第110話 私を助けてくれる人達が私をぼっちにした
報音寺君の銃口から私では数え切れない程の光の弾がRDHに突き刺さる。
ライトニング・ソリッド・ショットと呼ばれた技が真に凄まじいのはあれだけの弾丸を一発たりとも祥君に当てていない点だ。この距離で祥君を避けて99999の弾が当たるのは技の特性なのか、報音寺君の持つスキルなのか。そういえば、私は報音寺君が狙いを外したところを見たことがない。
しかし、RDHは未だ健在。99999の弾の直撃をうけたはずなのに微動だにせず、未だ祥君と力比べを続けている。
「むしろ避けるまでもないって感じかな。やっぱ、この銃じゃあれぐらいのダメージが限界か~」
報音寺君ががっくりしたような感じで分析している。神相手の戦闘なんだから出し惜しみせず、最強の武器で勝負してほしいが彼にも彼の事情があるのだろう。ボランティアにしてはよくやってくれている。私と彼の繋がりではこの程度が限界ということだろう、ここはまだ彼の戦場ではないのだ。
「問題ない。牽制と回復役に徹しろ報音寺。攻撃は私とショウが通す!」
ようやく動けるまで回復した渚が叫び、膠着状態の2人の間に割ってはいる。
「劫火旋風突!」
渚は剣に炎を纏った突きをRDHの額めがけて撃つ。しかし、RDHは攻撃がヒットするまでに左手で渚の握り手を強襲する。だが、渚の技が霧散化することなくRDHの額に直撃する。
「ぬぉぉぉぉ!!!」
RDHの苦悶の声が漏れる。
「どうだ! 多重制御に頼らなければ誰が戦闘中に武器取落なんて起こすものか!」
しかし、せっかく攻撃が入ったのに次の瞬間には超自動回復が発動し、傷口がみるみる小さくなっていく。RDHは擬似時間転移とか使ってくる回避重視のキャラクターかと思っていたが固さと回復も持っているのか。さらに先程、祥君が喰らわした冥王朧十字蓮撃の傷も既に全快している。攻撃、回避、防御、回復と四拍子そろってつけ入る隙がない。さらに頭もずば抜けていい。これが神との戦闘というものか。
その後も私の目の前で攻撃は祥君と渚。回復、牽制は報音寺君とRDHとの一進一退の攻防が続いた。
しかし、戦闘が凄すぎて入る隙さらない。そろそろ、私も戦闘に参加しなければ! 私は攻撃に参加すればいいのか? 報音寺君の手伝いをすればいいのか?
「渚! 私は何をすればいい?」
分からなかったんでもう聞いてみた。
「お前はイレギュラー役だ。存在そのものがびっくり箱で戦局を変える切り札だ。自分の心のままに行動しろ!」
うーむ、体よく騙されているような・・・結局、何をすればいいんだ。
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