44.怪良のリベンジ
幕間的な話がしばらく続きます。
主に空助、沙耶花、怪良の3人が中心になります。
(前話の3日後、怪良視点)
朝5時、ここから私達の朝は始まるケラ。
『いっちに~さ~んっし~……ご~ろっくし~ちは~ち……に~にっさ~んっし~……ご~ろっくし~ちは~ち……』
「……おやまぁ、朝から精が出るわね~」
「あ、大家でありんすか。……今日こそ一緒にどうでありんすか?」
「年寄りに無理言うもんじゃないよ~」
朝のラジオ体操を美乱雑技団全員でやりつつ、美乱御前様は大家のお婆さんをラジオ体操に誘ってたケラ。
ちなみに私達は今、美乱御前様の術で人間の姿に変身してたケラ。
「……つれないでありんすね~。……ま、別に良いでありんす」
「……では、早速続きをするフラ!」
「そうでありんすね」
その後、私達はラジオ体操を続けたケラ。
……それはそうと、私には最近気になってる事があるケラ……
「……美乱御前様、少し良いケラか?」
「ん?……怪良、どうしたでありんすか?」
私は美乱御前様に話しかけたケラ。
「……私は、どうやったら強くなれると思うケラ?」
「え、本当にどうしたでありんすか!?」
……まあ、脈絡もなくこんな事を言い出したら驚くケラよな……
「……私は津螺みたいにつららを作る事も、訃羅みたいに呪いの恋文を操る事も出来ないケラ……」
「怪良……」
「それこそ、持ってる能力は異常なまでの視力の良さだけケラ!」
「そ、それも大概な能力でありんすけどね……」
……改めて考えると、私の能力だけしょぼいケラ!
「……しかも、それに加えて短刀を扱う腕も未熟と来たケラ……もう、どうしたら良いケラか?」
「ふむふむ……なるほど、怪良は強くなりたいんでありんすね?」
「そういう事だケラ!」
「……となると……あの方法が良いでありんすね」
……美乱御前様、何か方法を思いついたケラか?
「いったい、私は何をしたら良いケラか!?」
「この場合は……切磋琢磨出来る好敵手を見つけるでありんす!」
「切磋琢磨出来る……好敵手ケラ?」
え、いきなり何を言ってるケラか?
「昔から、好敵手はお互いに追い付こうとそれぞれ強くなり続けるって決まってるんでありんす!」
「……なら、私の好敵手は誰ケラ?……津螺と訃羅ケラか?」
「いや、その2人と怪良は戦法が違い過ぎるでありんすよ。……例えば、怪良がどうしても負けたくないって思う相手は誰でありんすか?」
「私が負けたくない相手ケラか?」
私が負けたくない相手……
そんなの、1人しか居ないケラ!
「お、見つけたでありんすね?」
「確か……あの透明野郎、空助とか呼ばれてたケラね」
今思い返しても、あの時の敗北は苛つくケラ!
「え、あの時ボロ負けした相手ですツラか!?」
「それを好敵手って……自惚れ過ぎだフラ!」
……どうも、津螺と訃羅はあの時の敗北をあまり引き摺っていないみたいだケラな……
でも、私は未だにやり返したいと思ってるケラ!
「いいや、今度こそは勝ってやるケラ!……空助とやら、精々首を洗って待ってろケラ!」
「待ってくださいツラ!」
「待つフラ!」
「……本当に怪良は思い立ったら突っ走るタイプでありんすね~」
そうして私は制止する津螺と訃羅を引き離し、空助とやらを探すために町へとくり出したのだったケラ……
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(2時間半後、一条院 宗雪視点)
「ハァ……今日ようやく宗雪はんとの婚約を公表出来るわ~」
「そ、そうだな……」
俺様は今、登校の真っ最中だ。
なのに何故か、綾香に密着されている。
……悪くねぇが、流石に目立っちま……
「あ、オレも相棒と密着させろォ!」
「アタイもっす~!」
「……いや、桜も夏芽も張り合うんじゃねぇ!」
……正直に言えば、ぶっちゃけ悪い気はしねぇ。
ただ、滅茶苦茶目立つだけで……
と、その時……
「……お兄様、今日もおモテになられておりますね」
「……宗雪様、何人も婚約者を持つと大変ですね」
「沙耶花と空助は他人事みてぇな反応しねぇでくれよ!」
沙耶花と空助は、今日も今日とて他人事だった。
「……羨ましいのだ……」
「萌音は声が漏れてんぞ!」
「あっ……今のは忘れて欲しいのだ!」
「……分かってるよ」
萌音はまだ、俺様に好意を伝える気がねぇらしい。
なら、俺様から何か言うのは野暮だろ。
とか何とか思ってると……
「あ、見つけたケラァァァァァァァ!」
「ん?……って、怪良か!?」
……何故か、血走った目の怪良がこちらに向かって走って来やがった。
俺様、何かあいつに恨まれる様な事でもしたか?
と、俺様が困惑していると……
「空助ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!……かつてお前にボコされた恨み、晴らしてやるケラァァァァァァァァ!」
「……だとよ、空助?」
「えぇ……」
以前の牛鬼騒ぎで、空助は怪良を圧倒的な実力差で打ち負かしている。
……だからって単独で突っ込んで来るとか、怪良は馬鹿なのか?
「武器を構えろケラァァァァァァァァァァ!」
「ハァ……では、行って来ます」
怪良は短刀を、空助はナイフを、それぞれ構えて相手を見つめた。
そして……
「いざ尋常に勝負ケラァァァァァ!」
「僕は嫌なんですけどね!」
ーガキィィィン!
怪良と空助、2人の武器が激しくぶつかって金属音が鳴った。
だが、それでは終わらず……
「ケラケラケラケラケラケラケラケラァァァァァ!」
ーガキガキガキガキガキガキィィィン!
「……前よりもスピードが上がってますね……」
ーガキガキガキガキガキガキィィィン!
「うおぉ……何か無駄にレベル高ぇな……」
怪良と空助の斬り合い……お互い一撃も貰わずに防ぎ切っていやがった。
「おいおい、今回は透明にならないケラか?」
ーガキガキガキガキガキガキィィィン!
「どうせ透明になってもバレてしまうんですから、【隠密】を使うだけ無駄ですよ」
ーガキガキガキガキガキガキィィィン!
「そうだケラな!……チッ、いまいち攻め切れないケラァァァァァ!」
ーガキガキガキガキガキガキィィィン!
「……もう終わらせて良いですか?」
ーガキガキガキガキガキガキィィィン!
あ、空助も面倒になって来やがったか……
それにしても怪良ってやっぱ弱くはねぇんだよな……
空助がそれ以上に強ぇだけで。
「ケラァァァァァ!」
ーガキィィィン!
「……頑張りますね……」
ーガキィィィン!
「私の視覚に死角無し!……全て丸見えお見通し!……しょうけらの怪良、ここでお前に勝ってやるケラァァァァァ!」
ーガキガキガキィィィン!
「……まだやるんですか?」
怪良は口上を名乗りつつ、空助に猛攻を仕掛けた。
だが、空助は涼しい顔で全てを防ぎ切った。
そして、それから5分後……
「ハァ……ハァ……い、いい加減に当たれケラ!」
「もうバテてるんですか?……少なくとも、宗雪様の特訓じゃこの程度でバテる人は置いて行かれてしまいますよ?」
「ハァ!?……も、もう無理だケラ……」
「ではまず、基礎体力の特訓から始めた方が良いかと思うんですが……」
怪良、もうバテやがった……
後、空助は空助で5分以上斬り合いしといて平気なのはおかしいからな?
「……いや、万全の状態なら……こんな事にはならなかったケラ……でも、空助を探して町を走り回った弊害が出ちまったケラ……」
「……馬鹿なんですか?」
あっ……空助の奴、ストレートに言いやがった……
「だ、誰が馬鹿だケラァァァァァ!」
「もう終わらせて良いですよね?」
ーガシッ!
「ぐ、ぐがが……」
ーガクッ……
「……これ、どうしましょう……」
……何が起こったか思い返そう。
空助が瞬時に怪良の首を掴んで、そのまま気絶させやがった……
いや、主人公のやる事じゃねぇ!
「と、取り敢えず連れて行くしかねぇだろうな……」
「……え、送り届けないんですか?」
「ここでみっちり言っとかないと、確実に明日以降も来るぞ?」
「それは嫌ですね……」
怪良が起きた後にみっちり分からせるために……俺様達は怪良を学校まで連れて行く事にしたのだった……
ご読了ありがとうございます。
怪良、最初は3馬鹿の1人的な扱いの筈だったんですけど、何かだいぶ私の中で違う方向性が決まりました。
気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。
後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




