47.華弧の勧誘
怪良、作者のお気に入りになりつつあります。
(一条院 宗雪視点)
「……さて、気を取り直して中間試験最終日も頑張るぞ!」
「いや、無理っすよ!」
「無理なのだ!」
……うん、俺様もその気持ちは痛い程に分かる。
多分、前世の俺様もそう言ってる側だ。
だが、今世の俺様は違う。
「今日さえ終われば、しばらく試験はねぇ。……それに、体育祭も5月後半にあるだろ?」
「そ、そうっすね!……そういや、練習何もしてないっすけど大丈夫なんすか?」
「基本的に、退魔師の体育祭は派手になるからな……練習なんてしてたら、被害が馬鹿デカくなるんだよ」
実際、原作ゲームの体育祭は割とボロボロな惨状になってたからな……
練習でもあんな事になったら、修繕費がヤバくなるってもんだ。
「……ま、ウチとしては去年の惨劇さえ繰り返さんとええんやけどな~……」
「な、何があったんだァ?」
「……当時2年生やった蘭子はんが、3年生すら蹂躙して無双してもうてな~……」
「そ、それは……大変だったんだろうな……」
四美院 蘭子……彼女もまた、俺様より強ぇ人間の1人だ。
四美院家当主を父に持ち、美乱御前を母に持つ、究極のハイブリッド……それが四美院 蘭子という女だ。
「ま、体育祭について話すんは中間試験が終わった後にしよや。……少なくとも、夏芽はんと萌音はんはそれどころやないやろ?」
「「うっ……」」
そうして、俺様達は中間試験に挑んだ。
……項垂れる夏芽と萌音を横目で見ながら……
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(怪良視点)
「ん……怪良……大丈夫?」
「いや、何というか……結構気まずいケラ……」
かつて美乱御前様と肩を並べて戦ったとか言ってたケラが……美乱御前様からはそんな話は全く聞いてないケラよ?
「ん……もしかして……疑ってる?」
「当たり前ケラ!……そもそも、美乱御前様からお前の話なんて聞いてないケラ!」
「ん……それは当然……美乱は……復讐の道を……歩むにあたって……他人に私達の関係を……話さないって……約束したから……」
「た、他人……そうケラよな……所詮、私達は只の世話係でしかないケラよね……」
分かってはいたケラ……
美乱御前様がいくら私達を大事に思っていても、所詮は主人と世話係の関係でしかないケラ。
そんな私達が、美乱御前様の過去を知ろうだなんて、烏滸がましいにも程があったケラ……
……そう思っていると、華弧が口を開いて……
「ん……怪良は……どうして……美乱の部下に……なったの?」
「どうしてケラか?……それは……」
……思い返せば、あれからだいぶ経つケラな~。
「ん……話せないなら……別に良い……」
「いや、言うケラ。……あれは、だいたい20年前だったケラ……」
20年……美乱御前様自身が殆んど表に出なかったとはいえ、よく退魔師共にバレずに過ごせたケラね……
「ん……それで?」
「……私は、路地裏で行き倒れてたケラ……」
よく、あの世の使い扱いされる事もあるしょうけらケラが……そんなのごく一握りだケラ。
殆んどのしょうけらは、ひっそりと生き抜く事しか出来ない雑魚妖でしかないケラ……
「ん……で?」
「そこを拾われたケラ。……その時にはもう津螺も訃羅も居て、3人の中では1番新入りだったケラ」
……3人の中で1番の新入り……
美乱御前様はそんなの気にせず、3人平等に甘やかしてくれたケラが……いや、そもそも世話係が甘やかされるって何ケラか!?
「ん……それでも……蘭子に……比べたら……お姉さん」
「……それ、誰ケラか?」
「ん……四美院……蘭子……四美院家……当主と……美乱が……ワンナイトラブして……産まれた……子供……」
「いや、初耳ケラよ!?」
え、美乱御前様って子供居たんケラか!?
「ん……今……ここの……3年生……」
「えぇ……いや、そいつのお姉さんって言われても困るケラよ……」
「ん……なら……見てみる?」
「……いや、良いケラ」
そいつを見たとしても、私の気が晴れる訳じゃないケラ。
でも……
「……ここに居る奴等、皆楽しそうケラね……」
生徒指導室の前を通る生徒達の声は、かなり明るかったケラ。
「ん……でも……現実は……そう甘くない」
「……どういう意味ケラ?」
「ん……退魔師は……実力主義……弱者は……虐めの……的になる……」
「……やっぱり、人間も妖もそこは変わらないんケラね……」
実力主義……
でも、私はそれが弱者を虐げる理由になるとは思えないケラ。
「ん……例え……虐めが……起こっても……私達は……不干渉……」
「やっぱり、お前達は弱者の味方じゃないケラね」
「ん……そういう……博愛精神は……美乱に……期待して……欲しい……」
「……言われなくても分かってるケラ!」
……でも、逆に言えば強ければ高校生活は楽しいって事ケラよね?
「ん……ちなみに……怪良は……強者側……」
「ケラ!?……でも、空助には勝ててないケラよ?」
「その……空助も……強者側……」
「……だと思ったケラ……」
でも、私も強者側とは思わなかったケラ……
「ん……だから……私達は……いつでも……歓迎する」
「いや、何が"だから"ケラか!?」
何も"だから"に繋がってないケラ……
「むう……まあ……考えておいて」
「何をケラか!?」
「じゃあ……もう……帰って……良いよ」
「いや、まだ聞かせて貰いたい事があるケラ!」
何をいきなり帰そうとしてるケラか!?
「ん……知りたかったら……また来て」
「え、それってどういう事ケラ?」
「それは……怪良……次第……」
ーフワフワ……
「ケラっ!?……は、離せケラ!」
「ん……離さない」
「な、何をするケラか!?」
結局、私はここまで訳の分からない話を聞かされた挙げ句、強制的に浮かされたケラ。
そして……
「ん……編入生……いつでも……大歓迎……」
ーガラガラ……
「え、いきなり窓開けてどうしたケ……」
「お帰りは……あちら……」
ービュン!
「ラっ!?」
ーフッ……
……そうして私は開いた窓から高速で射出され、高校の敷地外に吹き飛ばされたのだったケラ……
それから数十分後……
「ハァ……ハァ……ひ、酷い目に遭ったケラ……」
あいつ、マジで私を窓から吹き飛ばしやがったケラ。
「お、戻って来たでありんすね」
「遅かったですツラね……」
「これで懲りたフラ?」
「……取り敢えず、何があったか言うケラ……」
美乱御前様達に出迎えられた私は愚痴る様に、空助を見つけてからの経緯を吐き出したケラ。
すると……
「え、それは初耳ですツラ……」
「ど、どういう事フラ!?」
やっぱり、津螺も訃羅も美乱御前様の過去は知らなかったケラか……
「え、えっとそれは……あっ!……怪良、他に何か言いたい事はあるでありんすか!?」
あ、話を逸らしたケラ……
でもまあ、言いたい事ケラか……
「美乱御前様、1つお願いをしても良いケラか?」
「何でありんすか?」
あの華弧とやらの狙いが何かは知らないケラが……
その誘い、乗ってやるケラ!
「実は……」
そうして私は、美乱御前様にお願いをしたケラ。
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(翌日、一条院 宗雪視点)
「昨日は散々だったな」
「そうだなァ」
昨日、中間試験も終わって生徒指導室に怪良を回収しに行ったら……
まさか華弧さんが既に帰してたとか、マジふざけんなって思ったよな……
「あぁぁぁぁぁ~!……テストが返って来るっすぅぅぅぅぅぅぅ~!」
「嫌なのだぁぁぁぁぁ~!」
ああ、点数悲惨組は俺様の話なんて聞かずに嘆いてやがる……
と、その時……
ーガラガラガラ……
「こほん、突然でござるが……季節外れの編入生でござる!」
「ん?……そんなイベ……いや、予知はなかった筈なんだが?」
突然発表された季節外れの編入生。
だが、原作ゲームにそんなイベントはなかった筈だよな?
「じゃあ、入って来るでござる」
「はいケラ!」
……ん?
"けら"って言ったか?
……って、待てや!
「おいおい、マジかよ……」
入って来た編入生は、茶色の長髪と露出多めな改造制服が特徴的な……
「私の名前は天狐 怪良だケラ!……あ、制服の改造は校則の範囲内だから誤解するんじゃないケラよ!」
……地肌を黄緑色から肌色に変えた怪良だった……
ご読了ありがとうございます。
怪良、人間に化けて編入です!
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




