第94話 〇〇〇〇の呪いと、〇〇の呪い。地味にうれしくない呪いが登場!?
「(さて、続いてなんですがネ……。)」
「何? なんか言いずらいものなの?」
あの人が言うのをためらっていた。そんなにもやばいものか何なのか……。
「(実はですネ……。不死の呪いがかけられているんですネ。)」
「皮脂の呪いねー。」
「(皮脂じゃなくて不死ですヨ! 今、わざとぼけましたよネ?)」
「いや、そんなことはないよー。」
どっちかっていうと、言い間違い?
「(まぁ、それはともかく。……ってあまり驚きませんね。)」
「不死ってあれなんでしょ。死にたくても死ねなーい、みたいな感じなんでしょ。」
「(まぁ、その通りですが。)」
「それが?」
「(その……なんて言いますか……。お父さんとお母さんに会いたくなかったんですか?)」
「あぁー、そういうことか……え!?」
そうか。もし、私が不死になってしまったなら、二度と、お父さんとお母さんのいるであろう天国には行けない。そのことをすっかり忘れてしまっていた。
「確かに、それは困るね。」
「(気付いてなかったんですかネ!?)」
「まぁ、そうだね。」
「(……、あなた、なんで私と戦おうとしたんですか?)」
「そうだなー。一応、私のお母さんとお父さんを殺した恨みかな。」
実際のところ、みんなの恨みを知ったからこそ、あの人を殺そうと思っていたのだけどね。
「(一番大切なところ、完全に抜けてるって。どうなってるんですかネ。)」
「まぁ、勝ったことだし、過去のことは振り返らない。」
「(……末恐ろしいですネ。)」
あの人がそう言った。だって生きていることだし、過去は振り返っても何も変わらないしね。
「そういえば、不死は効いたんだけど、不老は?」
不老がないと、どんどんおばあちゃんになっていっちゃうからね。よぼよぼのおばあちゃんになっても、生き続けろは流石に鬼だし。
「(そうですネ。いうのを忘れていましたが。不老不死ですネ。なので、これから体の発育はしませんが、これ以上にふけることも若くなることもありませんネ。)」
「発育が止まるってことは、その……胸も?」
「(……まぁ、そうなりますネ。)」
あの人は答えにくそうにそういった。
「……不老不死の呪いをかける前に、胸を大きくする呪いをかけてよ!」
「(……いいじゃないですか。貧乳好きの男性もいるかもですしネ。)」
「……。」
「(あの……怒ってらっしゃる?)」
「別に……。」
せめてもうちょっと大きくなりたかったな。体系がこんなにもおデブだから、せめて胸だけはほしかった。
「(まぁ、胸を大きく見せるだけなら、魔法でどうにかなりますけど……。)」
「……それじゃあ意味がない。ブラジャーのサイズ変わらない。」
「(ほんと、女性ってそういうところが、細かいですネ。)」
あの人はあきれたようにそう言った。もしかしたら、昔にこういった経験がるのかもしれない。と私は思った。
「不老不死になって、胸のサイズももう変わらないってことはわかったけど、ほかにも呪いはあるってことだよね?」
「(まだ引きずっているようですネ。)」
「そこ、文句を言わない。」
「(うわぁー恐ろしいですネ。……もちろんながら、まだ呪いはありますネ。)」
「まぁ、そうだろうとは思ったけど。」
これだけの呪いだったら、流石に怖いわ。あの人が最後の力を振り絞って、はなった呪いなんだからね。
「(次の呪いは、地縛の呪いですネ。)」
「自爆の呪い?」
「(そうですネ。地縛の呪いです。)」
「いいじゃん、これを使えば死ねるじゃん。……そうか、不死の呪いのほうが強いとかで死ねないのか。」
「(……あの、言いづらいですが、そっちの自爆じゃないんですネ。)」
「え、自分が大爆発して相手を巻き込むような呪いなのかと。」
「(……それはそれでやばそうな呪いですけど。今回かけた呪いは、地縛。この地から縛る呪いですネ。)」
「あぁー、それは簡単だね。」
「(これは何も説明しなくてわかりましたかネ?)」
「つまり、この世界から私は出ることが出来ないってことですね。」
私はどや顔でそう言った。
「(信じた私がバカでした。しっかり説明させていただきましょうかネ。)」
「あれ、違っていた? これはつまり、不老不死とつながっていると予想しましてね……。」
「(全然違いますネ。そんな世界から出れないのは、不死でできているものをもう一個違う呪いとしてかけませんから。)」
「それもそっか。」
死ねないってことは、この世界じゃない天国地獄に行けないってことだから、もう一回定義する必要なんてないのか。考えてみればそうだよね。
「(……これは完結に言いますネ。つまり、あなたはこの地下から出ることが出来ない呪いですネ。)」
「つまり、この穴の中で一生暮らせと!?」
「(そう、その通りですネ。)」
「これこそが、一番の地獄だぁー!!」
「(そうですか? ここもとてもいいところだと思いますよ。)」
「なんで光を二度と浴びることが出来なんだよー。」
「(……そこですか。)」
「これ、めっちゃ重要だよ!? 何年も外の光を浴びていない私にとって、どれだけ待ちわびていたことやらの日光を、浴びれないなんて……。」
「(思っていた以上に落ち込んでますネ。)」
「それはそうでしょうよ! 私の目標が一つ、達成不可能の無理げーになったってことだしね。」
地味に楽しみにしていた日光浴の夢が完全に消え去った。
「(そんなに日光浴びたければ、自分で上に掘ればいいんですよ。)」
「自分で掘る……!?」
自分で掘るってどういうこと!?
「(そう、窓みたいな感じにするんですネ。そうすれば、地下でも日光を浴びることが出来ますネ。)」
「あぁ。そういうことか。でも、私の体力的に不可能なんじゃ……。」
「(力はそのままですよ? それを使えば、楽じゃないですかネ。)」
「……。」
私は下に落ちていた石を拾った。そしてその石を握ると、その石が粉粉に砕け散った。
「(それだけの力があれば大丈夫ですネ。)」
「……見た目変わっても、怪力女は変わらないんだね。」
私は地味にショックを受けた。やっぱり女性ってか弱い方がいいじゃない?




