【Prologue】Da Capo
おや、珍しい観客が来たようだ。
ああ、そうだとも。君のことさ。
尤も、君が誰であり、何者であるかというのは些細なことだから、僕は特に言及する気はないのだけれど。
改めて、ようこそ、運命の始発点へ。
この残酷な運命を見るためにやってきたところ、悪いと思ってはいるのだけれどね。君に教えることができるのは、ほんの僅かでしかないんだ。
あるいは、僕の自己満足を君に晒すことになってしまうのは、少々恥ずかしくは感じるけれどね。だけれど、後悔は何度もしているけれども、僕が歩んだ道が間違いだったとは一度たりとも思ったことはない。
さて、話が逸れてしまったね。
結局のところ、この物語は、世界を知らない少女が世界を知る。僕からすれば、たったそれだけのことであって。
君や少女にとってはまた異なる意味を未来の暗闇の中から取り出すのかもしれないのだけれど、僕からしたらちっぽけなもので。しかしだからこそ小さな火種として、大きく燃え盛ることを期待している。
そんな一から那由他の彼方までが僕の自己満足によって作られた、ちょっとした運命で良いのならば、好きなだけ見ていくといい。
この運命の創造主として、君たちの未来に光があることを祈ろうじゃないか。
僕の中では、世界とは憎むべきものであり、人間とは尊いものであるという結論が出ているけれど。
あの娘が、どんな結論を出すのか。
果たして、僕が期待した通りに、僕を超克するのか。
奇妙で、狂気的で、神秘的な物語を。




