第114話 私を助けてくれる人達が蹂躙されています
「このままでは負けるな。勝てるはず局面をここまでひっくり返したのはやはり、お前か春日井真澄!」
RDHがイブンから受けた毒の矢の治療もせず呟く。距離があっても神からの敵意に満ちた視線を嫌というほど感じる。これは嫌な予感しかしないのだが・・・
そう思った次の瞬間、RDHが凄まじい勢いでこちらに向かって進軍してくる。
祥君、渚、グロスの遠距離攻撃、イブンの毒の矢、その全ての攻撃を受けながらも一切、後方を顧みずまっすぐこちらに向かってきている。
「なんで、神様が一番弱い、私狙いなんだよ!」
私は白気を剣に貯めながら思わず叫んでいた。
「最も厄介な人間を一番最初に倒す。それだけのことだ」
あっという間にRDHは私の目の前まで接近し拳を構える。
「やっとワシの出番じゃな!!!」
そう言うとエクシード十剣・槍兵のカロリングが私の隣に現れた。
「エクシード流槍術奥義!重烈撃せぃ・・・」
奥義の名を叫ぶ間もなく、RDHがカロリングの間合いに入り込りこみ心臓部分に直撃を受けて沈む。
ダメだ。決定的に動きが遅すぎる。RDHの高速戦闘についていけてない。
「エクシード流乱れ撃聖剣!」
RDHの動きを見てエクシード十剣・女剣士マウリヤが多面攻撃に出る。しかし、今度は一発一発の威力が弱すぎるのだろう。RDHは防ぐことすらせず、全て直撃を受けながらマウリヤを倒した。
これはまずい。祥君達がこちらに向かっているのは見てとれるが間に合わない。
「三段斬り改」 「三段斬り改」 「三段斬り改」
カニシカ、フレディック、リトフスクの三人が時間を稼ぐが全て一撃の下に沈む。残るはヴォルテールとガンバルベエの2人のみ。くそう、何が状況によっては出てもらうだ。むざむざ踏み込まれ蹂躙されている。こんなことならグロスをこちらに置いておくんだった。
「エクシード流剣王技、廻怪天転!」
ヴォルテールがいつかグロスが使った人間独楽のような大回転を使い時間を稼ぐ、しかしグロスほどの威力はなくRDHに回転を止められ、あえなく沈む。
万事休すか・・・
RDHが私の間合いに入り、拳を握りこむ。ガンバルベエは間に合わない・・・
その瞬間、かまいたちのような鋭い剣閃が入りRDHを弾き飛ばした。
「mあ澄様はya羅せない。」
瀕死の剣王姫エミリー・アブストラクト・エクシードがそこに立っていた。
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