エピローグ
数か月後。
世界同時中継。
国際デザインサミットの会場には、各国の報道陣が集まり、無数のカメラが壇上へ向けられていた。
テーマは――
NEW OLD
古き良き文化を、新しい技術で未来へ繋ぐ。
その記念すべき発表を任されたのは、新たにウニクロス社長へ就任した増見だった。
「本日、私たちは百年前に失われた一つの文化を、新たな価値として世界へ提案します。」
スクリーンがゆっくりと切り替わる。
そこへ現れたのは、世界各国の女性代表たち。
誰もが同じ新しい装衣を身にまとい、自信に満ちた笑顔で壇上へ並ぶ。
会場がざわめく。
「美しい……。」
「機能美だ。」
「これが、新しいスタンダード。」
増見は静かに頷いた。
「この装衣は、着用者自身が快適に扱えることはもちろん、緊急医療、介助、救助など、人命を優先すべき場面では第三者が迅速に解除できる設計となっています。」
「百年前の文化と、現代技術。」
「その両方を融合させた、新しい答えです。」
スクリーンいっぱいに、大きく三文字が映し出される。
BRA
Be Reborn Accessory
― NEW OLD PROJECT ―
世界中の記者たちが一斉にざわめいた。
「BRA?」
「ブラジャーってやつじゃないのか?」
「Be Reborn……?」
増見は微笑みながら続ける。
「そう、百年前、この衣服は『ブラジャー』と呼ばれていました。」
「しかし私たちは、新しい意味を与えます。」
「BRA――Be Reborn Accessory。」
「人がもう一度、自分らしく生まれ変わるための装身具です。」
静かな拍手が、やがて大きな拍手へと変わっていく。
増見は壇上の袖へ視線を向けた。
「それでは、この技術を完成へ導いた二人をご紹介します。」
「開発責任者。」
「明手 星。」
大きな拍手。
星は少し照れながら頭を下げた。
「そして、技術顧問。」
「葉寿司 タガル。」
再び拍手が会場を包む。
タガルは相変わらず居心地が悪そうに頭をかいた。
「それでは、実演をご覧ください。」
壇上へ女性モデルが一列に並ぶ。
「おいおい……聞いてねぇぞ!星さん、どうしろって!?」
星は笑いながら親指を立てた。
「タガルさん!世界中に見せつけてあげて!」
タガルは大きくため息をつく。
「……しょうがねぇな。」
静かに女性たちの後ろへ歩いていく。
右手が一度だけ動く。
いや。
動いたようにも見えなかった。
そのまま全員の後ろを通り過ぎる。
タガルは振り返りもせず、一言だけ告げた。
「終わり。」
次の瞬間。
モデルたちが一斉に息をつく。
「あっ……。」
誰一人、自分が解除された瞬間に気づいていない。
会場は静まり返った。
数秒後。
今まで見たことのない表情。
自然とこぼれる吐息。
ほどけた肩。
安堵の笑顔。
その一瞬を目の当たりにした会場から、割れんばかりの拍手が響いた。
世界中のカメラが、その奇跡のような瞬間を映し続ける。
興奮した増見社長は、思わずマイクを握りしめた。
「皆様!」
「彼こそ、この技術を完成させた――」
タガルが嫌な予感に振り向く。
「BHRタガルです!」
会場がざわつく。
「BHR?」
「何の略だ?」
「聞いたことがあるような……。」
タガルの表情が固まる。
(……やめろ。)
しかし、もう遅かった。
増見は満面の笑みで宣言した。
「ブラ・ホック・リリーサー・タガルです!」
(じいちゃんの武勇伝が、俺の汚名なんだよぉーー!!)
会場は一瞬静まり――
次の瞬間。
大爆笑と、これまでで一番大きな拍手に包まれた。
星は笑いをこらえきれず肩を震わせる。
研究室のみんなも、お腹を抱えて笑っている。
タガルは顔を真っ赤にして叫んだ。
「やめてくれぇぇぇぇっ!!」
その叫びさえ、歓声へと変わっていく。
笑顔が広がる会場を見渡しながら、星はそっと空を見上げた。
ごめんなさい。あなたの意志を汲んで後釜を目指すのはまだまだ先になりそうです。
ーー社長。
――ありがとうございました。
百年前に生まれた一つの想いは、ようやく時代を越えた。
人は、苦しい場所にそっと手を添えられた時、初めて前を向くことができる。
それは服でも、人でも、きっと同じ。
世界は今日。
もう一つの優しい「解放」を知った。
― 完 ―
↓
↓
↓
このくだらないお話を最後まで読んでいただいた皆様。
心より感謝いたします。できれば高評価とお友達やお知り合いへSNSなどで拡散をお願いいたします。
さて、このBHRタガルはスマホの二本指使用 ピンチイン ピンチアウトを駆使してリズムに乗って
【ブラホックを外すゲーム】
を作りたいと考えた時に作ったゲームシナリオが、まさかの小説となり今に至りました。
バカでしょ?
ゲーム自体はこの小説最終話の5年後。
ウニクロスの技術が海外の組織的犯罪グループに狙われ技術がリークした2225年の話。
タガルは世界を回り、粗悪模倣品のせいで外せなくて困っている女性のブラホックをはずす、まさに【人類解放計画】の立役者として抜擢されるストーリー(仮)です。
改めて言います。
バカでしょ??
ですが現在の私の技術ではスマホゲームでそこまで作る能力は無いので、大手メーカーさんあるいは新進気鋭のゲームエンジニアさんが目をつけて一緒につくろうではないか!と言ってくれるのを待っています。
ちなみに本格的に作る話が来た暁にはクラウドファウンディングで集金させてもらいます。
ゲームクリア時のエンドロールにはニックネームと好きなブラジャーのメーカー(シリーズ名もあれば)をセットで掲載させていただきたく思っておりますので奮ってご参加ください。
私 ドスコイK は ワコールのsaluteです。
一応、広義の小説ではありますので、
ぜひYOASOBIさんに歌にしてもらえれば嬉しい限りです。
AYASEさんがブラジャーの話を気に入ればの話ですが。
むしろこの限界までくだらないブラジャーの内容を歌にできますか?的な挑戦状ですね、はい。
負けを認めた場合はせめてAYASEさんの好きなブラメーカーをそっと唐突にXに投稿して欲しいです。
早々にBHRがブラ ホック リリサーと気づいたあなたは、もはやあなたが嫌でも、私ともう友達でしょう。
最近は連絡先を交換しただけの知り合い全員が「友だち」と書いてあるLINEを見て、かなり友達の敷居って低いなぁと思っています。
これからも楽しくくだらないお話を書きますので応援の方よろしくお願いします。
応援やコメントなどお待ちしております。
それでは重ね重ねではございますが、貴重なお時間をこのくだらない小説に割いて頂きまして誠にありがとうございました。




