第86話 いっぱい量を食べてる人を見ていると、食欲って無くなるよね。
「うわぁ……。」
「結構な量、二人とも食べますね。」
「どうしたら、あの量を食べきることが出来るんだろうか……あいつらの胃は、無限に広がってる大きな真っ暗な穴か何かなのか?」
あの後出てきた料理の量を見て、俺ら三人組は驚愕した。次から次干支出てくる料理の数々。どれもおいしそうだったが、この量を食べるのは、流石に無理だろうと思ってた。が、しかし。あの二人は、どんどんどんどん食べ進めていって、気づけばもう半分も減っていたのだった。
「あのバケモノの中にいた少女って、こんなに大食いでしたっけ?」
「いや、その反対だ。か弱そうで、そんなに食べなさそうな、普通の女の子だった。」
「でも、あの姿から見て、そんな感じには見えないですよね。」
あのバケモノが食った料理の量は、料理を作ったあの人に比べると、何倍もの量を食べていた。これが、もとから太っていたならまだ分かったものの、絶対に接種不足であろう少女が食っていると、想像するだけで頭が狂いそうになる。
「料理を見ていただけなら、確実にお腹が減ったであろうけど、この風景を見ちゃったら、お腹も減るものも減らないですね。」
「そうだな……。あの姿こそが、まさにバケモノだな。」
今までさんざん壁を壊したりしていたが、その姿を見てはいない。そう考えると、バケモノってあまり実感してなかった部分もあったのかもしれない。でも、これを見て確信した。あの少女は、バケモノに変身したのだと。
「先輩、残りの食料どうしますか?」
一人の仲間が聞いてきた。
「……残しておこう。もしかしたら、食べるかもしれないからな。」
「それもそうですね。まだ、もったいないですからね。」
いつ、どのタイミングで食料が必要になるかなんてわからない。捨てるよりかは、とっておいた方がましだった。
「あの少女は、今幸せなのかな?」
ポニテの仲間がそうつぶやいた。
「どうしてそう思ったんだ?」
俺は普通に聞いてみた。
「だってあの顔……。とても幸せそうな顔をしているから。」
「……それも……そうだな。」
あのバケモノの目には涙、そして、それ以外の部分は笑っていた。
「これだけの量の料理を食べて、満足しているのかもな。今まで、こんなにも食べたことなかっただろうしな。」
見た目的に、スラム街の子だろうと思った。きっと満足した食事はいつも得ていなかったはず。そう考えれば、この量を食べれたこと自体幸せなのかもなと俺は思った。
「もしかして、あのバケモノがおとなしかった理由は、ただ単に料理を食べたかっただけなのかもな。」
「そうかもですね。」
「きっとそうだね。」
腹が減っては戦は出来ぬっていうし、そうかもしれないと俺らは思った。
「全部食べ切っちゃいましたね。」
「ほんと、そうだな。」
さっきまでいっぱい机の上に乗っていた料理たちはすべてからになっていた。
「あの二人で、全部完食してしまったのか……。」
「二人とも凄いですね。」
「あぁ、そうだな。」
あ の量を作るのに1時間以上は使っているのはわかる。でも、いつから作り始めたのかはわからない。ということは、食べたのは約30分ぐらいだから、料理の時間のほうが圧倒的に長いことがわかる。
「あれだけ手間暇かけて作ったのに、食べるのは一瞬だよな。」
「生で食べるのと、料理するのではやっぱ変わってきますからね。しょうがないです。」
生でもおいしいものはおいしいが、やっぱり何か手を加えるか加えないかによって味が変わってくる。そういうのは、意外に重要なことである。
「あれ、なんか喋ってますね。」
あの人が喋ってるようだった。
「さてと、お腹も膨れたことですしネ……、もう、死ぬ準備は出来ましたかネ?」
あの人の顔ががらりと変わった。さっきの顔とは大違いの、殺意の顔に変わったのだった。
「急にあの人の様子が変わったな。さっきバリバリしてる。」
「ここで、決着をつけるつもりでしょうね。」
俺らはそう思った。
「そうです、その行動こそが正しいんですネ。たかが、料理を作ってもらって、食事を与えただけで、信頼されては困りますからネ。」
あの人がそう言った。ほんとに対決をするらしい。バケモノのほうを見てみると、しっかり体制を整えてあった。
「とうとう始まるんだな。」
「そうですね。」
「こっちもきんちょうします。」
緊迫したしたのを見ていると、こっちも緊張しちゃうよな。それはほんと仕方ないことだよな。防ぎようもない。
「あぁーー!」
あのバケモノがそう発狂すると同時に、二人のバトルが始まったのであった。
きりがよかったので今回は短めです。




