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「……よくぞ余を倒した」
そして時は流れ……
「よくぞ……よくぞ余を打ち倒した。だが……人間の心に悪がある限り、余は必ず蘇る……フハハ……ハーッハッハッハッハ!!!」
魔王は最後まで笑いながら倒れる。
静寂を取り戻し行く場内に、その叫びにも似た笑いは不気味に響くのだった……
「お見事です魔王様!完璧なラストでございます!」
演出の大魔導師。BGM担当のセイレーン。観客のゴーストなど様々な魔物たちが拍手を送った。
「……いや、まだだ。もし戦闘の傷のせいで気道に血が詰まったらスムーズに台詞を発せぬかもしれん」
「盲点でございました。その場合の演出も想定しておかねば」
「よし、早急に皆を集めよ」
「はっ!」
会議から数か月。
勇者は未だ現れない。




