エピローグ、宇宙人来襲
「...空が光ってます」
使用人の一言で、全員が空を見上げた
「確かに光ってるな」
...いや
「降りて来てるな」
王子が目を細めた
「飛行物体...か?」
次の瞬間、轟音
庭に何かが落ちた
「...敵か」
魔王は一歩前にでる
王子も隣に並ぶ
「話が通じるといいな」
「期待はするな」
扉が開く
中から現れたのは、見たことのない存在だった
光沢のある外殻、エービ
赤く鮮度のいい、ターイ
漆黒の輝きを放つ、マグーロ
「コノホシハ、ワレワレノモノダ」
「交渉は無理そうだな」
「...同意する」
「テイコウスルナ」
光が収縮する、攻撃がくる
「左だっ!」
王子の声
魔王は動く
光線が地面を抉る、速い
だが単調だ
踏み込む、一気に距離を詰める
その瞬間、背後から気配
潜んでいたイーカ
魔王が振り向くには、わずかに足りない...
「危ないっ」
同時に、光が割れた
『終焉の福音』
降り注ぐ光
静かで、圧倒的な力
敵は抵抗する間もなく、粒子となって崩れた
魔王は振り向く
そこに居たのは、聖女だった
「お義姉様もまだまだですね」
「なぜここに?」
聖女は一瞬だけ迷い
「...心配で」
その言葉と同時に、二体が動いた
「来るぞっ」
王子が踏み込む
剣が走る、敵の動きが僅かに鈍る
魔王はそこに叩き込む
エービ、ターイは動きを止めた
最後の一体マグーロ
漆黒のオーラ、異様な圧
「...コイツがボスか」
速い
視界から消える
「くっ、捉えきれんっ」
その瞬間...
「止まりなさいっ!」
響いた、空気が止まる
ビクッ、敵の動きが止まった
(姑の圧、宇宙人にも効くのか)
「ナイスっ」
魔王は両手をかざす
『終焉の劫火』
全てを呑み込む炎、光すら焼き尽くす闇の業火
逃げ場はない、一瞬
敵は消えた、跡形もなく
「...すご」
聖女が小さく呟く
聖女は少しだけ驚いた顔をして
そして、笑った
「さすが、お義姉様ですね」
「...で」
姑が言った
「これは食べれるの?」
外殻を叩く
中身を調べる
「かなり質がいい...」
王城の厨房に戻り、王子が調理を開始する
「出汁をとる」
鍋に殻を入れる
火を入れる
香ばしい香りが、すぐ立ち上がる
「いい香り」
誰かが呟いた
白ワインを入れる、音が弾ける
香りが一段上がる
水を注ぐ、火をおとす
一方で鯛に手をのばす
包丁がはいる、一瞬
「...上手い」
料理人が呟く
フライパンを温める
鯛を置く、軽く焼き目をつける
鍋に戻る、海老の出汁をこす
透き通ったスープ
「綺麗...」
そこに鯛と海老の身を入れる
火は弱く、静かに火を通す
皿に盛る、スープを注ぐ
「真鯛と手長海老のナージュ 〜ハーブの香りを添えて〜」
一口...
聖女が震える
「美味しい」
「こんな旨味、初めて...」
「...信じられない」
姑が呟く
「優しいのに...深い」
「やるな」
魔王が驚く
王子は満足そうに頷いた
「悪くないな」
「こんな旨い食材なら、消さなきゃ良かった」
「ホントだね〜」
「次も止めてあげますよ」
魔王が王子を見る
「これからも料理頑張ってね、シェフ」
「王子だよっ!」
こうして、王家は危機を乗り越えた。
宇宙人を撃退する姑、聖女、完璧すぎる王子、悪役魔王。
ここに攻めたら、地獄です。




