第二章 モテ期
高校に入ると、人生が少しずつ変わった。
いやガラッと変わったというべきか?
その学校には彼の以前の
同級生は誰もいなかった。
背が伸びた。
顔つきも変わった。
中学時代の体型も、テニス部に入ったことで
スポーツマンらしくなった。
成績もかなり上の方だった。
突然、女の子から声をかけられるようになった。
最初は戸惑った。
次第に慣れた。
高校を卒業すれば家業を継ぐものと思っていた俺だが
ある日親父が
「今時大学くらいでてんと、いろんなところで恥かくぞ」と言ってくれた。
その頃には商売も順調で親父もいろんな役員を頼まれる様になっていた。
しかし親父は田舎の中卒だった。
他の役員の顔ぶれを見るとほとんどが良い学校を出ている様だ。
その中でも親父はバイタリティにあふれて
他の人たちに負けずにリーダーシップを発揮していたのだが、やはり心の中には何か引け目を感じていたのだろう。
その事もあり、そこから努力して
東京の希望の大学に合格することができた。
しかし大学に入る頃には、
完全に調子に乗っていた。
夏はテニス 冬はスキーという70人規模の
大サークルに入った。
ファミレス ディスコ ドライブ 海 夜の街
誘われればいった。
告白されれば付き合った
「俺って結構モテるんやな!
俺 酒も タバコも
ギャンブルも辞めれるけど
女は無理やな!
他は向こうからけえへんけど
女は来るからなぁ」
とか言って完全に調子に乗っていた。
バイトやギャンブルに明け暮れ
授業はそこそこだがサークルには顔を出していた。
女の子には
「まだまだ若いし、結婚とかする気無いし
いろんな人と付き合ってみたい」とか大それたことを言って、特定の彼女はつくらなかった。
誰からも相手にされなかった少年は、いつしか
自分が特別な人間になったような錯覚を覚えて
いた。
この頃 俺は忘れていた
あの夢のことを




