、耳が痛いです……。


筆者:コホン。あ、すみません。一般的に“あるとプラスだと分かるもの”に関しては「無くなってしまう状態」が容易に想像つきます。例えば“近くのコンビニや駅が無くなったら不便になる”と言った状態です。

 しかし、“あってもプラスかどうか分からない(分かりにくい)モノ”で“無いと大きくマイナスになる”という事柄に関しては無くなった後にしかその損失について分からないのです。特に有形の存在でありながら無形の価値を創造している存在だと無くならないとその価値は分からないと言えます。


質問者:ご皇室はそう言うモノに当たるという訳なんですね?


筆者:そういうことです。厄介なのが“あってもプラスかどうか分からない(分かりにくい)モノ”で“無くなっても別に殆どマイナスにならない”というのも確かに存在しますからそれと区別がつきにくいということです。

 他の例としては国の予算ですと“国防費“などもそれにあたると思います。国防に関しては有事以外においてはそれほど活躍する場面が災害時ぐらいしかありません。そのために、平和が長く続けば続くほど「国防費は本当に必要なのか?」と言われてしまいます。しかし昨今のロシアとウクライナの問題において日本の国防を強化することがいかに大事かが世間的にも把握されつつあります。


質問者:なるほど……EU各国でも予算を増やそうという流れになっていて世論も同調しているようですからね。


筆者:ご皇室に関しては国防よりも“存在していることの価値“が分かりにくいように感じます。世界においても似たような王室が残っている国は少ないですし、王室がある国と無い国において”明確な差があるようには思えない“という認識があると思うからです。

しかし、冷静になって分析してみればいかにご皇室が日本国にとって絶大な貢献をしているかについてこれから挙げていきたいと思います。



7ご皇室の存在意義

質問者:そもそもの話なんですけど、ご皇室の方々って何の仕事をしているんですか?


筆者:“ご公務“ですね。まず天皇陛下独自のご公務として国事行為があります。

天皇陛下は憲法に定められた国事行為をなさっています。ですが主に、”認証“や”任命”といった間接的・儀礼的な事しか行いません。直接的に指名・決定することは内閣総理大臣が助言と承認を行っています。


質問者:権力的な活動は無いんですか?


筆者:日本国憲法になった時点で象徴天皇制になっています。ですから形式的な儀式を執り行っていると思っていただいて構いません。

 他の皇族の方々と共通のご公務としては全国各地の式典への出席。災害地へのご訪問、外国へのご訪問、宮中の祭祀などがあります。


質問者:ふぅん……ですが、政治的な意味が無いのならそれなら尚更存在していることに意味を感じないんですが……。


筆者:そう言った誤解がありますね。中には“選挙権など制限からの復帰や皆から注目されるのを解き放たれる“と言った大義名分を掲げている勢力もいます。


質問者:良い事のように聞こえますけどね。


筆者:建前だけを見れば良く聞こえるというのはよくあることです。しかし、皇族の方々ように“中立的な立場の人間“というのが必要な場合があるのです。


質問者:どういうことでしょうか?


筆者:例えば公的行事の場合において大臣など大物政治家が出席することによってその主催する組織の“格”というものを現すことが出来ます。しかしながら、公共性が高い行事に関しては政治家が出席することにより選挙前だと特に“選挙アピール”だと捉えられる場合があります。


質問者:なるほど……ご皇室の方々が出席することにより政治的側面が軽減されるのですね。


筆者:ええ、そうなります。また被災地などで苦労されている方々を慰労することによって、勇気づけられます。日本の象徴たるご皇室の方々がこられることはいかなる有名人でも超えることが出来ないのです。

 これは儀礼的な存在とはいえ元首であるイギリス王室とも立場が違った場所にいるように思えますね。日本の場合は第二次世界大戦後に変化したという特殊事情もありますけどね。

 

質問者:つまりは、政治的な発言が禁止されたり、投票権などが無いということも必然的なわけなのですね?


筆者:ええ、別にご皇室の方々を差別しているわけでは無く“そう言った特殊なお立場”であるということを示したものなのです。ご皇室の方々が苗字を持っていないのも特殊なお立場を現していると言えます。


質問者:えっ! 苗字が無いんですか!?


筆者:これも勘違いされていることなんですけど“秋篠宮家”などと一般的にも使う言葉なんですがこの“秋篠宮”というのは宮家の称号のことなんですね。

 そもそもご皇室には特殊な事情から普通の人の戸籍ではなく皇統譜という特殊な戸籍のようなものに記録されています。


質問者:そう言った事情があったんですね……。


筆者:ご皇室の方々はそう言うことも理解された上で、誇りと責任を持ちながらご公務に臨まれているのだと思っております。次に歴史的・外交的役割について紹介していきます。

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