第100話 どうしようか。覗き見をしていたことの言い訳って何がいいんだ?
これで序章を抜いて100話という区切りの話ですが、残念ながら主人公たちが登場しないというね……。
土曜日休日は、普段土曜日休みの人にとっては悲しいですよね。
「……今度は何をしているんだ?」
「なんでしょうか。」
「まぁ、なんかたたきたくなったんでしょう。」
今度はあの元バケモノ少女は机をたたいていた。が、特に変わった様子はない。
「なんかあったんでしょうか?」
「どうだろうな。無性に机がたたきたくなったのかもな。」
「……それはないと思いますよ、先輩。」
「ちょっとしたボケだ。気にするな。」
「隊長、今度はあたりを見渡してます。」
「そうだな。もしかすると、何かを探しているのか?」
机をたたいたり、周り見まわしたり……。これはもしかして……。
「あの少女。記憶喪失でもしたのか?」
「あ、なるほど。」
「確かに理屈は通りますね。」
記憶を失って、これは何なのかの確認でたたいたり、確認で周り見渡したりしているってすれば、確かに今の行動がわかる。それに……、
「あの倒れたり起きたりで、記憶が飛んだと考えたら……。」
完全に一致する。こういうことだろう。きっと。
「記憶喪失ってことは、何もわからないってことですよね?」
「まぁ、そういうことになるな。」
「もし、俺たちが見つかった場合、どうなりますかね?」
「あ。」
記憶がある時ならば、敵じゃない俺たちを見ても攻撃してこないだろう。でも記憶喪失の彼女が今、俺らを見たらどうするだろうか。もう、想像ができない。何がおこるかわからないのだ。
「(これは、一時撤退した方がいいな。)」
俺は二人にそう言いかけようとしたところで、
「先輩、あの元バケモノ少女、ジャンプして楽しんでますよ。」
「ん?」
俺も見てみると、とても楽しそうな笑顔を見せながら、ぴょんぴょんジャンプしていた。
「……。まぁ、大丈夫か。」
「そうですね。なんか安心しますね。」
なんか、安全な気がした。あんな笑顔でジャンプしている小さな女の子が危険だなんて、どうにも思えなかった。例え、元バケモノで前の記憶が何も残ってなくても……な。
「先輩、今度は椅子に足をのせてます。」
「今度は何をするつもりなんだろうか。」
なんかあの元バケモノ少女を見てるだけで、面白い。やはり撤退しなくて正解だったと俺は思った。
「あ、座りましたね。」
「そして笑顔で笑っています。」
「楽しそうだな。」
一体何をしているのかはさっぱりわからないが、少女の笑顔を見ているのはなんかいい。子供ってやつはやっぱり笑顔が一番いいよな。
「今度は何をするんでしょうか……。」
俺らは次の行動に期待をしていた。すると、あの少女がこちらを向いた。その瞬間、背筋が凍るような気がした。
「あれ? なんかこちらを見た気がしますが……。」
「確かに、視線を感じた気はしたな。」
ほんの一瞬だったがあの少女の目線を感じた。一体何だったんだろうか。
「あれ? 心なしか、あの少女がこっちに近づいてきてる気がします。」
「なんだと……!?」
確かにこっちに来ているような気がする。まさか、こっちの行動がばれたか?
「先輩、絶対にこっちに気づいてますよ!」
「お前たちは俺の後ろに隠れろ。俺が対応する。」
「先輩!」
「隊長!」
こういう時のリーダーだ。後輩たちの前で失敗するわけにはいかないし、後輩たちを死なせてはいけない。
元バケモノ少女がさっきまで覗きで使っていた扉を開けた。
「……!!」
俺はあの少女と対面した。最初にあった時より身長も大きくなっているが、途中で見たときよりも小さく思える。年齢で言うならば17歳ぐらいか? それぐらいだ。そして、目立つのは大きくなったお腹。完全におデブちゃん体系だ。それは遠くからでもわかっていたことだが。
「……ねぇ。」
元バケモノ少女が先に声をかけてきた。
「……はい、どうかしましたか?」
俺はそう答えた。そして、「のぞき見してたんでしょ」って言われるのをどうやって返すかを考えていた。でも、次に来た言葉があまりにも違いすぎて俺はものすごく焦った。その言葉は……、
「あの……試したいことがあるから、中に来てほしいな。3人とも。警戒しなくていいから。私はあの人以外殺すことはしないから。」
だった。それに対して俺は……、
「な、なぜに3人だと知っているんだ? 今お前の前にいるのは俺しかいないのに。」
といった。この言葉、もしかすると相手からすれば敵のように思える発言だった。確実にミスであった。でも、少女は、
「まぁ、最初から知ってたんですけどね。別にみられてて損するものでもないですし。それよりも、面白いものが出来たので、ちょっと来てくださいよ。みんなでね。」
笑顔でそう言うのであった。……どうやら私達を敵として捕らえているようではないようだった。
「先輩……。」
「隊長……。」
二人とも心配そうな感じではあったが、少し安心しているような気もした。
「よし分かった。みんなで行こう。」
「やったー!」
少女が喜んだ。その時に少女はジャンプをした。その着地音があまりにもおかしかった。
ブッ!
そうおならの音だったのだ。それに俺は……。
「……はは。なんだその音は。」
つい笑ってしまった。今までの緊張感はどっかにいったように。
「面白いでしょ?ほかにも面白いものがあるから早くみんな来てよ。」
少女がそう言ってきた。満面の笑みで。
「先輩、行きましょう!」
「隊長、なんか楽しくなってきました。」
「そうだな。行くとするか。」
結局のところ、あの少女に連れらる形で、食堂の中に入って行く3人であった。




