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43.箱根旅の終わり

前回の更新時に「妹の勇者召喚に巻き込まれたら、まさかの獲得スキルが【補助全般】だった……いやこれ、他者を強くすれば無問題じゃね?……な異世界冒険録」の執筆に専念すると書きましたが、何故かアイデアが湧いてしまったので更新しました。


後、X(※旧Twitter)でどのヒロインが好きかのアンケートをとっていますので、是非選択してください。

(五知院 綾香視点)


……ん?


何や、変な感じがするわ~。


「……おい沙耶花、自分が何を言ってるのか分かってんのか?」


「当然でございます!……もう、お兄様にはうんざりだと……」


「馬鹿な事言ってんじゃねぇ!」


ーパチン!


「……うぐっ!」


いや、何で宗雪はんが沙耶花はんに暴行を……


……って、そういや桜はんや夏芽はんから聞いとったっけ……


宗雪はんが予知夢を見ぃへんかった世界線の夢……


これがその夢かいな。


「……ほんま、屑やわ~」


ウチの口が勝手に動く。


でも、ウチも同感やった。


少なくとも、あんな宗雪はんとは婚約したぁないってレベルには……


ま、夢やと分かっとるからノーダメージやけど。


……いやいや、そんな事はどうでもええ。


さっさと夢から覚めへんと!


……………………


……………


……



「zzz……zzz……んん?」


ーパチリ……


そうしてウチは目覚めた。


そして、ウチの周りには……


「zzz……zzz……お、俺様はもう無理だ……」


「zzz……zzz……相棒(ダーリン)、大好きだぜ……」


「zzz……zzz……後1セットっす……」


宗雪はん、桜はん、夏芽はんの3人が、生まれた(・・・・)()()()姿()で寝とった。


……まあ、ウチも同じ姿なんやけど……


「……ほんま、ウチは幸せ者やな~」


この世界線の宗雪はんと出会えた事自体が幸運やったんやろうな~。


……それにしても、初体験は色々と忘れられへんもんになったわ……


そう思っとると……


「zzz……zzz……ぐがァ!?」


「あ、桜はんが先に起きるんやな……」


寝とった3人の内、桜はんが目を覚ましはった。


「んあァ?……あァ、綾香かァ……」


「……宗雪はんはともかく、桜はんまでウチを呼び捨てにするんかいな……ウチ、これでも先輩やで?」


「別に良いだろォ?」


「まあええけど……」


桜はん、ホンマに可愛げあらへんな~。


でも、それはそれでええかもな。


……この際、もう少し仲良うなりたいわ~。


「……おい、オレの顔に何か付いてるかァ?」


あ、桜はんの事凝視しとったんバレてもうた。


「別に何でもあらへんよ?……ただ、ちょいと一緒に朝風呂でもどうかと思って話しかけるタイミングを探っとっただけで……」


「お、良いなァ。……じゃ、昨夜ぶりの裸の付き合いと行くかァ!」


「せ、せやな……」


そうしてウチは桜はんと一緒に、この部屋に備え付けられとる浴室に向かったんやった。


……秘密の話をするために……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(数分後、九相院 桜視点)


湯船にて……


ーカポ~ン……


「はァ~!……やっぱ朝風呂も最高だなァ!」


「ウチも同感やわ~」


まさか綾香から朝風呂の誘いを受けるとは思ってなかったが、これはこれで良いもんだなァ。


ま、それだけじゃねぇのはお見通しだがなァ。


「……で、何を話してぇんだァ?」


「あ、気付いとったん?」


「オレを馬鹿にすんじゃねぇよォ。……何か話してぇ事があるのは見てりゃ分かるってもんよォ」


「そ、そうなんやな……」


……ま、何となく綾香が言おうとしてる事も予想出来てるんだがなァ……


「さ、早く言ってみろ」


「……ほな、単刀直入に聞くわ。……桜はんって、()()()()()()()()"()()()"()()?」


……やっぱり、気付かれちまったかァ……


「ちなみに聞くが、どうしてそう思ったんだァ?」


「……ウチは今回、春銭太夫から"銭目の呪い"を引き継ぐ事になってもうたんやけど、その時にウチはこれまでの呪い保持者の記憶も覗き見た……ってのは流石に理解しとるよな?」


「あァ」


「その記憶にあったんよ。……血染桜が八妖将を裏切って、大豪林主封印に関わったって報告を聞いとる場面がな」


……やっぱ、記憶を引き継いだ影響かァ……


しかし、春銭太夫にまで報告が渡ってたとはなァ。


「……それだけで判断したのかァ?」


「いや、その時点では疑念でしかなかったんや。……せやけど、今カマをかけてみて確信したわ」


「……そうかよォ……」


「……ホンマ、なんやな?」


今更誤魔化す必要もねぇなァ。


「……ああ、本当だなァ」


「ちなみに、宗雪はんはこれ……」


「知ってるに決まってるだろォ?……寧ろ、それを知った上でオレを婚約者にしやがったからなァ?」


「えぇ……宗雪はん、何を思てそんな事……」


それはオレも同意見だ。


……ただまあ、相棒(ダーリン)が予知夢だかお告げだかで見たオレの末路に納得出来なかったってのは容易に想像出来ちまうのが何とも言えねぇよなァ……


「……ま、詳しく話すとだなァ……」


「お、聞かせてくれるん?」


「あァ。……あれは確か……」


そうしてオレは、当時の事を何一つ包み隠さず綾香に話した。


そして話し終えると……


「……宗雪はんらしいと言えばらしいんやけど……説得に失敗しとったらどうするつもりやったんや!」


「本当にそれなんだよなァ……」


この話を共有出来るとは思ってなかったから、ぶっちゃけオレとしても話に華が咲いちまう。


「……っちゅうか、それで八妖将を裏切る桜はんも桜はんやで!?」


「そうは言うが、自分を殺した相手に仕え続けるなんて嫌だろォ?」


「せやけど!……後、何気に八妖将がボロボロになった理由は桜はんやったんか!?」


「まァ、オレの離反が全ての始まりだよなァ……」


オレが八妖将を離反した結果が今の混沌とした八妖将の状況に繋がると考えたら、完全にオレのせいだとしか言えねぇんだよなァ……


「ハァ……ハァ……もう、これ以上はあらへんよな?」


「流石にねぇよ。……ま、これで綾香の知りたかった事は聞けたかァ?」


「充分過ぎる程聞けたわ。……興奮したら暑くなって来たさかい、そろそろ出よか?」


「そうだなァ」


そうしてオレ達は湯船から出て、浴室を後にするのだった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(数時間後、一条院 宗雪視点)


「じゃあ、土産も買ったし帰るか」


「そうだなァ」


「そうやね~」


「……ん?……起きてから思ってたんすけど、桜先輩も綾香先輩も急に距離感が縮まってる様な……」


「仮にそうやったとしても、今の文脈で言うんはおかしいやろ」


……起床し、土産も買い、帰ろうかという頃。


不意に夏芽が桜と綾香の距離感について話し出した。


「後、どっちも先輩って付けるとややこしくなっちまうだろォ?……オレとは同学年なんだから、先輩付けは辞めろって何度も……」


「あ、ごめんっす!」


……あれ、何か距離感云々がどっか行ったな……


ま、仲良くなってくれたなら良いんだが……


と、ここで沙耶花が口を開き……


「……では夏芽様に萌音様、帰りの新幹線も勉強三昧にさせていただきますね?」


「僕も手伝いますよ」


「「え?……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!?」」


夏芽と萌音、帰りも沙耶花に勉強させられるのか……


まあ、明日から中間試験だしな……


俺様も勉強しとかねぇとな。


「じゃあ、そういう事で帰るぞ!」


こうして、俺様達による1泊2日の珍道中は幕を閉じた。


しかし、俺様は見ない様にしていた。


この一件もまた、別の事件に繋がって行くのだという事を……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(俯瞰(ふかん)視点)


その男は1人、路地裏を歩いていた。


「……それにしても春銭太夫さん、さっさと【催眠眼】を使えば勝ち確だったでヤンスのに……変にプライドがあったからか最期まで【光線眼】で押し通そうとしてたでヤンスね~。……それが原因で死ぬとかしょうもないでヤンスよ」


その男……秋楽は春銭太夫の敗因をプライドによるものだと判断し、小馬鹿にしていた。


「……とはいえ、四鬼が1人欠けたのも事実。……ちょっと報復でもしてみるでヤンスかね」


そう呟いた秋楽の手には、それぞれ西洋人形と市松人形が握られていた。


「メレリーさんと松夜(まつよ)さん……後は頼んだでヤンスよ?」


秋楽がそう呟くと、両手に持っていた筈の人形が何故か消え失せた。


「さてさて、鬼が出るか蛇が出るか……楽しみでヤンスね~」


そうして秋楽はウキウキしながら、路地裏の闇へと消えた。


……新たな火種を残しながら……

ご読了ありがとうございます。


新たな火種は2体の人形……


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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