第九話 魔王のキス
穂月視点、少し甘めです。
魔界でのマナーを叩き込んだり、衣装を合わせたりしているうちに 日々はめまぐるしくすぎていき、もう明日がパーティー当日だ。
自室となった、熾音の隣の部屋のベットに腰掛ける。
熾音は魔王らしく黒いドレスらしい。この際勇者ってことはどうせバレるから、俺は白。
レオ達もパーティーの準備でかなり忙しくしているらしい。
熾音はそんなレオ達と行動を共にするようになってきた。
俺と一緒にいる時間は少し短くなる。
レオ達以外の魔族とも交流しているようだ。
「穂月!」
ノックと共に、一日ぶりの熾音が部屋に入ってきた。
熾音はためらいがちに隣に座る。
「明日……ちゃんと出来るかな」
不安げに熾音は目を伏せる。
「大丈夫だよ熾音なら。しっかり準備してきたしさ。それに、なんかあっても守るから」
日本にいる時はこんなこと思うなんて想像もしなかった。
守りたい存在が出来ると人って強くなれるみたいだ。
初めてあった時あまりに綺麗な涙に驚いた。
魔王って事実とのギャップ。
細い肩を見てたまらなく抱きしめたくなる。
いつから俺は恋をしたのだろう。
3つ年下の15歳の魔王に。
不意に唇に柔らかな感触を感じた。
「ふふ、お守り。穂月、大好き……」
軽く触れるだけのキス。
シヨンから帰ってから何度も伝えられる言葉。
「うん、俺も。愛してるよ」
すごく。18歳が15歳にって日本だと犯罪だけど……。
そんなこと、どうでもよくなるほどに。




