ウェポンマスターと第三の試練 ②
「なにしてるんですか!?」
オキタさんの声に私はハッとする。今は戦闘中だ。
たとえゲーム内と言っても死ぬ可能性があるのだ。しかも最後の試練の途中だ、今まで以上に気は抜いてはいかないのに私はいったい何をしているのだろう。
私は気を取り直して攻撃態勢に入る。
当初の作戦の通り黒い女を先に倒すため私たちは攻撃を仕掛けるが躱されてしまう。
なので、シュートが任意発動型の固有スキル『変幻自在』を発動させる。
この『変幻自在』という固有スキルは自分の放った矢の軌道や自身の放った魔法の形状、そしてスピードまでも変えることのできるスキルだ。このことは、この第三の試練前に教えてもらった。
『変幻自在』のスキルで軌道を変えた矢は、ローズの根の壁をすり抜け、見事黒の女にあたった。
攻撃が当たったことで動きが少し鈍くなった隙にオキタさんが『無明剣」』を使い女に穴をあけていく。
オキタさんの攻撃がやむと、女は最初からいなかったように煙となって消えた。
女のいた場所には一枚のプレートが落ちておりそのプレートには、
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・固有スキル『発€%掘師』
『シャドーデミゴッド』に奪われたミナの影
影には固有スキルが閉じ込められており、このプレートをミナが使うことで固有スキルを取り戻せる。
ミナ以外に使用不可能
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とあった。プレートを拾った私はアイカちゃんや、オキタさんシュートにプレートを見せ現状の確認を行う。
「シャドーデミゴッドですか、影の半神という意味ですね。つまり相手は影山というダンジョンで二人の影を盗んだということでしょうか?」
「多分そうだろう。 しかし、固有スキルを奪う敵なんて聞いたことがない」
「ねえ、ねえ。固有スキル奪われたらなにもできずにやられちゃうんじゃない?」
「そうかもしれないが、ローズは通常スキルも持っているはずだ。通常スキルは奪われたとは書いてないから案外大丈夫かもな」
「あとこのミナという方は誰なのかも知っときたいですね」
「「「…………」」」
「えっ!? なんですかその目は!」
「「「それは個人的に知りたいだけでしょうが」」」
三人はじーっと半端あきれたような目で私を見てくる。
「そ、そんなんじゃありません!!」
「あっ、ローズの攻撃がきますよ!」
ローズが攻撃してくれたおかげでなんとかこの話を切り上げることに成功。
だが、一番の難問であるローズの影の撃破は難しくなっていた。
先程までミナという影を庇いながら戦っていたローズが自身のことに集中するようになったからだ。
「残るはローズのみだ。いくぞ!!!」
◆
「…………ここは?」
目を開けるとそこは一面の花畑。
そも奥にはうっすらと見える程度だが大きな湖とその中央にそびえる大きな大きな木があった。
そして少し離れたところにはミナが横たわっており、それを見た俺は急いでミナに駆け寄る。
ミナはケガもなく寝ているようだった。……怪我がない?
そのことに疑問を持った俺は自分の体を見る。
傷がない。
体力を見るが、通常緑のゲージで表示っされているそれは、ふちを黄緑色に発光させている。
このエフェクトは、ポーションなどで体力を回復させているときに現れるエフェクトだ。
「ここにいるだけで体力が回復しているのか?」
信じられない。まずここはどこなんだ?
ゲームにこんなとこが存在するのか?
バクか?
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名前:ローズ
種族:エンシェントエルフ
職業:花の魔術師 Lv 40
筋力:46+2
防御:68+5
魔力:85+10+10
敏捷:65+5
幸運:55+5+3
【固有スキル】
『氷炎』:現在使用不可
『植物魔法』:現在使用不可
【スキル】
『千本桜』:開門中
【装備】
頭:無し
体:無し
腕:無し
足:無し
右手:黒鉄の杖
左手:黒鉄の浮遊玉
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開門中?
この空間はこの『千本桜』が作ったというのか?
固有スキル級のスキルじゃないか。
「んんー」
「ミナ大丈夫か?」
「え?楽兄?ここどこ?ダンジョンはクリアしたの?」
「分からん。多分ダンジョンはクリアしてない。俺の『千本桜』って言うスキルで逃げてるだけだと思う。」
「そうなんだ。……ならリベンジに行かないとね。」
「は?」
「は?じゃないよ。楽兄はやられたままでいいの?私は嫌。だから私は行くけど、楽兄はどうすんの?」
あれにもう一回挑むのか、やらないのが得策だが、俺もやられっぱなしは嫌だ。
「行くに決まってんだろ?」
「決まりだね。ならまず作戦を立てないとね」
「ん?ちょっと待てミナお前影戻ってきてないか?」
「あほんとだ。なんで?」
「なあミナ、俺は影がないから固有スキル使えないって出たんだけどお前はどうだ?」
「う~ん無理っぽいかな~」
そう言ってミナはステータスプレートをいじっている。
いじるのを終えたミナはこちらに向き直り真剣な表情であることを言った。
その話を聞いた俺とミナは改めてあいつらを倒すための作戦を考えることにしたのだった。
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