七氏族の怪樹守護者—最後希望の島 第二章 第12節 【ワニガメのピピ】
ズシン!ズシン!ズシン!
全長11メートル、体重1トンに及ぶ巨大ワニガメが、魚人カイグに向かってゆっくりと歩みを進めていた。その甲羅には鋭い棘のような鱗甲が三列に直立し、あらゆるものを打ち砕くほどの威容を誇る。皮膚は分厚く強靭で、まるで刀槍をも弾き返すかのようだ。
久々の友との再会に、ワニガメのピピは嬉しそうに「ガルル!ガルル!ガルル!」と声を上げた。
幼い頃、好奇心から海底に残された漁網に近づいたピピは、3日3晩も身動きが取れなくなり、飢え死にしかけていた。その時、旅の途中だった魚人カイグに救われたことで二人は大親友となり、共に冒険の旅を繰り広げた過去があったのだ。
「数年見ないうちに、以前よりもずいぶん逞しくなったな! 今日ここへ来たのは、お前の力を貸してほしいからなんだ……」魚人カイグは、久々に再会したピピを強く抱きしめながら言った。
「ガルル!ガルル!ガルル!(何があっても力になる、遠慮なく言ってくれ!)」ワニガメのピピは、少しの躊躇もなくそう応じた。
◇10日後の正午。希望の島入口付近の断崖絶壁。
崖の淵に立つマフィは、前方の海面の変化をじっと見つめていた。一瞬たりとも見落とすまいと、その瞳には緊張が走る。10日前、魚人カイグは彼女にこう告げていた。「海面に巨大な渦巻きが現れた時、それが爆薬を起動させる合図だ」
彼女の50メートル後方には、前方に螺旋状のドリルを装備した三輪車が佇んでいた。神竜村の近くに放置されていた大破した戦車の部品を剥ぎ取り、急ピッチで改造・製造された突撃車両である。その車体後部には、100キログラムもの爆弾が牽引されていた。ミノは汗だくになりながらハンドルを固く握りしめ、姉貴分であるマフィからのサインを今か今かと待ち構えていた。
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《同じ時刻、深海にて》
魚人カイグはワニガメのピピに跨り、イースター島から連れてきた約100頭のワニガメの仲間たちを引き連れて、ついに希望の島入口の外縁へと到達していた。
目の前には、数え切れないほどの猛毒クラゲが群がり、クラゲの守護者を幾重にも包み込んでいる。ピピはその光景に危機感を覚え、低く唸り声を上げた。
長年ピピと生死を共にしてきた魚人カイグは、相棒の懸念をすぐに察し、上体を屈めてピピの甲羅を優しく叩いた。
「兄弟、恐れるな。俺たちの数は少ないが、元より俺たちは猛毒クラゲの天敵だ。電光石火の速さで中心区域へと突入しさえすれば、空から突撃部隊が舞い降りてくる手はずになっている!」その言葉を聞いたワニガメのピピは、カイグが冷静沈着で果敢な男であり、絶対に勝算があることを確信し、迷いを振り払った。
カイグが背中から2本の剣歯牙突を猛然と引き抜き、前方へと大きく振りかざすと、古代巨亀一族の咆哮が海底に轟いた。その合図とともに、部隊は一斉に前方へと突撃を開始した!!!




