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2 変化の祖

少女は私を見つめこう言った。

「お前の名は?」

「え?名前?」

私は困惑した。なぜ名前をいきなり聞いてくるの?それにこっちが聞きたいくらいだ。だが。

「それよりも助けてぇ!!!寒くて死にそうなの〜!!!」

細かい事は置いといて、私は涙目でとりあえず少女に助けを求めた。年下の女の子にみっともない。だが、今は気にしてる場合じゃない。寒さで顎が震える。

「ついてこい。」

少女?は私の手を引いた。肉球がぷにぷにしてて暖かい。

助かった。

ついて行った先は、小さな小屋だ。

中は囲炉裏があって、動物の毛皮や、干した肉などが壁に掛けられていた。それに何より

「暖かーい!!!!」

パチパチと音を立てながら揺れている火の温もりに浸っていると、

「ほれ、これのむのじゃ。」

少女?が干し肉のスープを出してきた。

「ありがとう〜!!君は命の恩人だよー!」

私は感謝しながらスープをもらう。

スープの湯気が視界を滲ませる。

あぁ、生きてる。私は生まれて初めて心から生きていることに感謝した。

「、どういたしましてなのじゃ。それで?お前は何者なのじゃ?名前はなんなのじゃ?」

少女は真っ直ぐ私の方を見た。少女とは思えない貫禄だ

「えっと、私は余市麗。えっと、日本という国にすんでて、オーロラを見てたらいきなり意識を失って、目覚めたらここにいて、」

うまく説明できない。色んな事が起こりすぎて

「ん?。日本という国名は聞いた事無いのぅ?それにオーロラ?おぬしはこの地域の出身じゃない上に突然ここに来たとな。おぬしはどうやらノルア病には掛かっておらぬようじゃが。」

ノルア病?

インフルエンザみたいな流行りの病気みたいなものだろうか?だが、そんな事よりも。

やっぱりだ。ここは日本じゃない。なにより。この、少女の見た目をみればわかる。この生物は地球上に存在しない。多分。つまりこの世界は私の知っている世界とは違うかもしれない。

「日本っていうのは私が居た国なんだけど、ここは一体どこなの?」

「ここはレニアンなのじゃ。大陸図で見たら西の方にある地域じゃ。」

やはり聞いた事のない地名。これが異世界転移ってやつだろうか。

「へぇー所で君の名前は?そういえば聞いてなかったよね?」

「そういえばそうだったのぅ。」

少女は立ち上がり、火が揺れた。彼女の影が壁に伸び、牛にも兎にも虎にも見える形に歪む。

「わらわの名は!変化の祖!ミクトレニアン!」

ミクトは胸を張ってそう名乗った。

「えっと、へんげの祖?」

私は首を傾げた。

「え!?!?お前知らぬのか!?この、わらわの事を!?お前は本当に無知なのじゃ!!!」

ミクトは目を潤ませ、頬を膨らました。

「変化の祖とはわらわの異名なのじゃ!みておれ!」

ミクトは四つん這いになった。すると突然、ミクトが小さなネズミになった。私は驚いて思わず持っていた器を落としてしまった。

「どうじゃ?すごいじゃろ?これだけじゃないぞ?」

それからミクトは色々な動物に変化した。牛や、馬、猿など様々だ。

「ミクトすごい!どうやってるの!?やっぱり魔法?」

私は拍手した。大道芸を見ている気分だ。

「まほう?そんなものはしらぬが、この力はわらわが生まれ持っているものじゃ。」

ミクトはドヤ顔だ。ある程度ミクトの能力を見た後、私達は談笑をした。

「おぬし、帰る所はあるのか?おぬしの国名も聞いた事もないしのう?今日中には帰れまい。」

ミクトは外を見る。真っ暗なうえに大吹雪だ。家の明るさで雪が光っている。私は1呼吸置いて、

「あのね、ミクト。私はどうやらこの世界の人間じゃなくて、別の世界、異世界から来たみたいなの。」

ミクトに告げた。ミクトの現実からかけ離れたこの姿に、まるで魔法のような力。きっとここは異世界だろう。多分。

私の言葉を聞いたミクトは驚く様子もなく、冷静だ。

「やはりお前はこの世界の人間じゃないのか。じゃがな、不可解な点がたくさんある。じゃが、もう暗いし夜更かしも良くないのじゃ。そろそろ寝るぞ。」

ミクトはその場で丸くなる。私は布団とかないのかなとか、ご飯スープだけなんだとか思う所が沢山あったが、暖かい所で寝れるだけマシか。と心の中に閉まっておいた。

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