表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/16

♥ 嗚呼っ、婚約破棄!! 7


 トゥヱにお願いをして、シモベさん達にワタシの婚約者である殿方の動向を偵察してもらいました。


 殿方は誠実な方でした。


 “ でした ” なので過去形です。


 ワタシと会わないあいだ、殿方はワタシ意外の独身女性(貴族令嬢)と仲睦まじく過ごしているという報告をトゥヱをつうじて聞きました。


 殿方と貴族令嬢は、とても親しそうに笑い合い、楽しそうにデートを繰り返しているという報告もトゥヱをつうじて聞きました。


 これはしても殿方から婚約破棄をされる流れとなる予感がします。


 ワタシはトゥヱにお願いをして、ワタシに婚約を申し込んでている全ての殿方の身辺調査をシモベさんにしてもらう事にしました。


 ワタシは殿方がような方なのか一切知りません。


 殿方の情報はなに1つ、ワタシに入ってないからです。


 トゥヱはワタシの “ いけない ” 我が儘を聞いてくれました。


 新しいシモベさんを呼び出して、殿方達の身辺調査をしてくれる事になりました。











トゥヱ

「 トレス、気を落とすな。

  人間の男にこだわる必要もなかろう 」


トメリロレンス

「 トゥヱ…? 」


トゥヱ

「 トレスへ婚約を申し込んでた男どもの資料だ。

  トレスが読めるように大陸語に翻訳したぞ 」


トメリロレンス

がとう、トゥヱ 」


 ワタシはトゥヱが用意してくれた資料に目をとおす事にしました。


 どの殿方も真面目で誠実で、女性とは縁のない男性である事が分かりました。


 彼等ならば、ワタシ意外の貴族令嬢と婚約してもく行くと思えてしまいます。


 そのような彼が、揃いも揃って伯爵令嬢のワタシと婚約をしたがるのでしょうか??


トメリロレンス

「 トゥヱ…分からない事があるの 」


トゥヱ

なにが分からぬのだ、トレスよ 」


 ソファーの上に座り、資料に目をとおして読んでいるワタシの左横に座っている人型をしたトゥヱが不思議そうにワタシをろしながら聞いてます。


トメリロレンス

「 過去にワタシの婚約者だった殿方達の資料を読ませていただいているのだけど……、ワタシと婚約する前の殿方は女性と一切関わりがないのに、ワタシと婚約をして婚約者となった日をさかいにして、嘘のように女性との関わりが増えているのです。

  これはどういう事なのかしら??

  資料を読む限り、ワタシと婚約前の殿方を好いている女性の事が一言も書かれていないの。

  それなのに、ワタシと婚約をした途端、翌日には嘘のように殿方に関わろうとする貴族令嬢が日に日に増えているの。

  今まで見向きもしなかった殿方へ積極的に近付いて親しくなろうと攻めているみたいです。

  これはどういう事なのかしら?? 」


トゥヱ

「 ふむ…確かに妙ではあるな。

  女どもに全く見向きもされず、女どもから相手にもされなかった冴えない男どもが──、トレスの婚約者となった途端に女どもの方から男どもへ近付き積極的に関係を求めるようになる──か。

  なにかあるのやも知れんな 」


トメリロレンス

「 …………やはりワタシはなにかに取り憑かれているのかしら…?? 」


トゥヱ

「 トレス、それはない。

  心配するな。

  われが気に食わんのは、男どもわれのトレスにばかり求婚を申し込んでる事だ。

  ほかにも求婚の出来る女どもると言うに、トレスにばかり求婚してるのか…。

  気に入らん 」


トメリロレンス

「 トゥヱ… 」


トゥヱ

「 この屋敷にる限り、トレスは婚約を受け続ける事になる。

  いっその事、屋敷を出て暮らしてはどうだ? 」


トメリロレンス

「 え? 」


トゥヱ

「 屋敷を出て行くのだ。

  長女も嫁いで出て行ったであろう。

  トレスから略奪した婚約者と交際している妹がるのだ。

  屋敷の全てを妹へ任せ、トレスはわれと屋敷を出ればいい 」


トメリロレンス

「 …………そんな事…考えもしなかったわ…。

  屋敷を出るなんて……。

  でも…なければ、殿方と婚約をさせられる事はないわね。

  トゥヱ、屋敷を出たあとはどうするの? 」


トゥヱ

われに任せよ。

  連れ戻されても困る故、他国へ行く。

  他国で自由を謳歌すればい 」


トメリロレンス

「 トゥヱがてくれたら心強いわね。

  出て行くとしても、急にはしましょう。

  旅支度をしたいわね。

  1週間程の旅行に行きたい事をお父様とお母様に話してみるわ 」


トゥヱ

「 そうか。

  騒ぎになると面倒ではあるな。

  穏便に出て行けるなら、それに越した事はないな 」


トメリロレンス

「 早速、旅支度を始めましょう。

  なんだかワクワクしてたわ♪ 」


 こうしてワタシはトゥヱの提案に乗る事にしました。


 婚約しては、破棄される事が繰り返される暮らしはり。


 これからは婚約とも婚約破棄とも無縁な生活を新しい場所で心機一転して生きる事にしました。


 トゥヱがてくれてほんとうかった。












 旅支度を済ませたワタシは、夕食ディナーに両親へ1週間程の旅行をしたい事を伝えました。


 渋っていたお父様でしたけど、お母様がお父様を説得してくれたお蔭で、旅行に行く許可が取れました。


 早速、の早朝に屋敷を出て旅行へ向かう事を話すと、お父様はショックを受けたのか倒れてしまいました。


 お母様は「 お父様はむすめ離れが出来ていないだけよ 」と笑いながらワタシに言うと、「 心配しないで楽しんでなさい 」と笑顔で言ってくれました。


 お母様……がとう御座います。


 お父様……今まで伯爵令嬢として育ててくれてがとう御座いました。


 ワタシ、トメリロレンス・ヒルトクッグは、の早朝、ヒルトクッグ領を出て、他国で暮らします。


 他国に入る前に家族宛に手紙を書いて出しますね。


 自室へ戻るワタシの足取りは自分でも不思議なぐらいに軽かったです。


 まるで自由の空へ羽ばたける翼を手に入れた人鳥族になったみたいです。


 心が躍る──とは、このような状態の事を言うのでしょうか??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ