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vtuberデビューを果たしました

ちょいと長め。

「はぁぁ〜〜〜〜緊張する……!」


 僕は今、配信の待機画面を前にものすごく緊張している。同接は4000人と、たくさんの人が僕の初配信を見にきてくれている。その事実はすごく嬉しかったが、それと同時に緊張も抱えていた。


 時は遡って二週間前、ほとんど通知が来ない僕のスマホにピコンという通知音が鳴った。まさかと思い、急いで携帯を確認すると、『先日は面接試験にお越しくださりありがとうございました。厳正なる試験の結果、合格となりました。以下の日時から、黒影様はすまいるほーむ2期生【朝日ゆい】として活動いただきます。これからは、マネージャー花月よりディスコードで連絡をお伝えいたします。』と書かれたメールが僕宛に送られていた。

 …受かった。

 そのことが天井を突き破って踊り出たいほど嬉しくて、僕はベッドの上をくねくねしていた。

 そしてディスコードという連絡用のアプリを入れ、僕たち2期生のマネージャーである花月さんを登録した。


 そして花月さんと通話で何度も初配信について打ち合わせを行い、今日に至るというわけだ。


「僕のvtube人生初めての配信、絶対成功させてみせるぞ…!」


 と気合を入れていたら、ディスコードから通知が来た。花月さんかな、と思ってみたら宛名に『猫夢ひるねダヨ』と書かれていた。彼女は僕の同期で、さっき初配信を終えていた。。急いでメッセージを見てみると、『ゆいちゃん、初配信頑張れ。なのにゃ。』と書かれていた。


「ふふ…」


 心なしか緊張が少しほぐれた。ひるねさんは十五分前にちょうど初配信が終わったところだから、こうして応援のメッセージを書いてくれたのだろう。僕はメッセージを返す。


『ひるねさん、ありがとうございます!初配信見ていましたが、とっても面白くて良かったと思います!』


 配信開始まであと五分という時間のなさのせいか、それとも同期に初めてメッセージを送る緊張からなのか、とても稚拙な文章になってしまった。恥ずかしい…


『見てくれてありがとなのにゃ。あと、タメ口で良いのにゃ。』


 ひるねさん、優しすぎる…!女神様がいるよ…でも女性相手にタメ口なんて経験ないけらそれは無理かも…。

 なんと返そうか悩んでいたら、配信まであと一分というカウントダウンが表示される。


「や、やばい、始まっちゃう…」


 あたふたしている間に、あと三十秒と表示される。僕は自作の台本を爆速で読み返し、配信の準備を整える


「よ、よーし!頑張るぞ…!」

 

 ちらっとコメント欄を見てみると、僕の配信を楽しみにしているというコメントで埋まっている。嬉しい。


【楽しみ】

【ロリ来いロリ来いロリ来いロリ来いロリ来いロリ来いロリ来いロリ来いロリ来いロリ来い】

【犯罪者おって草】

【全裸待機!!】

【あーと10秒!】

【次はどんな子かな?】


 3、2、1、0。

 カウントダウンが終わり、僕の可愛い立ち絵が表示される。天から舞い降りた天使という設定だけど、女の子になってしまった自分の姿とよく似ていて、ちょっと恥ずかしい。


【めっちゃ可愛い!!!!】

【ロリキタァ━(゜∀゜)( ゜∀)超( ゜)絶( )大(゜ )興(∀゜ )奮(゜∀゜)━キタヨー!!!!】

【↑通報しました】

【ロリで胸でかいの業が深すぎ。もう推し】

【推します。】


「み、みんな〜?声、聞こえていますか…?」


【声やっばっっばい】

【聞こえてるよ!!!!!】

【声ちっちゃw緊張してるのかな】

【悲報、開始五秒でワイ昇天】

【声かわよ】


 コメントを見てみると、声が小さいという指摘があった。僕はもともと声が小さいので、マイクを思いっきり近づけて話す。


「こ、こんにちは。すまいるほーむ2期生の、朝日ユイです。」


【!!!!!??????】

【!!???????】

【有料級すぎる】

【急にASMR ????】

【アァ(昇天)】

【マイク近すぎ〜〜〜〜】

【生まれてきて良かった】

【一生推す】


 今度はマイクが近すぎると指摘を受けたので、今度は少し離す。


「え、えっと、これでいい…かな?」


【ちょうどいい】

【さっきのままでよかった…】

【これがマイクとの適正距離です。今日はこれ覚えて帰りましょうね、ゆいちゃん。】

【心臓がもたなくなるところだった】

【声質がガチロリ】


「改めまして、こんにちは。すまいるほーむ2期生の、朝日ユイだよ。今日はファンネーム、配信タグ、ファンアートタグの三つを決めるよ。みんな、よろしくね。」


【よろしく!】

【よろしくお願いしまーーーーす!!!】

【( ˙꒳˙)よろしくです】

【よろよろ〜〜〜〜】


 よし、良い感じに進められている。この調子で乗り切るぞ!


「じゃあ早速、ファンネームを決めるよ。良い名前を思いついたら、コメント欄に打ち込んでね。なるべく全部見るけど、拾えないやつがあるのは許してね。さぁ、どんと来い」


【なんか軽いなw】

【ゆい親衛隊】

【ゆい組】

【ゆい様の奴隷】

【朝日スーパードライ】

【ゆいの民】

【朝日の民】

【ゆいの民】


 いろんなアイデアがコメント欄に書き込まれる。


「どれも良い…う〜ん悩むなぁ」


【悩むゆいちゃん可愛い】

【結構被ってるやつもあるね】


 さっきから可愛いってすごく言われるけど、元男だし何か複雑な気分だ。まぁ、男の時でも可愛いって言われたんだけどね…(遠い目)


「じゃ、じゃあ、一番多く書き込まれてそうだし、無難な『ゆいの民』にしよう!みんないっぱいアイデア出してくれてありがとう!それじゃあ、次行くね」


 この調子で僕はトントン調子でタグ決めを終わらせた。ちょくちょく噛んでしまったりしてしまったが、rそれすらも可愛いと言ってくれるリスナーさんには感謝しかない。


「それじゃあ、ファンネームは『ゆいの民』、配信タグは『太陽の観察日記』、ファンアートタグは『yui/art』に決定しました!案を出してくれたみんな、本当にありがとう!これからも、僕のこと応援してね!次の配信は、紅蓮ノアさんだよ!えっと、概要欄のリンクから飛べます!」


「ではみなさん、また次の配信で会いましょう!さようなら!」


【最後の方めっちゃ台本見て読んでそうで草】

【頑張って読み上げてるの可愛い】

【さよなら〜〜】

【次の配信で待ってます!!!!】

【さよなら〜〜〜〜〜】

【さよなら!】

【終わりの挨拶欲しいなwさよなら〜〜〜!!】

【さよならーー!】

【さよなら!!!】


 この配信は終了しました。


「……ふぅ。なんとか最後までいい感じだったんじゃない?へへ。」


 僕はそう自賛して事務所からいただいたPCをそっと閉じる。リスナーさんも思っていたよりうんと優しくて暖かかった。何より、リスナーさんたちとコミュ障を発揮することなく会話できたのが一番嬉しい。これが対面だったら今すぐ大穴を掘って隠れちゃうんだろうなぁ。


「あ、そうだ。ひるねさんにお礼のメッセージしなきゃ。」


『ひるねさん、改めてありがとうございました!おかげで緊張することなく配信に臨めました。』


 と打ち込んだ。すると、ひるねさんからすぐにメッセージが届く。


『いいってことよ。にぁ。あと、タメ口にしてくれってお願いしたはずにゃ。無理にとは言わないけどね。にゃ。』


 女の子にタメ口とか、やっぱり許可が出されていたとしたも躊躇ってしまうものがある。

 それにしてもひるねさん、語尾に必ず「にぁ」か「にゃ」を付けないと死んじゃう病気にでもかかっているのかな?僕しか見ないんだから、素のままでいいのに。それとも、これが素なのかな。そうだったらちょっと面白い。


『わかったよ。ひるね。』


 タメ口ってこんな感じでいいのかな…あれ?これもしかしてだいぶキモイ?そ、送信取り消ししたほうが良いかな?


『そうその調子にゃ。急にイケメンになるのは想定外だったけど。』


 これは、正解だったんだよね?イケメンって言われて悪い気はしない。


 こうして初配信を終え、無事すまいるほーむ2期生としてvtuberデビューを果たせた。僕はシャワーを浴び、にこにこしながらこれからの活動に想いを馳せたのだった。

続きが見たい!!という方やそうでない方も

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面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた感想をお願いします。今後の糧にします!


何卒よろしくお願いいたします!

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